元々はCDで10年ほど前にリリースされていたシングルです。
翌年に12インチアナログ盤でもリリースされたものの、即完売となり中古でも出れば高値で取引されているほどの人気商品だそうです。
そのシングルが、近年のレコード人気により7インチのドーナツ盤で再リリースされるということで、購入してみることにしました。ちなみに今回のレコードは所属レコード会社のFlying Dogではなく、一時期は日本で唯一のレコードのプレスを行うメーカーであった(現在はソニー・ミュージックがレコードの生産を再開)東洋化成から発売されています。
CDでは3曲+そのインストゥルメンタル版3曲で6曲収録だったらしいのですが、今回は7インチ盤ということで各面1曲ずつの収録となっています。
Side A
DOWN TOWN
Side B
やさしさに包まれたなら
まず、A面に収録されたのは、原曲は山下達郎や大貫妙子を擁したロックバンド、シュガー・ベイブの初ヒット曲となる「DOWN TOWN」です。日本のシティ・ポップの先駆けとされる名曲で、数多くのアーティストによるカバー版が存在します。
こちらの坂本真綾版は、作編曲者として著名な服部隆之によるアレンジで、35名のビッグバンドによる豪華な演奏と、作曲者の山下達郎にも賞賛されたという質の高いアレンジが楽しめます。
そしてB面の方は荒井由実の名曲で、アニメ映画「魔女の宅急便」でエンディング曲としても使われた「やさしさに包まれたなら」を収録しています。こちらはギターインストゥルメンタルを中心に演奏することで知られるDEPAPEPEによるアレンジ及び演奏となります。
日本のポップス系レコードとしては音も良い方
それでは、中身のレコードの方を見ていきましょう。
ラベルデザインなどはされておらず、通常のレコードであれば見本盤でしか見られないような白ラベル+文字のみの構成です。
収録されている演奏の方についてですが、どちらの楽曲も生楽器の音で構成されていて、今時のポップス作品としては純粋に音を楽しめる仕上がりとなっていることが好印象です。
坂本真綾の伸びやかなヴォーカルとのマッチングも良好ですし、「DOWN TOWN」の方の豪華なバンドサウンドは、本家の山下達郎にも高評価を受けるだけのものだろうなと素直に思わされます。
「やさしさに包まれたなら」はDEPAPEPEのギターサウンドと、それを活かすようなアコースティックサウンドが印象的です。個人的に荒井由実の原曲は歌声があまり好みではないので、こちらの方がしっくりとくる出来に感じられます。
そして、オーディオ的に見ても近年のJ-POPと比べると極端に音圧を上げた録音にはなっていないので、ある程度は楽器の質感も感じ取れるだけのクオリティを保っています。7インチ盤ですから決して高音質に仕上がっている訳ではないはずですが、今まで買ったJ-POP系のレコードの中では最も好印象の音です。
オーディオ的に見れば12インチシングルが最良と思われますが、7インチでも比較的高い音質を保っていることは高く評価するべきでしょう。
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購入金額
1,980円
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購入日
2020年09月09日
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購入場所
TOWER RECORDS
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