久しぶりに格闘ゲームなどをプレイしようとして、コントローラーでやってみると何か物足りないと感じることはありませんか?
昔、ゲームセンターなどでガチャレバしていたなあという方は特に思うと思います。
こういう私も、ゲームセンターで格闘ゲームで遊んでいました。
押し入れに眠っているアーケードコントローラーを、最新ゲーム機に対応させて使えるようになる商品(Wireless Fighting Board)で覚醒させたいと思います。
Wireless Fighting Boardとは
まずは、公式サイトをのぞいてみましょう。
サイトは英語と中国語表記ですが、なんとなくわかるかと思います。
ホームページ上では、ユーザーガイド、ファームウエアをダウンロードすることもできます。
ユーザーガイドはホームページの内容とほぼ同じです。
製品の内容は写真の通りとなっております。
メイン基板、ブレイクアウト基板、ワイヤレスアンテナ、メイン基板とブレイクアウト基板間ケーブル、ワイヤレスアンテナ用ケーブル、ジャンパーピン、ロゴシール
メイン基板のシルク印刷部分を見ると、ある程度接続先がわかるように表示されています。
ブレイクアウト基板は、メイン基板のUSB接続端子とPS4でのオーディオコネクタをケース外側に取り付けるようになっています。
主な機能として
Bluetoothワイヤレス接続と有線接続
接続できるコンソール PS4 / PS3 / NS / PC
18個のデジタル入力×、〇、□、△、上、下、左、右、L1、R1、L2、R2、L3、R3、Option、Share、PSキー、タッチキー
LS / RS / DPはエミュレートまたはスイッチで切り替えることができます。
4つのLEDでプレーヤー番号を表示します。
タッチパッドと3DVR(オプション)
ターボキーでの連射機能
3.5mmオーディオコネクタ(PS4のみ)
2つのSOCDの選択
ファームウエアのアップデートができる
この基板を使ってゲームのコントローラー(アーケードスティック)を作れるという商品です。
どのように改造するか
押し入れに眠っているアーケードコントローラーを探してきました。
箱から出してみるとほとんど新品同様でした。(あまり遊んでいなかった?)
裏面のねじを外して開けてみます。
作りは意外と簡単でした。
アーケードコントローラーの中を見ながら、改造をどのように進めるか考えてみました。
スティックレバーと大きいスイッチは操作感が今一つだったので、新規に購入して交換。
小さいスイッチ類は基板上のスイッチと機構を使って利用する。
Wireless Fighting Boardの主な機能は使用する。
・LS / RS / DPのスイッチを増設
・プレイヤー表示のLED4個を増設
追加部品の購入
改造するにあたり、追加の部品を購入しました。
レバーとボタン類については、アミューズメント関連の部品を製造しているセイミツ工業製を選びました。やはり業務用というところに安心感がありますね。
まずはボタンですが、固定方法が差し込み式とネジ式の2種類があり、価格が少し安い差し込み式を選びました。
スティックは、シャフトがついているタイプを選び、手汗による錆などを防ごうと思いました。
レバーボールは大きさや色などいろいろな種類がありましたが、ボールの大きさがφ35mmのよくゲームセンターで使用されているものを選びました。
電子部品類は、LED、スイッチなどを購入しました。
スティックや基板を止めるネジ類や配線を束ねる結束バンドも購入しました。
改造してみる
まずは、アーケードスティックの中身を全部外します。
レバーを取り付ける部分や、新たに増設する部品の取り付け部分のケース加工をします。
レバー部分のプラスチック部分をニッパー等で削り落とします。
ブレイクアウト基板とアンテナを取り付け部分の加工をします。
レバー取り付け穴4か所をあけます。(5mmのドリル使用)
基板(メイン基板)固定用穴2か所をあけます。(3mmのドリル使用)
スイッチ基板取付穴をあけます。(3mm穴2つとスイッチ本体が入る穴)
LED基板取付穴をあけます。(3mm穴2つとLEDに位置に合わせた穴3mm4つ)
基板をネジで取付する部分の3mm穴は穴の先端を少し大きめのドリルで角を落とします。(ザグリ加工)
