レビューメディア「ジグソー」

ブリスオーディオらしいまとまり

私が愛用するヘッドフォン、SENNHEISER HD650/HD6XXですが、これまでいろいろなケーブルを試した結果として、ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HS-S-TripleC-FMに行き着いて、現在メインPCでChord Hugoと組み合わせたHD6XXの方で常用しています。

 

 

 

 

 

一方、アナログ音源の取り込みで使っているPCでは、LUXMAN DA-100と組み合わせてHD650を使っているのですが、こちらはある意味消去法ではあるのですがFURUTECH iHP-35Sを組み合わせています。

 

 

 

 

 

 

現在接触不良や断線が発生していないケーブルの中で、もっとも音質的に満足度が高いケーブルがこれだったためです。とはいえ、メインのRHC-2.5HS-S-TripleC-FMと比べればやはりそれなりの実力差が感じられるのは否めません。かといって、RHC-2.5HS-S-TripleC-FMのような高価なケーブルを複数揃えるのは私の懐状況では厳しいものがあります。

 

そこで丁度よく特売品を見つけたのが、生産完了となり処分されていた、Brise Audio STD001HP for SENNHEISER HD650でした。

 

 

 

 

 

 

 

STD001HP自体は、過去に2種類使っているのですが、HD650と組み合わせるのは今回が初めてとなります。下記のAUDEZE EL-8用はSTD001HPシリーズの生産完了直前に駆け込みでオーダーしたものでした。

 

 

 

 

 

 

これ以外にSTD001HP for OPPOも持っているのですが、レビューは現時点で未掲載です。

 

 

 

 

 

 

 

本当は6.3mmプラグの方が良かったのですが、在庫が3.5mmのみだったので、これは妥協しました。

更新: 2021/08/29
総評

バランス良くまとまっているが、RHC-2.5HS-S-TripleC-FM程の圧倒的な感覚は無い

まずこのケーブルを見て「おや?」と思った点がありました。それはヘッドフォン本体側のコネクターです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どう見ても、今まで使っていたiHP-35Sと全く同じコネクターに見えたのです。よく見ると「FURUTECH」というロゴも刻印されていますし、同一のパーツとみて間違いないでしょう。ということは、ここはロジウムメッキされているということになります。

 

 

 

 

 

 

 

3.5mmプラグの方は金メッキされていますので、FURUTECHではないでしょう。製造メーカーはBrise Audioの被膜を剥がせば判るかも知れませんが、そこまでして調べるつもりはありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

Brise Audioのケーブルでお馴染みの木製スライダーが見えていますね。これがなければ、近接撮影した際にiHP-35Sと見分けるのは困難だったでしょう。

 

 

それでは音質の方にも触れておきましょう。試聴環境はPC接続されたLUXMAN DA-100のヘッドフォン端子に直接接続した状態です。

 

 

 

 

 

 

共通のパーツを使っているiHP-35Sと比べて、大きな違いは低域~中低域の密度がぐっと濃くなるということです。iHP-35Sもオーディオ的なバランスはまずまず整っているのですが、音場の密度感がやや薄く、表現が表面的に終わってしまうような傾向があります。

 

これをSTD001HPに交換すると、まず低域方向の量感や力感が増していることが判ります。中域付近も濃厚さが出てきて、ヴォーカルの生々しさなどは結構差が付きます。また、iHP-35Sでは高域方向にロジウム特有の派手さが感じられていたのに対して、STD001HPでは若干その傾向は残るものの露骨さは薄まっています。

 

ただ、ACOUSTIC REVIVE RHC-2.5HS-S-TripleC-FMと比べると、音場の広さ・密度共に及ばない部分が出てきますし、低域方向の解像度や力感は残念ながらある程度差が付きます。David Garrettのヴァイオリンの音でも、RHC-2.5HS-S-TripleC-FMよりはやや派手目な音色で安っぽさが出てしまうところがありました。

 

まあ、STD001HPの方が大幅に安価であることを考えれば、価格に対しては順当な実力を保っているということになるでしょう。価格差をひっくり返すほどの圧倒的な出来とはいえませんが、順当な実力は十分示してくれたと思います。同価格帯のREQST Z-LNC01W-P for HD650との比較であれば、音色傾向の好みによってどちらが好ましい会見が分かれるという程度ではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

REQST Z-LNC01W-P for HD650と比べると、オーディオ的にソースに忠実な傾向であり、少し演出が感じられるREQST Z-LNC01W-P for HD650よりもモニターライクでニュートラルな鳴り方といえるでしょう。

 

 

残念ながらこの製品は前述の通り製造は打ち切られていて、Brise Audioのヘッドフォンケーブルのボトムラインはより価格が上がってしまいましたが、価格に見合った実力がきちんと備わっている辺りはさすがだと思います。

  • 購入金額

    10,000円

  • 購入日

    2021年03月26日

  • 購入場所

    eイヤホン

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