レビューメディア「ジグソー」

音質チューニングというギミック売りの中華イヤホンではないが,コレクター向けか?

中華イヤホンLZ A4 Proです.1D+3BAのハイブリッド構成になります.LZは,LZ HiFi Audioが正式名称の様です.

懲りもせずまた中華イヤホンに手を出してしまいました.

このLZ A4 Proの特徴は,1D+3BAのハイブリット構成に加え,ステム(フィルター)とキャビティホールがチューニングできることになります.

フィルター4種類,キャビティホール3種類の組み合わせが可能で,12種類の構成から好みのチューニングを選ぶことが出来るというギミックです.

 

 

ハウジングは3Dプリンタのデザインシェルになっていて,高級感を出しています.形状も3Dプリンタによるものなので,大きすぎず装着感は普通です.一般的なIEMの大きさと比べると,小さめなので,QDCより装着感はいいはずですが,個人的には良好とは言えないレベルです.もう少し形状を工夫してほしいと思います.個人的な問題かもしれませんが,ハウジングに対してステムが短いのとステムの角度が悪いようです.よって,フィット感がもうひとつなので,イヤーピース選びが重要で,柔らかめのシリコン系が良さそうです.とりあえず今回は,FitEarのダブルフランジを使用しました.

コネクタはCIEM-2Pinですが,ケーブルにもこだわっており,グラフェンコート銀メッキ線ケーブルの8芯が付属します.8芯なので太めではありますが,割と柔らかく,扱いやすいケーブルです.このケーブルだけでも単品で買うと5千円以上しそうです.

 

あと,付属するイヤホンケースですが,KINERAのIDUMに付属するケースとほぼ同じものでした.A4 Proの8芯ケーブルだと,結構ギリギリの収納です.強度があるので,ケース自体は潰れないというメリットがあるので,携帯するときのケースには向いています.

 

 

 

LZ A4 Proの特徴抜粋です.

・高性能Knowles BAドライバー3基

・デュアルキャビティCNTダイアフラムダイナミックドライバー1基

・交換可能なチューニングノズルを4セット搭載

・3組のキャビティチューニングホール

・高純度グラフェン、銅、銀合金ケーブル

・インピーダンス:26Ω

・感度:112dB/mW

・周波数応答範囲:20Hz〜20kHz

 

 

金属ステム(フィルター)は,レッド/ブラック/シルバー/ブルーの4種類あり,ブラックが標準で付いています.

そのブラックを基準にすると,レッドは中高域が制限されるようになり,シルバー,ブルーの順に高域が自然に伸びます.レッド<ブラック<シルバー<ブルーの順に高域が伸びます.

このステムがレッドというのは,音の変化は大きいですが,現実的な選択としては無いと思います.

 

 

一方,キャビティチューニングは,レッド/ブラック/ブルーの3種類の金属ネジがあり,こちらもブラックが標準で付いています.

キャビティーチューニングは,低域に関係しており,こちらもブラックを基準にすると,ブルーは抑えられ,レッドは強調されます.

 

 

よって,ステムがブルーでキャビティーネジがレッドという組み合わせが一番帯域が広くなり,一番現実的な組み合わせです.ステムがブルーとシルバーは,音質の傾向がよく似ているので,ブルーを選ぶかシルバーを選ぶかは,好みによる選択となります.ブルーよりシルバーのほうがより中域に特徴が出やすいように感じます.よって,ボーカルメインなら,ブルーよりシルバーのほうがいいと思います.

 

一方,ステムがレッドでキャビティーネジがブルーという組み合わせが中域強調となるのですが,ステムがレッドの場合,中域も抑えられた感じになるので,ステムがブラックでキャビティーネジがブルーというのが現実的な組み合わせです.

唯一,ステムがレッドで,キャビティーネジもレッドという組み合わせは,中高域が抑えられ,低域のみ特化した音になるので,低音番長で聴きたい場合に選択肢としては存在することになりますが,おすすめできません.

 

基本のステムがブラックで,キャビティーネジもブラックという組み合わせは,一番無難で,聴きやすくなっていますが,一歩前に出た中華イヤホンの音質レベルです.

寒色系の落ち着いた音質で,解像度もバランスも良く,ハイブリッドを感じさせないイヤホンの一つです.やや近くで鳴っていますが,音場はそれなりに感じられます.

これで終わっていれば,ただの中華イヤホンなのですが,ステムがブルーでキャビティーネジがレッドという組み合わせで,ややドンシャリ傾向にはなりますが,寒色系の音質のまま,高域の伸びで華やかさがプラスされます.また,低域も量感が増し,音場も広がり,迫力のある色のついた音質になります.雰囲気としてはゾネホンみたいなグルーブのある鳴り方に近い感覚です.

ボーカルメインの場合には,ステムがシルバーで,キャビティーネジがブラックという組み合わせが,一番聞きやすいと思います.若干色が落ちますが,最終的にはこの組み合わせで使用しており,個人的なオススメです.

 

それから,このイヤホンはドライブ能力のあるAMPが必要で,スマホではなくDAPで,しかもそれなりのDAPで聴かないと,普通の中華イヤホンの音しか出てこないです.

 

 

音質チューニングというギミックを搭載した中華イヤホンですが,意外に音質的にも満足できるものです.

AliExpressで,3万円ほどで売られていますが,コスパ的にも悪くないと思います.チューニング機能をなくして,2万円で売ると,更にコスパが良くなると思います.

ユーザーにチューニングを任せるという手法をとったLZ A4 Proですが,日本の代理店ときちんとメーカーチューニングを行い,ギミック無しでちんとした音作りをすれば,中華イヤホングルーブにはまとめられないブランドが構築できそうな実力を感じます.あと,形状をさらに工夫して装着感の向上も必要です.

 

LZ A4 Proはギミックのある中華イヤホンの位置づけですが,ユーザーチューニングで満足度の上がるイヤホンでした.

しかし,音自体の特徴が弱いので,今のままでは中華イヤホンの枠から抜け出すことが出来ないです.いくらチューニングして,音が変わる楽しさは味わえても,印象に残る音にはなっていません.悪くはないですが,コレクター向けイヤホンだと思います.

個人的には,きちんと音作りがされていて装着感もいいQDCのUranusのほうがおすすめです.

  • 購入金額

    28,272円

  • 購入日

    2022年01月頃

  • 購入場所

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