「芋づる式洲崎綾 Part7」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。12月といえばあやちゃんのバースデイということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲、Webラジオのイベントやそれらの関連商品まで、幅広く芋づる式にご紹介するシリーズレビューの...ま~だ終わらない7回目。
「RELEASE THE SPYCE」。2018年末に放送された「女子高生×スパイアクション」アニメ。「結城友奈は勇者である」の原案を手掛けたタカヒロが原案・シリーズ構成、「ゆるゆり」の原作者なもりがキャラクター原案を務めたオリジナルアニメ。
空崎という街に住む源モモ(アニメでのCV安齋由香里)。彼女は、視力や嗅覚に優れ、他人を舐めるとその人の体調や感情がわかるという特技?があるものの、普通の高校生活を送っていた。彼女は、クラス替えで仲が良かった友人達と離れてしまうが、そんな彼女に声をかけたのが、八千代命(CVあやちゃん)と石川五恵(CVのぐちゆり)。校内ですれ違った半蔵門雪(CV沼倉愛美)への憧れを語るモモに、一緒にいた青葉初芽(CV内田彩)先輩も素敵な人だよ、と話す五恵。その後命達の行きつけのカレー店「Wasabi」に行ったときに、すれ違った1年生-相模楓(CV藤田茜)-に嫉妬に狂った鋭い視線を送られたことを訝しがりながらも、3人でカトリーナ(CV小松未可子)の造ったカレーを食べるのだった。
警察官で殉職した父同様、正義感が強いモモだったが、禁煙区域で喫煙するガラの悪い若者に注意できない、ひったくりを見ても固まってしまうなど「動けない自分」に自己嫌悪に陥る毎日。父の同僚だった婦警と将来について相談する約束をした夜、連絡がない彼女を心配して夜の街に出る。そこで、ロボット兵器を密輸しようとしたグループにとらわれている婦警を見つける。また固まりそうになったモモだが、婦警達の危機に勇気を出して現場に踏み込む。結局、密輸グループに捕まり、海に放り投げられそうになったのを救ったのは、変わった衣装を着けた雪だった。その場に初芽や命、五恵に楓までいることに驚くモモ。
その後初芽の運転する車で、雪や命達と密輸グループを追いかけることになるモモ。車内で、この街を守る私設情報機関ツキカゲの存在を聞かされる。そしてその場でメンバーとして加わるか、数時間分の記憶を消して無関係として生きるかを迫られる。
自信はないモモだったが、ツキカゲメンバーの闘いの様子を見て、父の愛した街を守るためにツキカゲに加わることにする。
モモは、師匠となった雪から厳しい特訓を受けながら、正規メンバーになる試験に臨む。身体能力抜群の命を捕まえるというその試験に、頭を使って合格したモモは、晴れてツキカゲの正規メンバーとなる。
モモはその後任務に就くことになるが、容疑者から話を引き出すのに粘りが足りないとか、よかれと思って加勢に行って持ち場を離れてしまったとか、雪からは叱責続き。あげくにソープランドへの潜入捜査では、モモの処置が悪く潜入が発覚してしまい、雪に「弟子の不始末申し訳ない」と頭を下げさせることになってしまう。
元気のないモモを心配した五恵(左)がモモを連れて、楓がバイトしている店で弟子会
激しく落ち込むモモだったが、弟子仲間の五恵と楓に慰められ、「自分ができることをやる、そしてチームで勝つ」と思いを新たにし、モウリョウが繰り出してきた村人全部が傭兵という桃源村の刺客白虎(CV鈴木愛奈/小説「RELEASE THE SPYCE GOLDEN GENESIS」で出てくる青竜の仲間)を捕らえることが出来た。
その後、ツキカゲのメンバーは、モウリョウの根城と目されている九天サイエンス社への潜入捜査や、ドラッグを撒いているエモ・パチーノの組織を潰すなど、任務をこなすが、妙な手応えのなさを感じていた。しかしその頃、モウリョウにはツキカゲから寝返りたいという人物からの連絡が届いていた....その人物からの情報で、初芽がツキカゲのメンバーであることがばれてしまう。
