ここ最近、メインPCで音楽を再生するときに使われているのが、Chord Electronics製USB DAC/ヘッドフォンアンプ Hugoです。
このHugo、一応バッテリーを内蔵したポータブル機器なのですが、出てくる音はしっかりとした据え置きレベルであり、コンパクトかつ高性能という意味で気に入っています。まあ、新品で普通に買っていたらコストパフォーマンスはかなり劣悪だと思いますが。
ただ、このHugoの初代モデルには弱点があります。それはUSB端子(USB 2.0 microB形状)やRCA端子が妙に奥まった位置にあり、オーディオグレードのケーブルをほぼ使えないということです。現行モデルのHugo 2ではこの問題はありませんので、あくまで少数の初代Hugoユーザーだけが不満を抱える問題です。
私もオーディオグレードでHugoに使えるケーブルを見つけることが出来ず、結局買い置きしていたaudioquest製ケーブル、CINNAMONのコネクター周りを削り取って無理矢理使っていました。その顛末はこちらに書いています。
これで何とか使うことは出来ていたのですが、問題はCINNAMONは割合硬めのケーブルで、それが1.5mの長さで存在しているため、使っていて結構邪魔になっていた面がありました。そこでもう少し短いケーブルで使えるものはないかと探してみて、なかなか手頃そうなケーブルが見つかりました。それが今回取り上げるAIM電子 SHIELDIO USB UM1という製品です。
この製品は一応レギュラーモデルとして存在していますが、ラインナップに今回用意した0.3m(アイテム情報は0.15mにリンクしています)は存在していません。実はこの製品がレギュラーモデル化される前に、Stereo Sound誌のムック本に添付された専用仕様品なのです。
当時の商品説明では、AIM電子製USBケーブル、UAC-Fシリーズの type BコネクターをmicroBコネクターに置き換えた特別版とのことだったのですが、結果的にその後microBコネクターの製品も上記の「SHIELDIO USB UM1」としてレギュラーモデル化され、販売されることになったわけです。
高域方向の明瞭度は上がり、音場の密度はやや薄まる
本当は50cmあれば今までと同じセッティングで良かったのですが、30cmでは少し短かったため、Hugoの向きを変えてUSB端子への距離を縮めるようにしています。
ケーブルの内容そのものはレギュラーモデルのSHIELDIO USB UM1と変わらないはずですが、皮膜に「for Stereo Sound Mook」という文字が印刷されていることで差別化されています。
ちなみに「UAC-FシリーズのtypeB端子をmicroBに置き換えた」という説明ですが、AIM電子の製品情報で確認する限りUAC-FシリーズよりはUM1の方が細い導体を使っていて、実際にはmicroB端子に合わせた再設計がなされているのかも知れません。
この製品の大きな美点といえるのは、少し不安定ではあるものの本体を大きく動かしたりしなければ無改造のままHugoで問題なく使えるということです。
コネクター周りを削ったCINNAMONもやはり安定感は今ひとつでしたので、ほぼ同一の条件で使えるという水準です。
さて、出てくる音についてですが、やはり少し音色傾向は変化しました。
CINNAMONは音場の広さはごく普通でその中の密度が濃いタイプの音でしたが、SHIELDIO USB UM1は高域方向の見通しが良くなり、透明度が向上します。音場の広さはCINNAMONと大差ないのですが、特に中低域については密度が少し薄くなりました。もっとも、Hugo自体も元々十分に厚みのある音ですから、多少薄まったくらいの方がむしろ普通の傾向に感じられそうです。その意味でSHIELDIO USB UM1のバランスの良さは評価できます。
実はどちらのケーブルも銀コート銅線を採用しているのですが、恐らくSHIELDIO USB UM1の方が銀コートの厚みがあるのでしょう。銀線の音色傾向と言われればしっくりくる傾向でした。
今回のケーブル交換は、音質的にグレードアップとなったわけではありませんが、近い水準の音を確保しつつ取り回しを向上させることが出来ましたので、目的は十分に果たせました。このお試し版であればケーブルの性能の割にはかなり安価に購入できるのも有難いところです。
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購入金額
1,018円
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購入日
2021年09月01日
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購入場所
共立エレショップ
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