2液性のウレタンクリアースプレー。
他のウレタンクリアスプレーと同じく内部で2液が混ざってくれるので最初の混液操作以外は普通のスプレー塗料と同じように使える。ただ一度混ざったら硬化がはじまるので半日もせずに中身が残っていても使用不能になるのも同じ。
本来は塗装の上塗りとして使われるものだが、樹脂製ヘッドライトの劣化補修にも使われている。
うちのアテンザのヘッドライト、年式的にヘッドライトが弱い世代で、すっげえ黄ばんで濁っている。特に日の当たった場所の写真なんか見ると黄ばみが大変よろしくない。
その上どうも入手以前に一度助手席側ヘッドライトを研磨してしまっているようでそちら側の劣化が激しい。
こうしてアップで見るとそこまで酷く見えないんだが全体的に黄色っぽく濁っている。
以前購入したコーティング剤「AQUADROP HARD GLASS COAT」はなかなか効果があり、中古購入時初回のすげえ濁った状態から綺麗にしてくれた上に、青空駐車で半年程度は持ってくれた。そんなに年数乗るつもりもなかったし半年に1回これをかけていたが、使い切った後はコーティングが残っていたのもあり、より簡易なタイプのものを使っていた。
これも最初のうちは3か月以上は持っていたのだが、時間が経つにつれ当初のAQUADROP HARD GLASS COATの効果が無くなってきて、実質写真撮影前のお化粧状態に。まだまだ乗るつもりだし根本的な解決を狙って今回ウレタンクリア塗装にチャレンジしてみる。
なんで最初からやらなかったんだという感じだが、素人がやると失敗することも多いらしい。まあ随分劣化していたし、大失敗したらまあヘッドライト丸ごと交換すりゃいいやくらいのノリでやってみる。
実作業
ヘッドライトを外して作業するのがマスキングとか考えるとラクそうなのだがそれにはバンパーを降ろす必要があるので今回はそのままやる。外す手間は無いがマスキングは面倒なので車種次第か。
まずはヘッドライトの表面を耐水ペーパーで削る。作業時に余計な部分を削らないようマスキングというか養生をするが塗装ではないのでかんたんに周囲だけ。
これも番手のチョイスや順番など色々なやり方があるようで、この時点で細かい番手まで使ってピッカピカに仕上げるパターン等があったが、今回は600番のみを使う方法で。
1枚しか使わないのでわかりやすかったのと、比較的年式・状態が近い車での実例があったので。またウレタンクリアを塗料と考えれば荒い方が足付け効果がありそうな気がした。
運転席側ヘッドライトからまるで泥水のようなものが。ここ4カ月くらい水洗車くらいしかしてなくて上の黄ばみ取りとかも何もしてなかったからなあ…とりあえず研磨した後の水が白くなるくらいまでまんべんなく削る。
…ああこれボンネット開けたほうが作業しやすいな。ボンネット部分養生する必要なかったな。べりっ
んほおおおおおおおおおおおおおおおおお
こ、小傷とかあったんですかね…同じ養生テープサビサビの旧車に貼っても大丈夫だったのに…とりあえずどうしょうもないのでヘッドライトの研磨を続ける。
ちなみにいい感じにヤスリをまきつけるサイズの木とかスポンジを用意し忘れたのでプリンターのインクカートリッジにヤスリをつけて細かい部分は手で直ゴシゴシ。
アップにするとこんな感じ。(写真が前後しているが)600番で削っただけなので表面は傷だらけで真っ白。このままじゃ公道走れない。大丈夫か本当にウレタンクリア君信じていいのか?
