エンジニアのSD-20です
プロ用の半田除去機ですが、デンオンのSC-7000ZとOEMで基本的には同機種と思われます
半田除去機は各メーカーから似たような物がありますが、違う機種でも結構部品が付いたりして、パーツ流用出来ますから製品規格が近い物が多く完成された物と思われます
今回は、ジャンク(でも無いか?)のSD-20を買って遊んでみます
まあ正規にアマゾンで買うと43000円ほどしますから、おいそれとは買えません
しかしながら、貧乏人には、時間という武器があるため、今回もほぼジャンクを手に入れ修理しながら半田ごてに対する造詣を深めることにしました
とりあえず買った物を見てみると
まあ、使い古した感じは否めないですね
本体のみ、ピンなし、付属品なし現状渡しだったのですが、不安で一杯な状態です(^^;)
とりあえず、ポンプと、ヒーターは動くと言うことですが・・・
よーく・・・見ると
先端が詰まっている・・・
本当に動くのか??
と、相変わらず銭失い型の感じはいまねません
先端部は0.8mmのチップが付いていますが、本来は1.0mmが標準のはずです
まあ、いろいろな先人のブログを拝見すると、0.8mmの方が使い勝手は良いようですが、理屈上では先端が細くなればなるほど、熱効率が悪くなり温度は上がらなくなるので、基板などに使われている融点が高い温度の鉛フリー半田には不利なような気もしますが・・・
ヒーターは450度まで上がる事になっていますが、赤いところは吹き出し作業用ですので、吸い込みには使えません、使うと壊れるのでしょう・・・(勝手に予想)
しかしながら、温度が上がっていないのか先端が半田で埋まっているのは気になります
早速電源を通電し、SD-20のトリガーを引いてみますが、半田を除去できません(T_T)
少しだけ除去できましたが、完全に除去出来ていないため、実際の基盤の半田を吸引できません
しかしながら、ここはプロ機、パーツリストは公開されており、実際にパーツの小売りをしているので、だめなところは交換できます
まずは、白光などの他社の半田ごてのHPを頼りに簡単に直せそうな所は直してみます
暖めた状態で、ピンを通しますが、通りません・・・
他のHPを頼りでは、0.8mmのチップには0.7mmのドリルを使って半田丸ごと削る写真があったので早速やって見ます・・・(^^;)
ドリルなので、当然穴が開きますので、とりあえず、これで貫通・・・第一ステップは良しとしましょう。
これでいらない基板で半田除去を試しましたがどうもうまく融解しない・・・(T_T)
で、・・・HPには、チャートがありました。
さすが、半田ごて、自分で直せと・・・そりゃそうだな・・・みんなそんなスキルある人が買っているんだから
このチャートから行くと、モーターは動いているので、加熱しないので、ヒーター交換がチャートの行き先のような気がします・・・
ヒーター自体は3500円位なので、最悪交換は仕方ありませんが、もう少し検証していきましょう
鉛フリー半田の融点は、白光のHP~参照すると・・・
「まずは、はんだ自身の融点。よく知られているように従来から電気回路に用いられてきたはんだは、錫63%-鉛(Pb)37から成る「共晶はんだ」と呼ばれるもので、その融点は「183℃」です。
いっぽう、最近の鉛フリーのはんだは217℃(Sn-Ag-Cu系)、200℃(Sn-Zu系)、227℃(Sn-Cu系)など共晶はんだより20~30℃も融点が高くなっています。
はんだ付けでは、はんだの融点の他に「はんだ付けする部分の温度」とはんだごての「こて先温度」との関係を把握しましょう。
はんだは融点に達すれば溶け始めますが、はんだ付けに際しては、融点よりも40℃~60℃高い状態が 「はんだ付け部分の最適温度」になります。これより低くても高くても上手くありません。当然ながら、こて先の温度は最適温度よりもさらに高くなります」
とのことですので、約270度前後に上がっていないと溶けないと言うことです
なので、小手先は330度~340度くらいに上がらないと、溶けないと言うことが分かってきます
このSD-20はほぼそのおいしいところが温度設定スイッチの中間になっていますので、理にかなっていると言えましょう
では、早速分解開始
先端が何度か計ってみることにしましょう
中華の半田ごて用の温度計ですが、簡易計測には向いてます
?・・・何? 201度・・・中華温度計故障か???・・・
と思いましたが、その辺の普通の半田ごてを計ると329度・・・
残念・・・ヒーターの故障は否めません・・・・(T-T)
さらに、バラしていきますよ・・・・
