レビューメディア「ジグソー」

ケーブルに敢えて高い金を払う意味

 

 

 

 

昨日、私が書いたZIGSOWで書いたコンテンツに対する総アクセス数が200万に到達しました。

 

この数は日頃交流させていただいている会員の方以外の、検索エンジン等でたどり着かれた方のアクセス数も含んでいるわけですが、それでも趣味で書いているだけの文章を多くご覧いただけていることはありがたく思います。

 

今回はその記念レビューとしてはややニッチな品になってしまいますが、ここ最近買った中では最も強いインパクトがあった、Acoustic Revive RHC-2.5HS-S-TripleC-FMを取り上げたいと思います。こちらは独SENNHEISER製ヘッドフォン、HD650等に適合するヘッドフォン用交換ケーブルです。Acoustic Reviveは関口機械販売株式会社のオーディオ製品向けブランドとなります。

 

 

私はここ数年、普段音楽を聴く際にSENNHEISER HD650を使ってきました。

 

 

 

 

 

 

接続するヘッドフォンアンプ等の方が入れ替わりが激しいほどでした。

 

しかし、さすがに元々中古で買ったものを酷使してきたため、少しくたびれてきている感がありました。そこでHD650ベースのdrop.com(旧Massdrop)専売モデルであるMassdrop × SENNHEISER HD6XXを買い足して、メインPC側にHD6XXを使い、サブPC側にHD650を使うようになりました。なお、私のHD6XXはイヤーパッドをSENNHEISER純正のHD650用に交換していて、音質はほぼ同じという状態に仕上げています。

 

注)普段HD6XXは日本へ発送できない商品となっていますが、期間限定販売の詰め合わせボックスで選択した場合に日本発送が可能となっていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

HD650時代はしばらくの間純正ケーブルを中心に使い、バランス接続時のみFURUTECH iHP-35S-XLRを使う形でしたが、アンバランス接続時の音質にもこだわりたくなり、いろいろなケーブルを試すようになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最初に買った上海問屋製のケーブルは率直に言って満足度はさほど高くなく、しばらく使って純正ケーブルに戻してしまいました。オヤイデ製もHD650の持ち味がやや薄れてしまう上に、割合早く断線して使わなくなってしまいました。

 

実は意外と気に入っていたのがAmazonで買える中国製PCCITYのケーブルで、これは約3千円のケーブルとしては依然として素晴らしい出来だと思っています。シングルエンド版のiHP-35SはPCCITY製ケーブルが断線したときに急遽中古で買ってきたのですが、見た目はやや頼りないもののバランスの良い音で、現在はサブPC側で使っているHD650に接続されています。

 

これまで使った中で最も音質面で気に入っていたのが、REQST Z-LNC01W-P for HD650 3.0mでした。これは購入価格が意外と安く、音質でもこれまで使ったケーブルよりは確実に1ランク上というレベルに達していました。ただ、この製品はコネクター周りの加工が泣き所で、徐々に接触不良がひどくなってきていて、買い換えざるを得ない状態でした。そこで新たに購入したのが、今回取り上げるRHC-2.5HS-S-TripleC-FMとなるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

メーカー希望小売価格が55,000円(税別)というケーブルであり、ヘッドフォン本体の価格(当時は$200)を完全に超えてしまっています。

 

何故今回節目のレビューとしてこの製品を選んだのかといえば、使う本体よりも遙かに高価なケーブルにどれほどの意味があるのかという話を書いてみようと思ったからです。

更新: 2021/01/29
音質

シングルエンドとは思えない明瞭さ

まずは外観などを確認してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

Acoustic Revive製のヘッドフォンケーブルは、標準状態では長さ2.5mのみが用意されていて、それ以外の長さを希望する場合には受注生産扱いとなります。今回の購入分はもちろん2.5mのものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

端子類はいずれもロジウムメッキを施された、Acoustic Reviveオリジナルの完全非磁性体構造のものです。HD650側のコネクターは部品として単品販売されていますが、1ペアで1万円という値段がつけられています。個人的にロジウムメッキはどうしても高域方向に独特の派手さが乗ってしまい好みではないのですが、この点については後述します。

 

 

 

 

 

 

 

 

このケーブルのユニークな点は、左右の導線が完全に独立していて、先端の6.3mmフォーンプラグに中で初めて合流するというほどの徹底した分離がなされているというところです。

 

導線の皮膜には「ACCOUSTIC REVIVE PC-TripleC Conductor SUPPLIED by FCM Copper foil Shield Tourmaline Sheathded」と記載されています。FCMとはかつて古河電工系列に属していた金属加工会社のことではないかと思われます。導体がPC-TripleC、銅箔シールド採用、絶縁体にトルマリンを含有ということも読み取れますね。さらにWeb上の商品説明によると、絶縁体はテフロン製で、一般的なPVCよりも音色への悪影響を抑えられるものとなっています。

 

そしてヘッドフォンケーブルとしては過去に例が無かった「ファインメットビーズ」を装着して、伝送ノイズの除去も行っているとのこと。私自身ファインメットビーズは今まで使ったことがないので効果のほどは何ともいえないのですが、Acoustic Reviveの製品は「音に良い効果があるものはまず採用する」という辺りが徹底されているのは確かでしょう。その分は当然コスト増につながってしまうので、お手頃価格のものが少ないのでしょうけど…。

