レビューメディア「ジグソー」

この浮き立つようなビート、気分を高揚させる浮遊感-踊るための曲とはこのことか。

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。歌(曲)というものは、いろいろな目的で作成されます。場を盛り上げる歌、行事と連動した歌、死者を送る歌....そんななか、太古から歌の一つの大きな目的に「踊り」があります。20世紀末、現在のクラブがまだディスコと呼ばれていたころのダンスチューンをご紹介します。

 

jamiroquai。Jay KayことJason Kayをヴォーカル兼ソングライターとしていただくアシッドジャズグループ。...というか、Jay Kayの存在感と影響力が大きすぎるので、Jay Kayのバンド形式プロジェクトと言った方がしっくりくるかも。

 

“Emergency on Planet Earth(邦題“ジャミロクワイ”)”で、何にも似ていないその音楽性で鮮烈なデビューを飾り、間隔開けずにリリースした2ndの“The Return of the Space Cowboy(邦題“スペース・カウボーイの逆襲”)”で加速、そして初期三部作ラストの“Travelling Without Moving(邦題“トラベリング・ウィズアウト・ムービング~ジャミロクワイと旅に出よう~”)”で確固たる地位を確立する。

 

その“Travelling Without Moving”からのシングルカット。全世界で800万枚以上売れたというこのアルバムからは4枚のシングルが切り出されたが、そのセカンドシングルが“Cosmic Girl”。Radio Editに加え、同曲の3種のミックス、カップリング1曲が収められた。

 

まず「Cosmic Girl (Radio Edit)」。このアルバム“Travelling Without Moving”らしい、「旅立つ感じの」導入。相変わらず、ストリングスの使い方が上手い。いつもどおり、ベースラインが印象的な曲だが、ベースはラインを指示することが多かったというJay Kayの指定だろう。この曲は、オリジナルメンバー?でUKファンクの中心人物でもあるNick Van Gelderが2ndアルバム制作直前で抜けたあと、長くJamiroquaiを支え続けているドラマーのDerrick McKenzieとの共作。細かいバスドラの刻みが気持ちよい16ビートのディスコサウンドが心地良い。

 

続く「Slippin' N' Slidin'」はインストナンバー。ふわっとしたシンセ音と、Rhodesのようなコロンとしたエレピの音が心地良いイントロから、クリスピーなクラビ風のアタックがついたエレピ音のシーケンスに繋がり、最後にブラスが入るサビにいくという造り。単曲として積極的に「鑑賞する」というよりは、幕間曲というか、ディスコでも「積極的に踊る曲」と言うよりは、曲間曲という感じなのだけれど、妙に心に残る旋律。曲の造りが上手いな。

 

Cosmic Girl (Classic Radio Mix)」と「Cosmic Girl (Classic Mix)」は、DJ兼リミキサーのDavid Moralesのミックス。「Classic Mix」の短縮版が「Classic Radio Mix」なのかと思ったけれど、そうでもない(曲の長さはやはり「Classic Radio Mix」の方が短く半分ほどしかないが)。ブラスが大胆に前に出ている「Cosmic Girl (Classic Radio Mix)」の方がイケてる感じ。そのブラスも、♪パラッパー♪とアタックが強い感じで煌びやかさを出すのではなく、♪ゥワァァァァ♪という感じに少し頭弱めに入る音を使っているのが、「熱さ」を感じさせずCOOL(パラッパーと刻むフレーズも、ゥパラッゥパーとアタック丸め気味)。

 

この頃はすっかり「アルバムアーティスト」となってたいたJamiroquai、シングルとしてはトップをとっていないが、スーパーカーが複数台出演?する豪華なMVとともに、結構印象に残っている曲。

同じ曲が4曲入るが、結構違う
同じ曲が4曲入るが、結構違う

 

ちょうどディスコからクラブへと変わっていくダンスという文化とともにあった曲です。

 

【収録曲】

1. Cosmic Girl (Radio Edit)

2. Slippin' N' Slidin'
3. Cosmic Girl (Classic Radio Mix)
4. Cosmic Girl (Classic Mix)
5. Cosmic Girl (Quasar Mix)

 

「Cosmic Girl (Radio Edit)」

更新: 2020/09/04
必聴度

「あの頃」を識りたいなら、必聴。

ディスコか…何もかも皆懐かしい(by 沖田十三

  • 購入金額

    1,500円

  • 購入日

    1996年頃

  • 購入場所

11人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (0)

ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。

YouTube の動画を挿入

YouTube の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ニコニコ動画の動画を挿入

ニコニコ動画の URL または動画の ID を入力してください

動画の ID が取得できません。ID もしくは URL を正しく入力してください。

ZIGSOWリンク挿入

検索対象とキーワードを入力してください

    外部リンクを挿入

    リンク先の URL とタイトルを入力してください

    URL を正しく入力してください。

    画像を挿入(最大サイズ6MB)

    画像を選択してください

    ファイルサイズが6MBを超えています

    別の画像を追加

    ZIGSOW にログイン

    ZIGSOW会員登録(無料)はこちらから