セラミックのヒーターを押さえているパーツが割れています・・・
経年劣化ですね
どうせ、ヒーター買うので、交換しましょう
左のシリコンの押さえの部品も買いたいところですが、高いので今回はやめます
アーマーオールを塗ってごまかしましょう
先輩方のHPを見ていると、ポンプのパッキン・ガスケット等はは劣化するらしいので、安いのでこれも善し悪しを考えず劣化交換することに
消耗品らしい、半田が貯まる部分もとりあえずパーツ交換、その後ろ側のシリコンのフィルターチャンバーという押さえは安いので交換しましょう
先端のチップは劣化すると半田乗りが悪くなるらしいですが、高いので今回は見合わせ・・・
割れたセラミックの押さえはアマゾンで売って無くて、デンオンのHPで買えるのですが、送料が掛かるので、アマゾンプライムで買える物は後回しにします
ばらしは簡単です、メンテするように出来てますから、すべて外れます
エアー系のガスケットは皆代えます・・・
ここは、代えたら吸わなくなったとか、書いてる方もおられるので、ドキドキします
ここだけガスケットを自作で作っている先輩もいるので、構造的に微妙なのかもしれません
新品のガスケットを入れた所です
新旧を比べてみるとだいぶ形が変形してしまっています
右が新品です・・・別物のようです
ヒーター等も交換して元のようにくみ上げます
完成です・・・
電源を入れると、きちんと先端の半田は溶けて吸い込まれるようになりました
やはり、ヒーターの寿命のようです
直ったので、パーツを外してみます・・・
気持ちよくパーツを外せるようになりました・・・(^o^)
この基板は、中華製のスピーカーの廃品から持ってきた物ですが、手作り感満載の基板のため、練習にはもってこいでした
調子に乗って、バラバラにパーツを外しましたが、外したパーツを測定してみるとほぼ規定値内に収まっていました、破壊せず取り出せたって事でしょう・・・(^o^)
高校生の時以来の懸案の劣等感が解決しました・・・うれしかったです
あると半田除去も楽しい
そもそも、私は半田吸引線の使い方が下手で、手動半田吸引器もうまくいったことがありません、どちらも持っていますが、うまく半田を除去できませんでした。
なので、電子工作はあまり好きでは無かったですが、これを使えば結構綺麗に半田を除去することが出来ました
値段がとにかく高いので、なかなか手が出ませんでしたが、今回プチ贅沢と言うことで買ってみました・・・(^^;)
電子工作の諸先輩のHPには半田吸引線はランニングコストが高い!!というご意見も多々見られますので、良い買い物だったと思います
新品は買えませんが、中古なら買えそうな範囲内なのでちょっとおすすめです
参考資料
SC-7000Zのカタログ
http://www.denondic.co.jp/jp/data/SC-7000Z-JPN.pdf
SC-7000Zの取説
http://www.denondic.co.jp/jp/data/SC-7000Z_M.pdf
goot TP-100/200F 替フィルター (3セット入り)
goodのフィルターが使い回せるらしい・・・
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購入金額
12,000円
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購入日
2021年02月15日
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購入場所
ヤフオク
タコシーさん
2021/04/03
よく使っている人はドリルで開けていましたよ
今の無鉛ハンダは溶けない、融点が高いのでなかなか大変だと思います
スライドスイッチ、スルーホール部品はこれじゃないと外せないものも多いですね
此処までばらす人は初めて見ました...w
hideさん
2021/04/03
初、吸い取り機なので何が正しいのか分からないので手探り状態です
ドリル刃はあるんで、私も空けちゃいました。熱を加えながら空けるので、ドリルの刃はお釈迦かなとは思いますが・・・
皆さんバラさないんですね・・・私はこの頃工具購入はジャンクが多いのでまずは完全分解でパーツの確認から入るのが常になっていました・・・(^^;)
大きな工具も、プロ用だと必ずばら売りパーツがあるんで、結構はまっています
しかしながら、多層基板の無鉛半田は溶けませんね、びっくりしました
低温半田を混ぜ混ぜしたりしながら吸ったりしていましたが、テクニックが無いので練習あるのみです
ゴミ捨て場に日参するこの頃です