Oculus(Meta) Quest 2
用のハードストラップ。
Quest 2はVR機器の中でトップのシェアを持つ(Steam VR使用者の45%が使用/2022年2月8日現在)。Quest 2は単体稼働も可能なので、Oculus(Meta)ストアのアプリのみ使っていて、Steamを使わない層も含めれば、ひょっとしたら稼働中VR機器の半分ほどを占めているかもしれない。
この高シェアは、巨大企業Meta(旧Facebook)のバックアップの安心感に加え、他の主なVR機器の半額以下という、戦略的な価格が大きな要因のひとつだろう(Windows MRには一部近い価格で売られているものもあるが、複数のメーカーから販売されていることがあだになって、サポートに不安を残す)。
ただ、安価に仕上げるためか、結構「ケチってるな」と言う部分もある。
その一番の部分が、固定用のバンド=ストラップ(頭の周囲に回して、ゴーグル部分を固定する部分)。
以前から持っているVR(MR)機器であるSamsung Odyssey
のしっかりとしたプラスチックのクラウン(王冠)状の構造とは雲泥の差。
Odysseyの頭にかぶる「輪」は、ダイヤルで調整するし、そもそも頭に固定されているのが、ゴーグル部分と後頭部ではなく、額と後頭部なので、ゴーグルの重さが分散され、目の周りの締め付け感が少ない。
Windows MRではプレミアム帯製品であるOdysseyと比べるのは酷かもしれないが、Quest 2の固定バンドは見るからにチープなゴムバンド。
標準ストラップ。特に矢印部分の頭頂部ストラップの固定で上に引っ張られるのが不快。
太くて硬いゴムバンドだが、約0.5kgあるゴーグルを支えるのには、最低限。緩いとゴーグル部分が重力によって下に下がり、頬の上あたりが痛くなるし、締めすぎると当然こめかみや後頭部がキツイと調整も難しい。
高性能なVR機器を、他の同種機器をぶっちぎる3万円台で提供するために、妥協したくないゴーグル部分にはきちんと金を掛けた一方、取りあえず固定さえ出来れば「なんとかなる」ストラップ部分はこれでもかとコストを引き抜いた感じ。
一応、「か~な~り」上手く締められれば、ゴーグルが下に引っ張られず、頭も痛くないというバランスポイントにたどり着くことが出来るが、スイートスポットが針の穴ほど狭く、VR活動中ずっと快適に過ごすというのは至難の業。
そのため、Quest 2が気に入ったら、一番に手を入れるべき/そして/手を入れた場合、満足度向上が大きいのがストラップ部分だと思う。
このストラップ、誰が使っても「アカン」のは一目?瞭然だったせいか、さすが最量販VR機器Quest 2の市場の広さと言うことか、複数のメーカーからいろいろなタイプのものがリリースされている。
頭頂部のクッションを大きくして圧力を分散するタイプ、Odyssey同様、額に大きめのパーツをつけ、ゴーグルはそこからぶら下げるような形にして、目の周りの圧力を減らしたモノ、純正と同様硬質部品は使わずコンパクトさを追求しながらも、ゴムではなく伸縮性のない硬質繊維を使って、ずり落ちを防ぐ工夫をしたもの...これらが、下は2千円ほどから、上は1万円超まで幅広い価格で売られている。
調整範囲が大きかったり、予備バッテリー搭載済みのタイプなど面白いモノがいくつかあったが、本体を中古で入手したときに、純正のオプションストラップが付いていたので、取りあえず「基準」としてこれを使うことにした。
Quest 2の純正オプションストラップ、「Quest 2 Eliteストラップ」。
中古入手のため、包装状態は不明だが、パーツとしては「これだけ」
どんなあたりが「エリート(=選ばれた者、精鋭)」なのかワカランが、この「Eliteストラップ」に金を掛けた「Quest 2」ガチ勢用のストラップなのかもしれない。....というのも、この「Eliteストラップ」、直販価格6,820円で、Quest 2のベースグレード(64GB、2021年8月以降は128GB)の定価37,180円の2割近い価格、つまりこれを合わせて買うと、Quest 2にかかるコストが44,000円となり、せっかくの「驚異の3万円台!のVR機器」というのが損なわれてしまう、「選ばれし者」しか買わないような価格設定。
そこまでして貢いだガチ勢に、「選ばれた者」だけが味わえる至高のつけ心地を提供するか...というと、Samsung Odysseyと比べても付け心地は同等未満。一応頭のリング(輪)を締め付ける機構はダイヤル式にはなるし(頭頂部に渡るストラップは相変わらずベルクロだけど←汚れやすい白から黒にはなっているが)、後頭部に大きなパッドが付いて重さも分散されるので、もちろん純正のゴムバンドに比べると付け心地の改善は大きいのだが、他のサードパーティ製互換ストラップの、額と後頭部を結んで固定するようにした機構のものや、駆動時間を延ばすためのバッテリーを搭載したものが、中心価格3,000~6,000円あたりでで売られていることを考えると、「コストパフォーマンス」視点では、正直良くない。
取り付けは、純正のゴムバンドを土台から「パカッ」とむしり取って外して、パチンとはめ込むもので、固定金具やネジがあるわけではない。ツールレス交換が可能な機構なのは評価できる一方、要は土台より若干狭めに造られた接合部の噛み合わせの摩擦だけで止まっているわけで、頻回のつけ外しは考慮されておらず、原則「付けっぱ」で使うデバイス。
標準のゴムストラップを「土台」を破損させないようにバキッともぎ取り...
標準ストラップを外したところ(作業しやすいように顔面側のパッドは外している)
「付けっぱ」で問題となるのは、Quest 2の標準ストラップがゴム製であることで得られる数少ないメリットのひとつである「コンパクトさ」が損なわれること。「付けっぱ」で大きくなることで、いくつかサードパーティーから用意されている、Quest 2を対象としたゴーグルケースが使えなくなる(さすがに純正の別売ハードケース=「Quest 2携帯用ケース」は、Eliteストラップを装着したまま入るが)。また、このEliteストラップの側頭部にあたるリング状のプラ部品の強度があまり高いものではないために、「付けっぱ」だと破損のリスクが高まること←ネットでは破断の報告が結構ある。
また、Eliteストラップは額を固定に使うタイプではなく、標準のゴムストラップの部分をプラスチックの調整しやすい「輪」にしただけのものであるので、目の周囲に直接押しつける構造であるのは変わらない。
それでも、頭頂部のストラップは布製のベルクロ留めなのは変わらないが、それが固定されるのが「土台」としてはこころもとないゴムバンドではなく、しっかりとしたプラリングになることと、後頭部の大きなパッドで、標準ストラップに比べると遙かに上質な装着感が得られる。
他社製品を眺めるとかなり割高とは思うが、安く手に入れられる機会があったり、純正部品の安心感が欲しかったりする場合には、選択すべき商品かな。
このEliteストラップで、やっとOdysseyと装着感が比較できるレベルに(勝てるとは言っていない)
【仕様】
製品サイズ(縦×横×高さ):215×175×104 mm
重量:179g
定価の半額なら、まあ「買い」かな
今の定価の約4割(60%引き)の2,800円なら「神オプション」だったのに....←ベーシックグレードのQuest 2と合わせて4万円未満
脱着が、なまじツールレスなので、つけ外ししづらい
つけたままでは、Quest 2単体をターゲットとしたケースには入らない。かといって、つけ外しを頻繁にすると、かみ合わせが弱くなりそう。プラ部品の強度そのものは、5,000円以上するものとは思えない。
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購入金額
0円
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購入日
2022年12月07日
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購入場所
ヤフオク!
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