ザグリ加工をすると表にネジが飛び出ません。
表面のシルク印刷部分をメラミンスポンジで落としています。
落とした後が目立つので、つや消しスプレーを吹いてそれなりに処理しています。
それぞれの穴は、取り付ける部品に合わせて穴をあけます。
スイッチ基板とLED基板は、初めに作って置くと穴の位置合わせがうまくいくと思います。
私の場合は並行して行っています。
スイッチ基板の製作
ユニバーサル基板に3接点スライドスイッチをはんだ付けして、端子部分にケーブルをはんだ付けします。
スイッチは端子の1本目がちょっと離れているほうが1ピン目です。
はんだ付けしたケーブルの根元を、グルーガンで固定しています。
LED基板の製作
ユニバーサル基板にLEDをはんだ付けして、端子部分にリード線をはんだ付けします。
LED(発光ダイオード)の取り付け方
足の長いほうがアノード側で極性は+になります。
4つのLEDのアノード側(+)をつないでVCCとします。
あとはLEDのカソード側(-)からそれぞれリード線をはんだ付けします。
はんだ付けしたケーブルの根元を、グルーガンで固定しています。
外した基板を改造します。
外した小さい基板のコネクタを外して、リード線をはんだ付けします。
外した大きい基板のほうは、スイッチ部分とターボ表示のLEDしか使わないので、必要ない部品は外してしまいます。
LEDは端の2色発光ダイオードを外して、真ん中で使っていた赤LEDを移植します。
移植したLEDのパターンは、ショートしないようにパターンカットしました。
スイッチの端子部分にそれぞれリード線をはんだ付けして、グルーガンで固定します。
※マイナス側は、同一パターン接続なので、1本でOKです。
外した基板と追加したスイッチ基板、LED基板を取り付けます。
ネジで取り付ける際には、ナットをスペーサー代わりに使って、基板の取り付け高さを調整します。
リード線には、マスキングテープで接続先を記入しておくと配線がしやすいです。
テスターなどで配線先の確認をすると楽です。
発光LEDはボタン電池等で極性確認をするとよいです。
残っているボタン類もこの時に取り付けておきます。
ブレイクアウト基板は、さらネジではなくトラスネジを使って固定します。
リード線をまとめながら、メイン基板に接続していきます。
メイン基板の固定位置を考慮しながら回路図を見て、リード線の長さを調整します。
J3の赤丸部分には外した大きい基板から出ているリード線をつなげます。
(SHARE,PS,OPTION,GND)
リード線の端を予備はんだして、端子にねじ止めします。
J7のコネクタ部分には、手持ちのコネクタを使って大きい基板から出ているリード線をつなげます。
(TURBOKEYとTURBOLEDの+-)
J2のコネクタには、LED基板から出ているリード線をはんだ付けします。
(メイン基板の裏側の端子部分に直接はんだ付け)
J12のコネクタには、スイッチ基板から出ているリード線をはんだ付けします。
(メイン基板の裏側の端子部分に直接はんだ付け)
はんだ付けが終わったら、メイン基板をケースにねじ止めします。
J10のコネクタにはFighting Boardケーブルの4ピンコネクタを使って接続します。
(片側にはんだ付け)
残りの配線をします。
J4にFighting Boardケーブルを接続します。
基本的にJ4とJ3は回路的に同じところにつながっています。
Fighting Boardケーブルを残っているボタンに接続します。
配線はテスターで確認しながら行うと楽です。
線の長さはボタンの配置に合わせて調整されているようです。
ブレイクアウト基板はJ1-1,J11-1と添付されているケーブルで接続します。
アンテナはANT1にケーブルを接続します。
ケーブルの接続が大体終わったところで、レバーをケースに取り付けます。
ネジは低頭のねじを使います。
ケースに取り付けが終わったら、Fighting Boardケーブルを接続します。
配線を線に負荷がかからないように束ねて見栄えを良くします。
最後にこいつを取り付けます。
PS3のコントローラーのバッテリー(交換したもの)を接続します。
これで配線は完了です。
配線部のアップの写真をご覧ください。
背面カバーを取り付けてひっくり返します。