そんなとき初芽の幼い頃の友人、テレジア(CV種田梨沙)が転校してくる。彼女は初芽が海外にいたときに知り合ったが、親しくなりかけた頃に二人一緒に身代金目的で誘拐され、資産家である初芽の両親が身代金支払いに応じたため、一人だけ解放されたことにテレジアは「裏切られた」と感じていた。その後、テレジアは売られることになり、別の人生を歩んだ。いまではモウリョウの幹部「文鳥の女(CV伊藤静)」に指示を受ける状態。
初芽もテレジアはモウリョウのために動いている人物だと確信し、相手を探るため二人で喫茶店に入る。その時モウリョウの薬品散布により、空崎の人たちが暴徒化しており、五恵と連絡が取れないことが、ツキカゲから連絡が入る。そこで初芽は、直接「私はツキカゲの一員です」と告げて、テレジアに毒針を刺して足止めしつつ、五恵を探しに行く。後に毒を仕込んだのは嘘だと初芽から知らされたテレジアは、モウリョウの幹部=文鳥の女に初芽がツキカゲメンバーで確定であることを報告するが、進捗の遅さに「学校生活が楽しくなったか?」と文鳥の女から揶揄される。
暴走していた五恵を鎮めたツキカゲは、彼女の血液から沖縄にしか生えていない植物の成分が見つける。沖縄に遠征したツキカゲは、そこでその植物のプラントを壊滅させるが、途中で雪達とはぐれたモモは、敵組織「ニライカナイ」の首領との一騎打ちになり、独力で斃した。その闘いの中で切りつけられた(ように見えた)モモに対して雪は「モモっ!」と思わず本名を叫んでしまう。そして戦いのあと「なぜ自分の安全を優先するように指示をしたのに、従わないのか」と声を荒げて、叩いてしまう。
後にモモは雪にその理由を聞かされる。モウリョウの基地を潰すために戦って散った雪の師匠、藤林長穂(CV桑島法子)のことを。彼女は戦闘時は比類ない強さを見せたが、平時はだらしなく甘えん坊で、弟子の雪にべったりだった。そんな彼女を含む先代のツキカゲが、モウリョウの「人工衛星のコントロールを奪って地球に落下させる」という作戦を察知し、コントロール基地を破壊するために潜入したとき、敵の幹部=文鳥の女こと天堂久良羅との戦闘となり、雪をかばって長穂は殉職した。天堂に切りつけられ、瀕死の重傷を負った長穂は、次なる獲物を求めて雪の方に向かおうとした天堂を止めるために自爆したのだ...
...「もう二度と身内を喪うような想いはイヤなの」と、あのときの雪の叱責の理由を識ったモモは、師匠とともに街を守る決意を新たにした。
モウリョウが薬剤の大量散布(ゲッカコウ作戦)を計画しているのを識って、ツキカゲもそれを阻止するべく大規模な攻撃を加えることにする。画像解析から九天サイエンス社の烏丸文子=天堂久良羅が怪しいと捕らえるツキカゲメンバー。ツキカゲの秘密基地でもあるカレー店「Wasabi」に向かう車中で、最初はシラを切っていた天堂だが、モモに舐められ嘘がばれてしまう。開き直った天堂はこう言う。
「丁寧に扱ってくれ、源モモ」
なぜ、モモの本名が敵に識られているのか...?そのまま天堂は不適に言い放つ。
「前夜祭と行こう」
その時だった。目前まで来ていた「Wasabi」が爆発してしまったのは。店にはカトリーナと、桃源村から追放されたあと味方となっていた白虎がいたはず。呆然とするツキカゲ達。するとすっかり車がモウリョウ達に囲まれてしまっていた。戦闘のため外に出たメンバー...とその時、戦闘力としてはツキカゲ最強ランク=横綱である五恵の背中にスタンガンを押しつけ、無力化したのは、なんと命だった。そのあと自分の弟子である楓を組み敷きながら命は言い放つ。
「命のモットーは、楓が一番知ってるでしょう?風のように自由にやりたいようにやる」
「この街を愛している師匠が、そんな....!」
「愛しているよ、この街のカオスを」
「...そんなっ!」
「ピンチの時に敵に哀願するような目を向けるようなヤツは、命の弟子失格だねぇ...独り立ち以前の問題だ」
楓に催眠弾を撃ち込んだ命に、雪が迫るがその前に天堂が立ちはだかる。
「形勢逆転だな?雪...」
その時すでにスパイスの持続時間が短くなっていた雪は、危険を顧みずさらにスパイスを口にする。
「スパイスの二重がけだと...っ!?」
スパイスの二重がけで平素閉じている右目も開き、一気に天堂に間合いを詰める雪
スパイスによる覚醒で大量の戦闘ロボットを倒す雪だが、戦闘中にモモが天堂に捕らえられてしまう。人質に取られたモモを見て、雪は刀を捨て、ロボットに切られて血の海に沈む。
「師匠~~っっ!!!」
モモの悲痛な声が響く...
