64AUDIO U6t、qdc WHITE TIGERとメイン級のイヤフォン2本が手に入って以来、新たにイヤフォンを入手することがほぼ無くなっていたのですが、先日のeイヤホンのセールで久々に気になる品が出ていたのでついつい購入してしまいました。
ヘッドフォン、イヤフォンの世界で日本のFOSTEXと共に平面磁界振動板採用ドライバーの先駆者的存在である米AUDEZEが発売したIEM、iSINEシリーズの下位モデルであるiSINE 10です。本当は上位のiSINE 20を欲しいと思っていたのですが、iSINE 10でも4桁価格であれば十分魅力的でした。
写真を撮り忘れてしまいましたが、付属品も概ね揃っています。ただ、このシリーズにはCIEM 2pinの標準ケーブルと、Apple Lightning接続のDAC内蔵ケーブルCypherの2種類が添付されているのですが、CIEM 2pinの標準ケーブルの方の皮膜が裂けている状態で、このケーブルの状態の悪さから格安販売されていたということです。
ケーブルは何とでもなるのですが、欠品していると厄介と思われるのがプラスチック製の専用イヤーフックです。これがないと通常のイヤフォンよりも圧倒的に大きい本機では、耳で保持するのは困難ですから…。
今回は標準添付のケーブルは利用せず、丁度余っていたWAGNUS. Cumulus Air 2.5mm4極 - CIEM 2pinモデルを組み合わせて聴くことにしました。Cumulus AirはSHURE掛け用の形状となっていますが、iSINE 10はケーブルが下向きに出る形であるため、意外と何とかなってしまいました。
また、本機は見た目以上にノズルが太く、一般的なイヤーピースを装着するのは意外と難しいといえます。単売品のメジャーな製品ではJVCのSpiral Dotシリーズ等は何とかなりますが、私が愛用しているradius ZONEやAZLAの製品群ではちょっと厳しいと思います。
最初は標準添付品で聴いていたのですが、何となく本来の実力をスポイルしているように感じられましたので、手持ちのイヤーピースで使えそうなものに付け替えつつ試聴していきたいと思います。
ポテンシャルの高さは感じられる
試聴に当たってはイヤーピースは適宜付け替えましたが、ケーブルは前述のWAGNUS. Cumulus Air(アンバランス接続時はそれにBrise Audio STR7-CONVを組み合わせて変換)で固定、組み合わせるプレイヤーは2.5mm出力を持つAstell&Kern A&future SE100、アンバランス専用のCHORD Hugoとしました。
まずある意味驚きなのですが、本来結構音質傾向が異なるSE100とHugoのどちらで聴いても、根本的な傾向は変わらずに聴けます。ヘッドフォンのEL-8 Open Backでもそうだったのですが、ヘッドフォンやイヤフォン側の支配力が強く、機器の違いをそれほど意識させないと製品といえます。
まず第一印象としてはそれほど派手な音ではないものの、低域の深さや高域の細やかさなど、基本性能はとても高いという印象を受けました。30mmというちょっとしたヘッドフォン並の大きさのドライバーを搭載しているためか、特に低域方向には独特の余裕のようなものが感じられます。
「Waltz For Debby / Bill Evans Trio」はなかなか好相性で、ベースラインに深さはありつつも、それほど前にしゃしゃり出てくることがありません。イヤフォンではベースを強調するためにどうしても低域を盛っている製品が多く、3人の位置関係が正しく聞こえないことも少なくはないのですが、iSINE 10は極めて真っ当に定位します。
強いて言えば、恐らく200Hzかややその下辺りだと思うのですが、その辺りの帯域が少しだけ多めに出る傾向があり、イヤーピースとの相性によってはそれが籠もりに感じられてしまうことがあります。標準装着のイヤーピースで感じられた若干の不自然さもそこから生じているものでしょう。これは相性がきちんと合うイヤーピースが見つかれば解決するのかもしれませんが。
一方でロック系の「Sowing The Seeds Of Love / Tears For Fears」や「Hope For The Runaway / Kenny Loggins」では空間表現は素晴らしいものの、ドラムのアタックが少々大人しいと感じます。音場はそこそこ拡がりますし間接音もよく出ているのですが、鋭さはもう少しあっても良いかなと思います。
ヴォーカルは声質により得手不得手がはっきりしているようで、Electoric Light OrchestraのJeff Lynneの声は素晴らしく生々しいのですが、Kenny Logginsの声はちょっと薄っぺらく聞こえます。
意外だったのはオーディオ的にはかなり出来が悪いアニソンの「stars we chase / ミア・テイラー (cv.内田 秀)」を聴いてみると、適度にアタックが丸くなるためか聞きづらさが緩和されます。アニソン系の海苔音源を聴く苦痛は多少和らげてくれるかもしれません。
率直に言って使いこなしはなかなか難しいイヤフォンだと思いますが、手間をかけても使いこなす価値はあるイヤフォンだといえるでしょう。本来お世辞にも得意なジャンルとは言えないと思うのですが、海苔音源のアニソンやJ-Popを適度に刺激を取り除いて再生してくれる傾向がありますので、音が苦手でアニソンを聴けないという人にもお勧めできます。
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購入金額
8,800円
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購入日
2026年03月01日
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購入場所
eイヤホン





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