しかしスプレーは使い切りなのでライト片側だけとか非効率なので助手席側もガリガリ。先述の通りこの車、助手席側だけ削ったような痕跡があったのだけど、そのせいなのかこちらは運転席側より早く茶色い水が白い水に。一応同じくらいの時間削っといたけど。
この後雨の予報だったので続きは翌朝早朝に。
雨のせいで湿度が高く余り条件はよくないが休日や天気の関係もあるし何より真っ白状態じゃ公道走れないので決行。スプレーは思った以上に飛散するので周囲に注意。自宅前の私道の方が飛散対策しやすいので車を移動して作業開始。
まずは脱脂。難しい事は考えずパーツクリーナーぶっぱスタイル。ヘッドライトの素材を傷めるらしいが短時間でささっとやればいいだろう。
2回ほどパーツクリーナーぶっぱとふき取りをしてからマスキング。ボンネットは更に塗装剥げる恐れがあるのであけた状態でエンジンルームをマスクだ。
このスプレー、混液用の操作をした後一定時間逆さにして置いておく必要があるようなのでマスキング作業の途中あたりにやっておくと時間効率がいい。
さてスプレー開始。塗装の上にウレタンクリアを吹く事はしたことあるがクリアーなヘッドライトに塗るのは初めてなのでビクビクである。
1回目吹き付け直後。削り跡で真っ白だったのでマシにはなっているがまだまだ濁りが酷いしところどころ曇りのような状態になっている。これビビりすぎて薄すぎたか?ただ初回から厚塗りすると乾燥時にひび割れすることもあるらしいしうーん。
重ね塗り可能な乾燥まで10分程度らしいのだが1回目なんか薄すぎた嫌な予感がして5分程度でもう1回プシュー。1回目はいわゆる捨て吹きだよ(後付け)。1回目直後よりマシになったのでよしとする。
今度はちゃんと15分程乾燥を待って3回目。まんべんなく塗ってじわじわとマシになってきたがなーんか全体的に濁りがある。乾燥したら写真よりマシになったがうーん…いわゆるゆず肌気味な箇所が多い。綺麗な部分も少しあるのだが、目立つ中央部はザラザラ。
ここで助手席ライトの端っこが一番綺麗ということに気付く。ここ施工場所の関係でスプレーを近づけて塗っている上に折り返しポイントなので塗る時間が長めになっていた可能性がある。厚くしたほうがいいのか?
4回目。もうこうなったら後で磨くの覚悟で思い切って厚塗りを意識してみる。するとこれがよかったのか表面がぬるっとなって綺麗になった場所が出てきた。そうか、今まで液だれを恐れて薄すぎたのか。たぶん最初からこれくらいがっつり塗っていればもっとうまくいったんじゃないだろうか。
4回目でイマイチな部分を重点的に重ねるイメージで5回目を塗り、さらに6回目をまんべんなく塗って出来上がりとした。近くで見ると内部のライト類にピントがあってないようなぼやけが出ている箇所(表面もゆず肌っぽい)が多くあるが、近くで見なければ気にならない。
助手席側ビフォーアフター写真
助手席側も同じような仕上がり。元の状態の差は結局削った時にリセットされたようだ。若干のボケは残っているが元の黄色状態に比べると印象の差は歴然。
翌日の硬化後もひび割れ等は無し。若干だが硬化前よりぼやけも減っている気がするのでよかった。
点灯しても変な反射等はない。
やはり遠目の写真で見た時の印象の違いはあまりに大きい。
自分脳内では完全勝利Sではないが十分なのでA勝利(艦これ脳)。
ここまでの作業時間は研磨で1時間弱、マスキングと塗装で2時間ちょい+乾燥時間(+ボンネットの塗装剥げ補修に1時間)
後日キニナルようだったら表面がざらつき気味のところをコンパウンドで磨いてみるつもりだが、元の目的だった写真写りの良さは圧倒的によくなったので今のままでもいいかも。
1回だけなので感覚的な感じだが感想…
〇600番オンリーでの研磨は最初真っ白になって心配になるがいける。全体をまんべんなく削ったが、すごくクリアになった箇所もあるので恐らく研磨自体は問題ない。むしろ傷があってしつこく削った箇所が上手くいっているので600番でガリガリからの直塗りはアリと思われる。
