「ラブライブ! サンシャイン!!」の黒沢ルビィ役で知られる声優の降幡愛が、新レーベル「Purple One Star」の第1号アーティストとしてソロデビューを果たし、そのデビュー作としてリリースされたミニアルバムが本作です。
それ自体は割と良くあるデビューのパターンだと思うのですが、声優の歌手デビューとしては珍しく、アニメ方面とは全く関わりの無い作品として制作されているのが面白いところです。
Purple One Starのレーベルプロデューサーを務めるのは、キーボーディストとして多くの実績を持つ本間正光で、松任谷正隆の人脈に連なる人物です。そして降幡愛自身の嗜好もあり、1980年前後のシティ・ポップをそのまま現代によみがえらせたような作品として作られているのが本作となります。率直に言ってそこまで注目はしていなかったのですが、数量限定でアナログ盤がリリースされるという点に惹かれて、何となく買ってしまいました。
特典のミニクリアファイルが同梱されていたのですが、このような形で入ってるというのはちょっと予想外でした。
本作はCDでは初回限定盤・通常盤共にジャケットはいかにもシティ・ポップを想起させるようなイラストとなっていて、初回限定盤・通常盤のジャケットを並べると1枚の絵が完成するようになっているのですが、アナログ盤では本人の写真がジャケットに使われています。
デザインやフォントに至るまで、いかにも80年前後を思わせるようなテイストで統一されています。
当時の音が好きならドハマリする可能性も
まずは収録内容を確認しておきます。
Side A
01. CITY
02. シンデレラタイム
03. Yの悲劇
Side B
01. ラブソングをかけて
02. プールサイドカクテル
03. OUT OF BLUE
全曲とも、作詞は降幡愛、作・編曲は本間正光が担当しています。
デザイン的には古さがある、SL-1200Gにはこのレコードのデザインは案外似合っているかもしれません…。
さて、本作のリードトラックとなったのは1曲目の「CITY」でした。こちらは公式にMVが公開されていますので、紹介しておきます。
率直に言って、ここまでコテコテな80年代テイストだとは思いませんでした。「ラブライブ! サンシャイン!!」のAqoursとは全く別人のようなヴォーカルスタイルですが、案外こういったサウンドには合っているかもしれません。
「シンデレラタイム」や「プールサイドカクテル」は、何となくアルバム「VARIETY」やその前辺りの竹内まりや風の曲調で、近年再評価されつつあるシティ・ポップの系譜に連なるのは確かだと思います。
ついでにいえば、プロデュースを担当している本間正光は結構オーディオマニアであるらしく、音作りそのものは80年代風でありながら、オーディオ的には結構きちんとした音で録音されていることに気付きます。所謂優秀録音盤とは評価されないでしょうが、低域の情報量などはかつてのシティ・ポップ作品とは一線を画すものです。もっとも、アルバム完成祝いに降幡愛にプレゼントしたのがAcoustic Revive製の高級電源ケーブルというのはどうなのかと思いますが…。
この80年代のサウンドをそのまま2020年に再現したような作品は、元々その手の音が好きな人にはドンピシャで刺さる可能性を感じました。ただ、私自身は実はそれほど当時の音を好きなわけじゃ無いんですよね。悪くは無いのですが、ドンピシャではありませんでした。
-
購入金額
3,850円
-
購入日
2020年09月22日
-
購入場所
楽天ブックス
北のラブリエさん
2020/10/20
北のラブリエさん
2020/10/20
jive9821さん
2020/10/20
音楽的にはシティ・ポップと聞いて想像できる形そのままですので、
好みが合う方にはなかなか面白い作品ではないかと思います。
アナログ盤が思ったよりまともな音(但しコンプレッサー等はCD並み
に使われています)ですので、とりあえず買っておいても良いかもしれません。