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BatEye 長時間稼働・格安のサイクルレコーダー(自転車用ドライブレコーダー)

 サイクルレコーダー(自転車用ドライブレコーダー)の利用者は、自動車の場合と比べても、絶対数としても少ないでしょう。それ故、サイクルレコーダーは市場として未開拓で、製品は非常に限られています。

 唯一名の通った製品としてCycliqのFly12(フロント用)・Fly6(リア用)が有りますが、それぞれ2万円と3万円を下らぬその価格はさすがにお高い…。

また、アクションカメラをサイクルレコーダーとして使う人もいますが、充電が2時間程度しか持たないのが難点です。モバイルバッテリーで充電しながら使用する手もありますが、嵩張ること、充電ポートの振動による破損や浸水の虞を考えると、できれば避けたいところ。

 そこで、相応の性能を備えつつも1万円以下の格安で手に入る製品を探して購入したので紹介します。

更新: 2020/04/18

サイクルレコーダーの有用性

 サイクルレコーダーの使用は一般化していないので、そもそも、そこまでしなくても良いのではないかと思う人も多いのではないかと思います。何を隠そう、自分も以前はそう思っていました。

 しかし、自転車走行中の事故を経験し、考えを改めました。自転車、特にスポーツ自転車は原付バイクと同程度の速度で、自動車と同じ場所を走ります。事故に遭ったり事故を起こしてしまったりする危険性は小さくありません。

 そうした事故への備えとして、サイクルレコーダーは次のような点で有効です。

  • 事故に遭ったり事故を起こしてしまったりしたとき、事故時の状況が映像で確認できる。――一瞬の事故で記憶が曖昧な場合や目撃証言などが不十分な場合であっても、確実性の高い証拠が残ります。また、轢き逃げされたときも、逃げた車両のナンバーや車種が記録されます。
  • 自らの運転が映像に残るという意識から、より安全に気を付ける心理が働く。
  • 自動車が幅寄せなど危険な行為をしてくることが減る。――車道を走る自転車乗りにとって、自動車の危険行為・嫌がらせに見舞われることは屡々有るかと思います。「ドライブレコーダー撮影中」の札を付けておくとより効果的です。

 本レビューで紹介するBatEyeはフロント用のサイクルレコーダーですが、後方からの自動車の追突・接触や幅寄せに有効に対策するには、リアにもサイクルレコーダーを設置した方が良いでしょう。BatEyeをリアに設置することもできますが、私はBIKECAMという製品を用いました。

更新: 2020/04/19

製品の選定基準

 次の点を満たすことを要件として製品を探しました(ただし、BatEyeは必ずしも全ての要件を満たしているわけではありません)。

  • 自動繰返し録画
  • 夜間も録画可能なこと
  • 信号機の明滅間隔に対応していること
  • フルハイビジョン以上の解像度
  • 映像の振れ補正
  • 機器の防振
  • 防水・防塵
  • 5時間以上録画可能なこと

 また、次の点も考慮しました。

  • 価格
  • 画質(解像度、フレームレート、夜間録画性能、振れ補正性能など)
  • 画角
  • 防振性能
  • 防水・防塵性能
  • 充電の持続時間
  • 記録媒体の最大容量
  • 取付けの固定具合、容易さ
  • 過充電防止機能
  • 事故時の録画映像ロック・録画停止機能
  • 質量
更新: 2020/04/19

概要

 本機の設定はモバイルアプリから行うようになっているので、アプリが自らの端末に対応しているか事前に確認しておいた方が良いでしょう。なお、自分の使用しているHUAWEI  MediaPad M3には対応していました。

 

 

 ハンドルバーへの取付器具は付属していますが、別売もされています。GoPro対応取付台は別売されていないようです。

更新: 2020/04/19
機能性

一通りの機能は備える

  • 自動繰返し録画に対応しており、この場合、アプリの"Loop Recording"という項目の設定に応じ、1/2/3/5/10分ごとにファイルが分けて作成され、microSDカードの残容量が無くなると古いファイルから削除されていくようです(レビューとアプリの設定項目からの推測であり、実機では未確認です)。
  • 夜間も、少なくとも街灯が或る程度有れば録画できそうです(前掲の録画動画を参照してください)。
  • 30fpsなので、西日本では信号機の明滅間隔と重なってしまいえます。
  • 映像のブレ補正は有りません。
  • 充電は4〜6時間持続するとされています。
  • 事故時の録画映像ロック・録画停止機能は有りませんが、充電が切れれば録画は停止されるので、充電の持続時間よりも長く記録できる容量のmicroSDカードを用いれば問題ないでしょう。
  • 本機の日時は、アプリの「アプリから日時を取得」という項目を「有効」に設定しておくと、本機とアプリのインストール端末を接続の上アプリ起動をした際にアプリのインストール端末の日時と同期されます。本機が充電切れの間(もしかしたら電源の入っていない間も?)、本機の日時は遅れてしまうと思われるので、その際は充電後使用前に本機とアプリのインストール端末を接続の上アプリを起動しておく必要があります。
  • microSDカードの対応ファイルシステムはFAT32です。
  • 録画ファイルはAVI形式です。
更新: 2020/04/19
操作性

