所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。デモ音源。元々はクライアントやオーディションの予備選考などで、自分のプレイや曲をアピールするための音源を指しますが、宅録の質の向上によって十分商品となるものもあります。ソロとしてはメジャーリリースがないため、ソロプレイが堪能できる音源ともなっている作品をご紹介します。
佐藤奏、ドラマー。3歳のころからドラムに親しみ、6歳の頃には元CASIOPEAの向谷実と共演したという天才ドラマー。アマチュアながらドラムを嗜む奏パパこと佐藤正則さんの全面バックアップを受け活動している。精力的にソロライヴもひらいているが、パートがドラムということもあり、参加しているグループやサポートバンド(Ear Candy Jazz FactoryやRie a.k.a. Suzaku)としてはメジャーリリースがあるが、ソロはメジャー音源がない状態。基本的に、彼女のソロライヴは打ち込みのフュージョン調のオリジナル楽曲に合わせてドラムスを叩くという構成。そのソロライヴで演奏される曲をあつめたのが“かなデモ”。2010年初頭現在3枚リリースされているなかの3枚目、“2.5(にいてんご)”。奏パパ作曲の曲に合わせて叩く奏ちゃんの演奏が堪能できる。
「Start Line」。10周年ライヴでも、フュージョン好きだと語っていたし、自身もホルストの「Jupiter」のアレンジヴァージョンでフュージョンテイストのドラムを叩いていた奏パパ作曲の80年代フュージョンリスペクトがうかがえる作品。リズムコンシャスな第1期CASIOPEA調のスピード感ある曲。ライヴで演奏もされた、奏ちゃんの代表曲のひとつともいえるナンバー。奏ちゃんのプレイもタイトで、シャープ、「あのころ」を思い出させる。
続く「Share the Groove」も、向谷実在籍時のCASIOPEAを彷彿とさせる曲。かわいらしい音色のスタッカートめのリズムを支える、クイクイのリズムがシャープで奏ちゃんらしい。途中のオンビートソロもビートが「立って」いて、フュージョン世代には懐かしい。
最後の2曲は、2016年10月10の「川口ストリートジャスフェスティバル2016」からのライヴテイク。特に最後の「KANADEMO Medley」は、「Splash」や「Smile Island」といった彼女の初期代表曲が含まれており、ライヴでも盛り上がる曲がつなげられていて楽しい。
ちなみにこのCDには購入者特典として、この「KANADEMO Medley」の「川口ストリートジャスフェスティバル2016」での演奏シーンの動画と、かなでちゃんの幼少時からの写真をスライドショーにした動画の公開アドレスとアクセス用のQRコードが同封されている。公開禁止なので、このレビューには載せないが、これを見ると完成度が高い演奏だとわかる。
最近活動の場が広がってきた奏ちゃん、そんな彼女の初期音源集の一つともいえる作品です。
購入者特典の動画のアドレスがある(赤枠/モザイクかけてます)
【収録曲】
1. Introduction 2016
2. Start Line
3. Share the Groove
4. P.D.P. (Live)
5. KANADEMO Medley (Live)
<Splash~Smile Island~Kanadel Chops~Bright Days~Osanpo>
「ドラムソロ~新宝島~Start Line~千本桜~情熱大陸」Start Lineは4:53~
奏ちゃんのドラムが堪能できる/フュージョン世代感涙
奏ちゃんの演奏が堪能できるのは「デモ」だから当然として、そのデモ曲の曲調(ジャンル)が好みの方向性なのは望外の幸せ。
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購入金額
1,000円
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購入日
2019年12月29日
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購入場所
佐藤奏 10周年記念ライブ-2 ~The Next Step~
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