所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。歌っているアーティストやシンガーが想い出せなくても、「あぁ、あの曲ね...」でみんながわかる曲を書くアーティストがいます。また、他者提供曲が有名で、知らず知らずのうちに創った曲に接しているアーティストもいます。そんな「曲はみんな識っている」アーティストの、初期ベストアルバムをご紹介します。
林田健司。名前を聞いて、「ああ、あの人ね」とすぐ想い出せる人は、20世紀のポップス界にかなり詳しい人かもしれない。ただ「青いイナズマ」「$10」「ビロードの闇」「STAMINA(スタミナ)」...と聞いたらどうだろう?これらSMAPやKinKi Kids、ブラックビスケッツのヒットシングルの曲提供者が、彼、林田健司。
ほかにも、関ジャニ∞や中森明菜のシングル曲、「マジカル頭脳パワー!!」のエンディングテーマや、化粧品やビールのCF曲など街に流れるチャンスが多かった曲を提供していて、あの頃を生きていた人は、創ったのが林田とは識らなくても、どれかしらの曲には接していたはず。
そんな彼がデビュー時に所属していたBMGビクター時代のベストが本作。ただ、彼が在籍時に積極的に関わって創った選曲ではなく、版権を持つレーベルが主導でアーティストごとに作られる“ゴールデン☆ベスト”シリーズのひとつ。
ただその分、衒いなくヒット曲が時系列順につままれている。
「KID NAP IN LOVE」。超初期の久保田利伸のようなファンクポップ!カルくて硬いデジタルビートと、シンベ丸出しのビヨ~~ンという音、リバースサンプリングのシンバル音が懐かしい。♪Give up♪というかけ声が、グルーヴィ!
SMAPの爆発の起点となったシングル曲、「$10」。このベスト盤にはSMAPへの提供曲が他にもあるが、この「$10」が一番違う。のちに提供した「青いイナズマ」などは、かなり原曲に近いというか、提供曲の作り方がこなれたのか、多人数歌唱のSMAP版はそれはそれで良いところもある感じだが、「$10」は林田の曲を聴いたSMAP側が気に入って、自身のシングルに採用したらしく、元々提供を念頭に書いたわけではないからか、この林田版の圧勝。ファンキィさが、リズムのキレが違う。♪hoo!♪という合いの手?がまるでMichael Jacksonのよう!ブラスのオブリが効いたSMAPのヴァージョンより、フルート系の音色で合いの手が入れられる林田版の方が、熱さよりCOOLさが前に出て、ガンガン攻めてくる。
「Heart Of Gold」は輸入ビールのCF曲。打ち込みでスリリングなファンクポップ。サビに入って長調に変わり、パァーッっと開ける感じは中西圭三のようなキャッチーさだが、所々に入るかけ声やショートスキャットがたまらなくファンキィ。空間を切り裂くトランペットソロやフルート音色のオブリ、Aメロのオカズに入るエレピのコード弾きなどのイケてる(死語)アレンジは、ジャニーズ系の多くの楽曲の編曲を手がけるCHOKKAKU。センス良いなぁ。
レーベル主導だからか、林田のヒット曲を年代順に繋いだだけの構成のため、アルバムとしてのストーリー性はないが、こんなにも多くのヒット曲を生み出していることに驚かされる。
なぜか無性に、林田の「青いイナズマ」が聴きたくなって入手した作品だったが、それ以外にも良い曲がたくさんあって満足度高し。
90年代ポップスが好きな人はゼヒ!
版元主導のベスト盤“ゴールデン☆ベスト”なのでライナーなどは寂しい
【収録曲】( )内収録アルバム、⇒採用・提供
1. SHERRY(1st “RAPHLES”⇒ブテックJOY CFソング)
2. 夏を揺らさないで(1st “RAPHLES”)
3. KID NAP IN LOVE(1st “RAPHLES”)
4. 君は僕の永遠(2nd “Unbalance RAPHLES II”⇒とくようミリオンカードCFソング)
5. JEALOUSY IN LOVE(2nd “Unbalance RAPHLES II”⇒メナード化粧品 CFソング)
6. $10(2nd “Unbalance RAPHLES II”⇒SMAP)
7. Long Distance Love(mini “VOX”)
8. 君に好きと言ってから(3rd “GEBO”)
9. Heart Of Gold(3rd “GEBO”⇒Millerビール CFソング)
10. Cool(4th-1 “紅組”)
11. 青いイナズマ(4th-2 “白組”⇒SMAP)
12. ランデヴーIn the Sky(4th-2 “白組”)
13. Kanshaして(5th “RAPHLES V”⇒SMAP)
14. Crazy Funky Down(5th “RAPHLES V”⇒マジカル頭脳パワーエンディングテーマ)
15. 花に水やるラヴ・ソング(5th “RAPHLES V”)
「$10」
歌謡ファンクを書かせたら第一人者じゃ..
クボタはもっとロイク、中西圭三はよりポップ。林田はいい意味で俗な感じ(←あくまで褒め言葉)の肌触りが耳に残る。
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購入金額
2,075円
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購入日
2021年01月19日
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購入場所
Amazon
北のラブリエさん
2021/02/24
エロいし。
cybercatさん
2021/02/24
エロいのが。