所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。アーティストにとって「○○みたい」というのはある意味侮辱です。無からなにかを創り出すのが芸術で今あるものをよりよく発展させるのは技術だ、という観点からは「他者に似ている」というのは「芸術」として、「芸術家」としてどうなのかと。そんな中何者にも似ていない強い個性とオトコのニオイを放っている人物の作品をご紹介します。
THEATRE BROOK。音楽的には独自カラーを貫く、濃い、グループ。スクラッチなどが入っているが、音造りとイイ、曲とイイ、その出で立ちとイイ(約一名)、70年代?という感じの「こゆい」ファンク野郎。
その1stシングル(彼等はアルバムデビューなので、「デビューシングル」ではない)。
現在は、エマーソン北村と沼澤尚という業界名うてのテクニシャンが加入しているが、このときは初期メンバーなので、今は脱退してしまったキーボードの若林"Waka"雄一郎と、ドラムスの三嶋"RACCO"光博の2人に、今も在籍するベーシスト中條卓、そして「ヤツ」。
1990年代も半ばというのに、ちりっちりのカーリーヘアー、禁煙ブーム何するモノぞで濃そうな煙草をくゆらし、汚れたスリムのジーパンか、逆にひらっひらのシルクのシャツでも着てそうなヤツ。
佐藤タイジ。
このバンドはこの男から放たれる強くセクシィなオーラ、これに尽きる。テクニックとか、理論とか、そーゆーものではない、もっと根源的なエネルギー。音楽の持つ情動とか、表現する歓びなどがダイレクトに来る。音楽を生きている。そんな感じ。
表題曲「あふれ出すばかり」。シングルボビンじゃなさそうな、中域が濃い音のカッティングギターと、ワウギターのオブリとの対比が「あのころ」風。フィードバックしてるディストーションギター+オルガンなんて、およそ流行んないンだけど、何ともスゴイ魅力。音のバランスが普通でないのも良いのかも。ドラムスも、バスドラは皮の音の方が大きくて膨らんでいて、ビートと言うより圧力、そのわりにはハイハットのチック音だけは妙に鮮明で、リズムが上手く形成されてる。不思議な魅力の曲。この曲ではCDのクレジットでは、EL PASO BROS.と記されている吉澤昭広がターンテーブル、後に正メンバーとなるエマーソン北村がオルガンを弾く。
「光の音」は、リズムマシンとタイジの生ギター、エマーソン北村のハモンドが印象的な、けだるげなチューン(それはそうと、このときの正キーボーディストのハズの若林"Waka"雄一郎は、クレジットに名前が載っているだけで、担当楽器の記載もなく、ジャケットにも写っていない。すでに退団していた?)。
「YOUR CHILDREN」は、ヴォーカルにかけられた深いリバーヴと、無機質なサンプリングループ、ダミった音のFuzz Bassがレイジーなミディアムチューン。でも詞は意外にいいンだな、これが。♪I'm talkin'bout children/I'm talkin'bout your children~生きなきゃなんない/育てなきゃなんない/見せたくない/見せなきゃなんない/つかれるだろう/ゆううつだろう/根性見せたれ/側にいるから♪男、タイジ、という感じ?
一人の男から放たれる妖しいオーラが全体を包んで、時代の感触を超えて届く曲。こういうのを「名曲」と言うのだろうか?
この濃さにはまった人には次の沼が...?w
【収録曲】
1. あふれ出すばかり
2. 光の音
3. YOUR CHILDREN
「あふれ出すばかり」
20世紀も終わろうとしていた時代に、このクロさ
当時、ファンクやヒップホップ、ゴスペルなど黒人音楽を、独自に解釈して日本語に落とし込んだアーティストは少なくないが、日本人向けに濃さや灰汁を弱めていないのは強い
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購入金額
1,200円
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購入日
1995年頃
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購入場所
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