 

 

 

 

 

 

 

 

通常のHD650と比較して、HD6XXは黒に近い色となるため、デザイン上のマッチングは良好です。

 

 

さて、それでは音質の方に触れていきましょう。

 

今回はFOSTEX HP-A8との組み合わせで使い始めていたのですが、途中からChord Electronics Hugoとの組み合わせに変更しています。Hugoについては後日改めてレビューを掲載予定です。

 

 

 

 

 

 

 

RHC-2.5HS-S-TripleC-FMが手元に届いた直後はHP-A8に接続したのですが、最初に出てきた音を聴いた瞬間に「今までとは全然違う」と思いました。

 

まずは最近聴き慣れている「CWF 2 / Champlin Williams Friestedt」から再生したのですが、低域方向の力感や解像度、質感がまるで別のヘッドフォンを聴いているかのような印象でした。

 

 

 

 

 

 

HD650(HD6XX)は低域が割合厚めに出てくるヘッドフォンですが、ベースラインは鮮やかというよりはやや甘めの輪郭で表現される傾向があります。しかし、RHC-2.5HS-S-TripleC-FMを組み合わせると、量こそ今までとさほど変わらないものの、輪郭が鮮やかに描写されるようになり、ベースの音の差も明確に表現されるようになりました。

 

 

 

 

 

 

このCDに付いてくるライブBlu-rayを再生していて、今までのケーブルでは低域方向が音量の叩き込みすぎで潰れているだけに聞こえていたのですが、RHC-2.5HS-S-TripleC-FMではバスドラムのアタックの潰れ方のひどさがより鮮明に判ってしまう一方で、ベースラインがくっきりと浮かび上がり音を追える程度に分解されるようになりました。ケーブルを替えただけでここまで表現に差が付いた経験は今までありません。

 

その一方で、David Garrettのヴァイオリンなどを聴けば、ヴァイオリンの質感や音場表現は聴き慣れたHD650そのものです。決してヘッドフォン本来の音質傾向を捻じ曲げているわけではないということも判ります。

 

 

 

 

 

 

オーケストラで演奏される「John Williams in Vienna」ではより一音ごとの鮮やかさが増し、低域方向の音の動きが克明で演奏の説得力に大きく差が付きました。

 

低域方向の改善が圧倒的ではありますが、もちろんそれ以外の帯域でも余計な付帯音が取れ、全ての音の実在感が増します。以前KS-Remasta製の高級シェルリード線でもあった現象ですが、全体的な音量が上がったかの様な印象もあります。

 

 

 

 

 

 

 

先に述べていたロジウムメッキによる音への影響ですが、これは全くないとは正直言えません。ロック系楽曲のクラッシュやオーケストラの金管楽器の音など、どうしても「これはロジウムだな」と感じる要素はあります。それでも全ての部品を吟味して作られているケーブルらしく、それが不快感を伴うところまではっきりと出る訳ではありません。良く聴けば「ロジウムメッキの部品を使っているんだろうな」と何となく感じる程度です。

 

 

ここで今回のテーマである、接続する機器よりも高価なケーブルを買う意味という話になりますが、これは人それぞれとしかいえないと思いました。

 

少なくとも私は、このケーブルを敢えて買う意味は十分にあると思います。逆にこのケーブルを買わずに、HD650より5万円高いヘッドフォンを買ったとして、今以上の満足感を得られているかと考えると、それは難しいと思うのです。約10万円クラスのヘッドフォンを標準ケーブルで使うのとイコールとなりますからね。

 

ヘッドフォンの世界において不朽の名器といえる、HD650のポテンシャルを存分に引き出すための投資として、約5万円が安いとは全く思いませんが理解は十分出来ます。ただ、世の中にはケーブルの差による音の違いが全く気にならない人も少なからずいる訳で、そのような人にとっては完全に無駄な投資です。結論として人それぞれとしか言い様がないのです。

 

それでも、現時点でHD650や近い機種(HD600やHD660S等)をお使いの方には、是非一度このケーブルの実力は体感していただきたいと思います。特に付属ケーブルや、1万円前後以内のケーブルに交換してお使いの方には、そのヘッドフォンの本当の実力はそんなものではないと実感していただけると確信しています。

 

 

 

 

 

  • 購入金額

    18,430円

  • 購入日

    2021年01月16日

  • 購入場所

    eイヤホン

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • harmankardonさん

    01/24

    試してみたくなりましたが,本体より高価なケーブルは勇気がいります.
    結果的に安いイヤホンに高価な汎用ケーブルを取り付けることはあっても,専用ケーブルはなかなか決断できません.
  • jive9821さん

    01/24

    > harmankardon さん

    まあ、普通は「ちょっと試してみよう」という感覚で買える
    金額ではないですよね。

    アコリバは殆どの製品に試聴機貸し出しサービスがあるはずです
    ので、本当に検討したい場合には借りてみるのもアリかと思います。

    私も近いうちに新製品のターンテーブルシートを借りてみようと
    思っています。

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