’80年代までとは行かないまでも、'90年代以降も多少は洋楽ロックを聴いていましたので、少なからず目にする名前であったのがレニー・クラヴィッツという人物でした。
もっとも、私が初めて聴いた彼の曲が「Are You Gonna Go My Way」(邦題:自由への疾走)であり、個人的に特に好きなタイプのアーティストでは無いな、と感じていてそれ以降チェックはしていませんでした。
そんな彼を見る目が少し変わったのが、実はシカゴのベスト盤に収録されたある楽曲でした。
当時新曲の制作がほぼ止まっていたシカゴが単発で録音していた楽曲で、米国内での音源を全て自主管理することになったことで企画されたオールタイムベスト盤に未発表曲として収録されたものです。
楽曲を作ったのはメンバーのジェイムス・パンコウとグレッグ・オコナーでしたが、この曲のプロデュースを担当し、ゲスト・ヴォーカルとしても参加したのがレニー・クラヴィッツだったのです。
ここでの彼は「Are You Gonna Go My Way」のイメージとは打って変わってソウルフルな歌声を聴かせてくれていて、アーティストとしての高い力量を示してくれました。もっとも、この曲自体は気に入ったものの、レニー・クラヴィッツの作品を追うほどに注目したわけではありませんが。
そして彼の名前に注目することになったもう一つのきっかけは、こちらのTV-CFでした。
恐らく、この曲でレニー・クラヴィッツの存在を知った日本のリスナーも多かったのでは無いでしょうか。結局、私自身も随分後ではありましたが、この曲ほしさで彼のベスト盤CDを買ったりしたものです。
楽曲は素晴らしいが、ピクチャーディスクなので音質はかなり厳しい
その「Believe」のシングルレコードを、先日偶然中古で見つけたわけです。
海外では7インチのEP盤もリリースされていたようですが、この時期の洋楽ロックでレコードが発売された作品は日本では殆ど無く、当然日本ではEP、LP共に用意されていません。
そんなわけで見つけた瞬間に買うことは決めたのですが、このレコードはあまり音を楽しむためのものではありませんでした。というのも、10インチのピクチャー・レコードだったためです。
まず、10インチのレコード自体、あまり高音質を狙って使われることが無い規格であり、私自身10インチで音が良いレコードに出会ったことがありません。実は「Alone / TOTO」の10インチシングルも持っているのですが、LPより数段低いクオリティでした。
そして、ピクチャー・レコードというのが致命的です。ピクチャー・レコードの質についてはこちらで言及している通りです。
実際に再生してみても、やはり同様のノイズの多さや音色のくすみが感じられます。
また、大本のマスタリング自体も決して褒められたものではないのでしょう。音場のバランスもトーンバランスもかなりちぐはぐな感があります。普通に聴くのであればCDで聴いた方が無難です。もっとも、低域の深さやリード・ヴォーカルの質感はこのレコードもなかなかのものであり、長所に注目して聴くのであればレコードで聴くのも悪くはありません。
ただ、楽曲そのものは彼の作品の中でも最も気に入っているもので、今聴いても良いなと素直に思います。
なお、実際にレコードに収録されているバージョンは、曲の頭に前奏が付くタイプのもので、総演奏時間でこの公式ビデオよりは約50秒長くなります。
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購入金額
580円
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購入日
2021年06月09日
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購入場所
ディスクユニオン
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