レビューメディア「ジグソー」

30周年盤にして初のアナログ盤

「音の職人」とも称される孤高のシンガー・ソングライター、山下達郎が1991年に発表したアルバムです。その作品がリリース30周年を記念してリマスターされると共に、初めてアナログ盤としてリリースされました。

 

元々本作の1991年発売のCDは持っていたのですが、折角だからアナログ盤でも聴いてみたいと思い、購入してみることにしました。

 

実は以前同じくアナログ盤がリリースされたアルバム「僕の中の少年」の40周年記念リマスター盤があったのですが、これを買うかどうか悩んでいる内にあっという間に売り切れてしまいましたので、この「ARTISAN」は予約で購入したわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本作は1991年の発売時にはCD・カセットのみがリリースされていましたが、山下達郎自身はアナログ盤の構成を意識して制作したということで、A/B面に振り分けられるような構成で、かつ収録時間を50分以内にするように意識したそうです。ただ、今回のリマスター盤は音質重視とした結果、本来のA面・B面でそれぞれLPを1枚ずつ費やす、溝がかなり幅広く取られたカッティングとなっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

LP2枚組構成となったため、ジャケットもダブルジャケット化されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

レーベルデザインはMOONレコードの昔ながらのものがそのまま使われています。この辺りは妻の竹内まりやのリマスター盤ではオリジナルから変更されていたと思いますが、敢えて旧来のデザインでリリースしたことがこだわりなのかも知れません。

 

 

 

 

 

 

 

 

購入特典でポストカードが付属してきましたが、これについては特に何とも…。

更新: 2021/08/18
総評

内容は文句ない充実度だが、音質は楽曲によってばらつく

まずは収録内容を確認してみましょう。

 

 

Side A

 

01. アトムの子
02. さよなら夏の日

 

 

Side B

 

03. ターナーの汽罐車–Turner’s Steamroller-
04. 片想い
05. TOKYO'S A LONELY TOWN

 


Side C

 

06. 飛遊人 –Human-
07. Splendor
08. MIGHTY SMILE(魔法の微笑み)

 

 

Side D

 

09. "QUEEN OF HYPE" BLUES
10. Endless Game
11. Groovin’

 

 

つまり、制作時点での構想ではSide A,BがLPのA面、Side C,DがLPのB面だったわけです。

 

 

本作もリリース時には当然のようにヒット作となり、シングルカットされTV-CFやTVタイアップ曲も含まれています。

 

山下達郎は公式にYouTube等に掲載している楽曲が極めて少なく、生憎本作に収録された楽曲の公式映像は全く見つかりませんでしたので、取り敢えず聴きたい方は楽曲名で検索するなどして試聴音源等を探してください。

 

一応収録楽曲が使われたTV-CFだけ貼っておきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Endless Game」もかなり知られた楽曲だと思うのですが、生憎使われたTV映像等も見つけることが出来ませんでしたので、ここでは紹介できません。

 

 

「音の職人」山下達郎の作品ですから、内容面でのクオリティーについては文句ありません。昔CDで良く聴いていた作品ということもありますが、このレコードも早速2周聴いてしまいました。

 

オープニングを飾る「アトムの子」など、制作の終盤で鉄腕アトムの作者、手塚治虫の訃報に接して10日ほどで突貫工事で作ったと山下達郎自身がコメントしていましたが、この曲をオープニングに配したことでアルバム全体の勢いが増した印象があります。

 

リマスター盤で改めて聴くと、この曲の低域方向のエネルギー感がこれほど強かったのかと驚かされました。CDで聴いていたときには勢いは良いけど音がやや薄いという印象を持っていたのです。

 

一方、続く「さよなら夏の日」はじっくりと歌われるバラードで、本作からの先行シングルとなっていました。曲としては素晴らしいのですが、この曲は改めて聴くとヴォーカルの音が思ったほどよくないということに気付かされました。次の「ターナーの汽罐車」の方が声の質はずっと良好です。

 

最初の1周目はリファレンスのaudio-technica AT-OC9/IIIで聴いたのですが、ヴォーカルがやや細く乾き気味であることでしっくり来ない感がありましたので、2周目はaudio-technica AT-ART7に交換して聴きました。この方がヴォーカルはしっくりときました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上記の例でも判る通り、楽曲ごとに制作環境等が異なるものがあるためか、音質には思ったよりもばらつきがあることに気付かされました。昔CDではそこまで意識することはなかったのですが、まあ当時とは再生環境も随分変わっていますからね。「さよなら夏の日」のヴォーカルはもう少しウォームな音で入っていた方が好みで、そこは少しだけ残念に思います。

 

 

そういえば、その「さよなら夏の日」ですが、実は本作に収録される前年にデビー・ギブソン(Debbie Gibson)により「Without You」というタイトルでリリースされていたことを思い出しました。日本のドラマで使うためにリリースされたシングルだったようですが、こちらも公式の映像は無いようですので、日本公演の映像を貼っておきます。

 

 

 

 

  • 購入金額

    4,400円

  • 購入日

    2021年08月17日

  • 購入場所

    Joshin Web

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