〇初回の薄塗りはひび割れ対策としては有効と思われるが、今回は薄すぎたキガスル。
〇2回目以降は結構がっつり近づけて厚めに塗るのを意識してよさそう。表面ぬるっとしてそうなくらい厚く塗った部分がうまくいっている。一方丁寧に塗ったつもりの場所がなんかピンボケしたような仕上がり。
テッカテカになるよ
今回は(自分の腕で)一部ボケ気味な箇所ができてしまったので、全体的な仕上がりではAQUADROP HARD GLASS COATを塗った時のほうが綺麗だった。ただ上手くいった箇所の透明度はまるで新品なので全体的にうまくいってれば凄い事になっていただろう。
また耐久度に関しては年単位で持つことが期待できるので今後の様子見。
アテンザのヘッドライトに対して使った3種のヘッドライト黄ばみ対策品の感想はこんな感じ。
●CARALL ヘッドライトくすみ取り透明度保護COATプラス2070
いわゆるピカール的な感じの研磨剤にコート要素をいれたもの。
単体だと1か月程度と効果期間は短いが清掃・コートを同時にできるので数分で施工OK。お出かけ・撮影前のお化粧と考えれば便利。車に積んでおくのもあり。
●AQUADROP HARD GLASS COAT
純粋なコーティング剤なので元が酷い状態の場合は清掃が必要。
清掃時間を除けば30分もかからないし難易度も低く、仕上がりはテッカテカでウレタンクリア成功時に近い仕上がり。継続期間は半年程度。上のくすみ取り剤をコートの保持用として組み合わせるのもいい。
●SOFT99 ペイント ボデーペン ウレタンクリアー
塗料なので難易度が高く失敗のリスクもあるし施工時間もかかるしマスキング用品等も必要になってくるのでコストもまあまあかかる。ただ耐久性に関しては圧倒的らしいので今後の経過に期待。
2022年10月追記 丸2年でも特に変化なし
みんな気になる、僕も気になる耐久性の事を追記し忘れていた。
結論から言えば丸2年間の青空駐車で目立った変化はなし。
期待通り年単位の耐久力。変化がないんでライトの黄ばみの件すっかり忘れて追記も忘れてたよHAHAHA。
写真のアップ撮影も問題なし(ただこれステッカー撮った写真なんで今度ちゃんとライト撮っときます。)
一応ここぞというときは艶出しに(余っている)CARALL ヘッドライトくすみ取り透明度保護COATプラス2070を使うがもう基本ノーメンテ。
又なにか変化あったら追記するだろうけどヘンカあるまでこの車乗ってるかな...
余談だが2年前↑でマスキングで剥げてんほおおした塗装はボンネット全体の塗装が劣化していたようでその後もちょっとした飛び石や仮止めテープで剥がれるしステッカーなんて確定で塗装も一緒に剥がれるから再塗装となりました。
-
購入金額
2,761円
-
購入日
2020年09月21日
-
購入場所
フェレンギさん
2020/09/22
ビフォアフターがこれだけわかりやすいのはスゴイ
アテンザとお別れするときがくるまで これが最後の作業になりますように
みっちゃんさん
2020/09/22
やはりヘッドライトは車のお手入れでは必要なポイントですね。
ビフォー&アフターで違いがすごいです。
ヘッドライトの黄ばみ取りとコーティングをしたいと思っていた時のレビューで参考になります!
下小川さん
2020/09/22
今回はビフォーがかなりひどかったので差が余計に大きく見えますね。
やっぱり目にあたる部分なので写真ですごく目立ってたもんで…
今回は足付け効果も期待できる荒い状態からの塗装してるんで長持ちしてくれるといいなあ~
ウレタンクリア、コーティング剤、簡易な研磨コート剤それぞれ一長一短といった感じなのですがウレタンクリアに関してはハイリスクハイリターン感が強いのでなかなか度胸いりました