ヒューレット・パッカードから発売されていた金融電卓です。現在は HP 17bII+ という後継機種があります(この HP 17bII+ はHP 35sに似た新筐体と評判の悪かった旧筐体があるのですがそれはさておき)が、今回は HP-17BII のオリジナルを入手しました。
ソフトメニュー搭載で使いやすくなったか
HP-42S と同様のドットマトリクス表示ですが、Algebraic 入力を前提としているためか、HP-42S と違い RPN モードにしてもスタックの2段表示はできず、下段は常にソフトメニューが表示されています。
TVMソルバーは、HP-12C と違って年間支払回数を設定(OTHER→P/YR)する方式になっています。利率は常に年利で入力(I%YR)します(12C では月利で入力するには「12÷」機能で入力する必要があった)。
なお、N(支払回数)を求める場合、HP-12C の数少ない問題点とされていた切り上げ算出をせず、端数まで算出します。
HPの金融電卓全般(但し Spice シリーズ以降)に言えることですが、キャッシュアウトはマイナスで入力する必要があります。
数式ソルバーを搭載
複利の計算をはじめ金融・会計関係のソルバーを内蔵しています。プログラム機能がない代わりに、ユーザー定義の数式ソルバーが使用できます。
しかし、%CHG や %TOTL、日付計算といった、HP-12C では関数になっているものまでいちいちソルバーを使うのはどうかと思います。HP-12C と違って中置記法前提の設計に後付けでRPNに対応したためでしょう。
リアルタイムクロックを搭載
HP-12C と違い、リアルタイムクロックを搭載しています。
なお、日付の形式は米国で使われている MM.DDYYYY(表示は MM/DD/YY) または欧州で使われている DD.MMYYYY(表示は MM.DD.YY)のみが設定でき、東アジアで使われている YYYY.MMDD 形式は使用できません(WP 34s では使用できますが)。
アラーム機能を搭載しているようですが、今では使うこともないでしょうが、PDA が発達していなかった時代は需要があったのでしょう。
Algebraicモードの注意
私は普段 Algebraic モードは使用しないのですが(RPN モードで使用するからこそ HP 電卓を使う意義がある)、演算子の優先順位が無い(普通の事務用電卓と同様)ので明示的に括弧を使用する必要があります(ソルバーの数式は演算子の優先順位があります)。
なお、一時期話題になった 6÷2(1+2) ですが、ソルバーの数式入力時は INVALID EQUATION エラーになります。通常の計算モードでは、この場合括弧の入力自体ができません(ビープをオンにしている場合はビープが鳴る)。ちなみに当方はかつて 1 が正しいと(私がHPの関数電卓を使い始める以前にカシオを使っていた影響もあるかもしれません)考えていましたが、現在は Syntax Error が正しいと考えています。
特徴的なタクタイル
ボタンはHP電卓の特徴的なタクタイルフィーリングで、押したときの感触が心地いいです。
ちょうどいいポケットサイズ
Pioneer シリーズ(HP-42S、HP-32S、HP-14B、HP-27Sなど)全体に言えることですが、ちょうどいいポケットサイズで使いやすいです。
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購入金額
15,000円
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購入日
2021年07月05日
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購入場所
ヤフオク
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