レビューメディア「ジグソー」

直噴エンジン車の強い味方

私が現在乗っている車は、平成18年式のトヨタ・プログレ NC250で、この車には当時のトヨタ製6気筒エンジンの主力モデルであった、1JZ-FSEという2,500cc直噴D-4エンジンが搭載されています。

 

直噴エンジン車は、三菱自動車製のGDIを皮切りに、高出力・低燃費・低排出を実現するとして一時期もてはやされていて、各社の主力エンジンがこぞって直噴化されていた時期がありました。しかし、丁度このプログレの時期辺りから、直噴エンジンの弱点が取り沙汰されるようになってきたのです。

 

まず問題となったのは、本来の目的であった高出力・低燃費が思ったほどのものではなかったことです。カタログスペック上は直噴化によって燃費が向上していたり、出力特性が向上していたりしたのですが、実走してみると大きな違いは生じていない事が殆どでした。

 

実際に私がこの車の前に乗っていたのは、直噴化される前の1JZ-GE(2,500cc 直6、VVT-i)を搭載したマイナーチェンジ前のプログレでしたが、エンジンの軽快さこそ大きく進化していることは実感できるものの、燃費はさほど変わりませんし出力もそれほど違うとは思えません。

 

そしてこちらがより大きな問題となったのですが、ガソリン燃焼時に発生するカーボンがエンジン内部に付着しやすいということです。このカーボンの付着により、エンジン内で点火不良が発生しやすくなり、出力低下や振動の増加、最悪の場合はエンストが発生するなど日常的な走行にすら差し支える問題が発生するようになってしまいます。

 

結果的に2000年前後に各社から発表されていた直噴エンジン車は、大体10年程度で殆ど見かけることはなくなっていきました。現在も直噴エンジン車自体は結構製造されていますが、現在の直噴エンジン車は燃料噴射の最適化などを行うことで、上記の弱点を大幅に改善したものとなっているそうです。もっとも、10万km以上乗る程度まで使ってしまうと、カーボン付着による出力低下は避けられないといわれていますが…。

 

ちなみに、この問題はメーカー側も把握していて、トヨタではこの時期の1JZ-FSE、2JZ-FSEエンジン搭載車について、リコールの実施と保証期間の延長(5年10万km→9年距離無制限)を行っています。

 

以下の図は3,000ccの2JZ-FSEのものですが、1JZ-FSEとは排気量違いの同系統であり、基本構造は近似といって良いでしょう。

 

 

 

▲エンジン横断面図と主な採用技術
▲エンジン横断面図と主な採用技術

 

 

 

 

▲コンセプト説明図
▲コンセプト説明図

 

 

 

(いずれも「トヨタ自動車75年史 技術開発 エンジン」より)

 

 

ここで話を私のプログレに戻しますが、12月に入って急激に気温が下がってくると、エンジン始動時の着火が目に見えて悪くなってきました。同型のエンジンを搭載した車が以前あったということもあり、カーボン付着をまず疑うべき事は理解していましたので、その対策に用意したのが今回取り上げる燃料添加剤、Turbulence GA-01です。

 

更新: 2019/12/23
使用感

始動はスムーズになった

Turbulence GA-01は、簡単に言うとガソリンに混ぜて使うことで、エンジンのシリンダーや燃料噴射バルブに付着したカーボン類等の汚れを洗浄するという添加剤です。

 

成分は特殊PEA(ポリエーテルアミン)と明記されていて、この物質がエンジン洗浄に最も適していると説明されているのですが、その理屈の方は正直あまりよく解りません。何にせよ、実際に使ってみることにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

スーパーオートバックス店頭やAmazonでも購入できるようですが、今回は商品説明がメーカー公式ページよりも遙かに詳細だったOH+ PRODUCTSで購入しています。

 

 

 

 

 

 

 

箱を開けると、GA-01が2本入っていて、その上に説明書が添付されています。どの程度の量を使うのかなど、基本的な情報は説明書できちんと確認した方が良いでしょう。実は条件によって適切な量が意外と異なってきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

GA-01の外見上の印象は、黄色いドロリとした液体というところです。結構粘性が高いようで、容器を倒してもゆっくりと流れていく印象です。

 

 

今回はGA-01を初めて投入するということで、やや濃いめに使うようにしました。

 

まず1本目は燃料を20ℓほど使った状態(70ℓタンク車なので残量は約50ℓ)で全量投入します。そしてその状態で数日走り、満タン給油したところでもう1本を投入しました。

 

 

 

 

 

 

 

それからまだ10日間程度しか使っていないわけですが、明らかな変化があります。

 

最も顕著な違いとなったのは、エンジンが冷え切った状態での始動時に、今まではスターターを少し長めに回さないと始動しないということがあったのですが、GA-01使用後は暖気が済んだ状態であるかのように一発始動するようになったということです。

 

投入後数日は、排気ガスの匂いがいつもと少し違っていて、不純物を燃やしているというのが何となく判ったのですが、現時点ではほぼ元通りになってきましたので、概ね洗浄が済んだということなのではないかと思います。

 

エンジンの吹け上がりもスムーズになったような気はするのですが、この辺りはあくまで感覚的なもので客観的にはっきりとした差になっているかどうかは何ともいえません。ただ、少なくとも今のところネガティブな要素は見えていませんので、取り敢えずは成功だったと判断して良いでしょう。

 

 

本格的なエンジン内部の付着カーボン除去を行うとすると、エンジンを完全に分解しなければならず、時間と費用が相当にかかります。しかし、GA-01であれば単にガソリンタンクに投入するだけですから、手軽ですしそれなりに効果も実感できます。特に直噴エンジン車でエンスト気味だったり、回転が安定しない、ノッキングが発生しやすいなどの症状が出ているという方には、一度試していただきたいと思います。

  • 購入金額

    3,960円

  • 購入日

    2019年12月11日

  • 購入場所

    OH+ PRODUCTS

16人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • mickeyさん

    2019/12/24

    添加剤、MR-2で走っていた時に使ったりしました。
    レース前などに使用して吹け上りなど良かったように
    記憶しています。燃費も上がりました(^^)
  • jive9821さん

    2019/12/24

    > mickey さん

    車自体が決してスポーティーなものではありませんので、出力向上目的の添加剤は使う事は無いと思うのですが、カーボン付着は悪化するとエンジンがまともに動かなくなるので、メンテナンス用の添加剤は過去に何種類か試してみました。

    その中で判りやすく効果が出たのが、今回のGA-01だったので取り上げてみました。以前シュアラスターの添加剤も掲載していますが、そちらと比べても改善効果は分かりやすいのではないかと思います。

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