ヒューレット・パッカードから発売されていた金融電卓です。HP-17BII と違い後継モデルが発売されませんでした。
ほぼ 17BII の上位互換
HP-28S のような液晶ドットマトリクス表示です。但し、HP-28S と違って4行表示はできず、一番下の行は常にソフトメニューを表示します。
TVMソルバーは HP-17BII と同じく(HP-12C と異なり)年間支払回数を設定(OTHER→P/YR)する方式になっています。利率は常に年利で入力(I%YR)します(12C では月利で入力するには「12÷」機能で入力する必要があった)。
なお、N(支払回数)を求める場合、HP-12C の数少ない問題点とされていた切り上げ算出をせず、HP-17BII と同じく端数まで算出します。
HPの金融電卓全般(但し Spice シリーズ以降)に言えることですが、キャッシュアウトはマイナスで入力する必要があります。
画面が4行表示できることから入力履歴が3つまで表示(4つまで保持され上下キーでスクロール可能)されます。
金融電卓にしては数学関数が充実
HP-17BII には平方根、平方、べき乗、逆数(以上はキーボードのシフト機能)、指数関数、対数関数、階乗、円周率(以上は MATH メニュー)が搭載されていますが(平方と円周率以外は HP-12C にもある)、HP-19BII にはさらに三角関数、双曲線関数、単位変換も搭載しています。これに伴い、MODESメニューには D/R という項目があり、押すごとに度とラジアンが切り替わります。ラジアンにすると「(2π)」インジケーターが点灯します。
数式ソルバーを搭載
複利計算をはじめ金融・会計関係のソルバーを搭載しています。ただ、%CHG や %TOTL、日付計算といった、HP-12C では関数になっているものまでいちいちソルバーを使うのはどうかと思います。HP-12C と違って中置記法前提の設計に後付けでRPNに対応したためでしょう。
ソルバーに式を追加するには、SOLVE メニューで表示される式の一覧の一番下までスクロールします。17BII と違って NEW コマンドは使用しません。
ソルバーに数式が1つも登録されていないときは、SOLVE メニューを開くと直ちに数式入力できるようになります。
リアルタイムクロックを搭載
リアルタイムクロックを搭載しており、HP-17BII と同様の機能(日付計算、アラーム)が使用できます。但し、日付の形式は M/D/Y または D.M.Y のみが指定できます(アメリカのブランドだし……)。
Algebraicモードの注意
私は普段 Algebraic モードを使用しないのですが、Algebraic モードでは演算子の優先順位を考慮しないので(事務用電卓と同様)、明示的に括弧を入力する必要があります。但し、ソルバーの数式は演算子の優先順位に対応しています。
なお、6÷2(1+2) のような数式は拒絶されます。
クラムシェルはやはり特殊
この機種はクラムシェルになっています。HP-28S と同様、キーの感触はねっとりした感じです。
やはり大きい
折り返して使用すれば片手で持って使えますが、やはり大きいです。ただ、HP-28S と違って左キーボードをあまり使わないので何とか使えなくもないでしょう。
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購入金額
30,000円
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購入日
2021年07月25日
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購入場所
ヤフオク
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