往年のディスクリートオペアンプを入手しました(2個セットで3,800円)。かつて事実上の標準とされたAPI2520とピン互換になっています。ビンテージ品なのでデータシートが見つかりませんが、電源電圧は±15V~±20V、負荷は600Ωを前提としています(出品者の解説より)。
現物に半田の跡が見られたので、何かの取り外し品と思われます。
ハイ寄り? HM子さん ~いいえ、発振です~
24V駆動のcMoyアンプで試聴しました。OPA627とは逆に高域が強調されて聞こえます。というか、シンバルの様子がたまにおかしい? しかし、やはりディスクリート構造なのでドライに聞こえます。
リンギングが激しい上に「立ち上がりだけ」クロスオーバー歪みが出ています。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
Zobelフィルタを出力に噛ませたところ、高域の挙動不審(発振?)が収まりました。それでも透明感、あるいは情報量は……MUSES03よりは劣ります。古いモジュールだから仕方ないね。でもNJM4580よりは良い。OPA2134と比べて少しは良い。OPA627と比べると……627のほうが良いなぁ。ただ、MUSES03は「モノリシックではない」(前段と後段で別のチップになっているからしいて言えば「ダイリシック」?)ことが音質に影響しています。
設計の前提から考える必要がある
まず、ピン配置が現在一般的なものと異なります。ディスクリート時代に標準だったAPI2520のピンアウトになっているので、それを前提に基板を起こすのでない限りは変換基板が必要です。しかし、そのような基板は市販されていないようなので自分で作ることになります。幸い、ピン配置が5.08mm (200mil)ピッチなので一般的な2.54mmピッチのユニバーサル基板にも実装できます。
下記の実装では長辺をギリギリ(27列)まで使っているので普通のC基板(長辺25列でフチがある)では作れません。私はLinkmanのLUPCB-7247Wで作りましたが(28列だが1列分は型番が入っているため実質27列)、秋月のフチなしタイプ(27列)でもおそらく作れると思います。配線を工夫すれば26列で作れそうですが……
なお、以下の実体配線図では片面基板を使っているかのように描かれていますが、実際は両面スルーホール基板を使っています。
次に、1回路品しかないのでステレオで使うには2個必要です。2個セットで上記変換基板を作る場合は重さのバランスが取れるのですが、1個単位で使う場合は工夫が必要です。もっとも、こういう変換基板を作ってcMoyのソケットで使うという奇天烈なことをする人は私くらいだと思いますが。
昔のオペアンプモジュールの特徴として、電源端子が正電源、負電源のほかにCommon(=GND)の端子があります。但し、結論から言うとCommon端子は無視しても動作します。
パッケージが大きい分発熱が表面化しにくい
24V駆動のcMoy回路で使用した場合、外気温23.9℃に対してパッケージ表面温度が25.1℃まで上昇します。パッケージが大きい分余裕があるのかもしれません。
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購入金額
3,800円
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購入日
2020年03月15日
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購入場所
ヤフオク
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