フロントパネルにテプラで表示をして、添付されているロゴシールを貼りました。
無事完成しました。
製作途中の写真を撮り忘れちゃったので、ちょっとわかりにくかったかもしれません。
使ってみる
まずはブレイクアウト基板にUSB2.0TypeBのケーブルを差し込みます。
幸いなことに手持ちのケーブルがありましたので、それを使っています。
ない場合は、ハードオフなどで手に入ると思います。
PS5につないでみました。
PS5のUSB端子に接続するとPLAYERLEDが点滅してアーケードコントローラーが充電していることを表してくれます。
アーケードコントローラーのPSボタンを押すとペアリングしてくれます。(デフォルトはPS4)
PS3は1P/□/X、PS4は2P/△/Yを押しながらPSボタンを押します。
やり方はDUALSHOCK4などと同じです。
写真のようにDUALSHOCK4として認識してくれています。
機能について
TPKEYのエミュレーション
タッチパッド入力のエミュレートをすることができます。
レバーを左に倒した状態でTOUCHボタンを押すと、タッチパッドの左側を押した状態を再現できます。
TOUCHボタンを押すと中央、レバー右とTOUCHボタンで右側を押した状態を再現できます。
LS DP RSモードについて
LS DP RSモードとは、レバーをアナログスイッチの左、右、十字キーに入れ替えるモードのことをさします。
スイッチで切り替えない場合は、OPTION/STARTボタンとレバー入力で切り替える仕様となっています。
今回スイッチを取り付けているので、スイッチを切り替えることにより簡単に切り替えできます。
LS:レバーが左アナログスイッチ入力に切り替わります。
DP:レバーが十字キー入力に切り替わります。
RS:レバーが右アナログスイッチ入力に切り替わります。
ターボキー(連射機能)
TURBOキーを押しながら連射したいキーを押します。
連射できるキー:×、〇、□、△、L1、L2、R1、R2
設定したボタンを押すと赤LEDが点滅しながらボタンが連射されます。
連射を解除したい場合は、TURBOキーを押しながら解除したいキーを押します。
SOCDモード
自作でHitBoxなどに組み込んだ際に、同時判定入力判定の有無を設定するモードになっています。
J15のジャンパーをするかどうかで決まります。
今回はジャンパーのままで進めます。
ストリートファイターなどのゲーム大会では、必須の項目のようです。
NINTENDO SWITCHにつないでみました。
USB接続をします。
1K/×/Aのボタンを押しながら接続します。
すると無事認識されました。
一度USB接続すると、ワイヤレス接続できるようになります。
ワイヤレス接続は、1K/×/Aのボタンを押しながらPSボタンを押します。
PCにつないでみました。
USB接続してみました。
2K/〇/Bのボタンを押しながら接続します。
ワイヤレス接続は、2K/〇/Bのボタンを押しながらPSボタンを押します。
WirelessControllerとして認識されています。
もちろんばっちり動作できています。
ゲームをプレイした動画
PS5でVirtua Fighter esports(SEGA)をプレイしてみました。
久しぶりだったので、かなり下手です。
まとめ
Wireless Fighting Boardは、ある程度の知識があれば自分の好きなようにアーケードコントローラーが作れる優れものだと思います。
機能も充実しており、ファームウエアのアップデートもできるので、ゲーム機のファームウエアのアップデートによる使用不可になった場合の対策もされています。
ユーザーガイドが英語と中国語表記なので、翻訳しなければいけませんが、図だけでも何とか理解できると思います。
簡単に配線ができるようになるFighting Boardケーブルは、便利と思いますが、欲を言えば、自作したLED部分、スイッチ部分などの別売りキットなどがあれば、なお便利に自作できるようになると思います。
最後にユーザーマニュアルを翻訳してみました。
参考になればと思います。
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。