使い勝手のやや熟れない面も

  • 過充電防止機能は無いので、過充電とならないよう気を付けながら充電する必要があります。本機の操作部右下の電球アイコンボタン(LEDライト操作ボタン)が充電状態インジケーターとなっており、充電中は赤色に点灯し充電完了時は消灯します。電池残量は本機からは確認できず、アプリからのみ4段階表示で確認できます。電池切れから満充電までに要する時間は、付属の説明書によると約5時間ということです(実機では未確認です)。
  • 本機の起動時にそのWi-Fiも自動で始動するのですが、その後アプリと接続する場合以外は、充電を余計に喰ってしまわないよう、Wi-Fiを手動で切断する必要があります。
  • microSDカードとmicroUSBケーブルの各差込口のゴムの蓋は、完全に取り外す構造になっているので、取り外した蓋を無くさないように気を付ける必要があります。

  • 録画ファイルはmicroUSBケーブルを本機に繋いでも転送できず、無線LAN経由でアプリを通じて再生・転送するかmicroSDカードを取り出してファイルを読み込む必要があります。なお、無線LAN経由でアプリを通じて再生する場合、音声は再生されません。無線LAN経由でアプリを通じて転送する場合、転送したファイルはアプリのインストール端末の"DCIM\Camera"と"GoPlusCam"というフォルダに保存されます(Androidにて実機で確認しました)。
  • 無線LANの名前は英小文字・大文字・数字で8文字まで、パスワードは同じく5文字までしか設定できません。
  • microSDカードをスロットに差し込む際は、金属面が上向きです。
  • 本機によるmicroSDカードのフォーマットは、付属の説明書には記載が有りませんが、アプリの"Format"という項目で行えます。
  • 映像に日時を埋め込むか否かはアプリの"Data Stamp"という項目で設定できるようです(アプリの設定項目からの推測であり、実機では未確認です)。自分は埋め込まないように設定しました。
更新: 2020/04/18
耐久性

初期不良も有り少々不安

  • 取付器具が外れたり破損したりしやすいというレビューが見受けられるので、シリコンバンドで補強する方が良いでしょう。CatEyeなどの取付器具を加工するなどして流用できるという情報も有るので、必要に応じ検討したいと思っています。

  • 充電状態インジケーターが充電中なのに点灯しない初期不良が有り、一度交換しました。

 代理店による1年間の保証は付きますが、初期不良に見舞われたこと、故障のレビューが見受けられることから、もしものときにしっかり役目を果たしてくれるか不安も有ります。

更新: 2020/04/18
意匠

意匠は悪くない

  • 個人的にはライトは不要なので、これを削ってより小さくできるならその方が良かったと思います。
  • 赤色以外の色も有ると良かったですが、光沢のある濃いめの赤色なので、少し高級感があってお洒落な感じもし、悪くはないです。
更新: 2020/04/18
費用対効果

まともな格安製品だが割高感も

 及第点は十分に満たす質を備えており、1万円以下の価格帯の中では恐らく最もまともな製品だと思われます。ただ、1万円近い値段の割には、耐久性などでもう一つ及ばないところも感じられるのが少し惜しいです。

 とはいえこの価格帯でこれだけの質を備えた製品は他に見当たらず、アクションカメラを除く格安サイクルレコーダーの中ではほぼ一択と言って良いでしょう。

 製品は継続的に改良が重ねられているようなので、今後更なる質の向上も期待されます。

更新: 2020/04/18

microSDカードについて

 microSDカードは容量128GB以下、Class 10以上、書込速度50MB/s以上のものが推奨されています。

 サイクルレコーダー含め、ドライブレコーダーはデータの書換えを頻繁に繰り返すので、これに用いるmicroSDカード等メモリーカードの寿命は短くなります。そこで、もしものときに録画されていなかったということをできるだけ避けるためにも、高耐久やドライブレコーダー用と謳われた製品、MLCやSLCの製品を用いることが望ましいでしょう。耐衝撃性や耐水性なども備えているとより安心です。

 自分はSanDiskのHigh Enduranceモデル、128GBの製品(SDSQQNR-128G-GN6IA)を購入しました。ビデオスピードクラスV30、最大書込速度公称40MB/sですが、価格を優先させました。なお、実際に購入した商品は、パソコンでの実測で最大書込速度50MB/s以上を記録しており、BatEyeでの実用上も映像の飛びなどの問題は今のところ起きていません。高耐久と謳われた製品の中でも本品はかなり格安であり、性能はより高品質な製品には劣るかもしれませんが、メモリーカードは消耗品と或る程度割り切ることにしました。

 ドライブレコーダーに用いるメモリーカードを長持ちさせるには定期的にフォーマットすると良いようです。

更新: 2020/04/18

他の候補

更新: 2020/04/18

参考資料

  • 購入金額

    9,180円

  • 購入日

    2020年03月24日

  • 購入場所

    Amazon.co.jp ValueStorm(デルタ商事)

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