一方、初芽に対峙していたテレジアには命が加勢し、初芽の膝を刺したあと海に突き落として、さらに爆弾を投下した...
そして、ツキカゲ弟子3人は捕らえられてしまった...
帰投する天堂はうそぶく。
「もはや遮るものは何もない...予定通り、あす、最終作戦=ゲッカコウ作戦の始まりだ...」
◇◆◇
絶体絶命のモモたちは、モウリョウの計画を阻止することが出来るのか、そして雪の、初芽の、カトリーナと白虎の生死は...?
そして、裏切った命の真意は...?
「女子高生×スパイアクション」という設定は非常に面白く、また「師匠から弟子に受け継がれる技と想い」という点はとても良く描かれていたし、縦横に張り巡らされた伏線の回収も見事!という感じだったが、女子高生がスパイという突飛な設定を語るのにもかなり尺が必要なので、展開の一部が急だったり、どうしてこのキャラクターがこう言ったか/行動したかが唐突な部分もあったりして、1クール12話では若干尺不足..という感じだったのが非常に惜しかった。
制作陣や声優陣から考えると、上手くいけばこの期の覇権アニメになり得たほどのポテンシャルはあったのに、一部の「展開について行けない」人に早期に「切られた」のが「大人気アニメ」とまでは上り詰めなかった理由か(同期のアニメに「ソードアート・オンライン アリシゼーション(SAO)」と「SSSS.GRIDMAN」という歴史ある化け物に加えて、ダークホース「ゾンビランドサガ」までいたのも不運だったけれど)。
TVアニメの楽しみ方としては邪道かも知れないが、先代を語りながらも現役世代のTVアニメストーリーとチョイチョイ絡んでいく小説「RELEASE THE SPYCE GOLDEN GENESIS」
=副読本を読んでから観ると、やや舌足らずだったいろいろな部分に納得がいく。
その部分が若干ザンネンではあるのだけれど、ポテンシャルは高いし、最後まで見た人には非常に評価が高いので、ぜひ2期を期待したい作品。
その時はこのアニメを受けて「ゲッカコウ作戦の後」を語っているスマホゲーム「RELEASE THE SPYCE secret fragrance」のストーリーでも良いなー...このゲームシナリオはタカヒロをはじめ、アニメのスタッフがシナリオを手がけているし、小説で渡米する命の前師匠=信(カワイイ)も出てくるし。
お話自体は、「最後まで通して観ると」非常に良いので、途中で切ってしまった人は是非もう一度、最後まで、ね。
モノとしての映像ディスクの方は、映像特典はWeb-CMやノンクレジットのオープニングやエンディング画像などが中心で、わりに「良くあるヤツ」なのだが、「Intermission Movie」と呼ばれるアニメ放送間に流された紙芝居風の1分少々のオリジナルミニストーリーが全部収録されていることと、「『RELEASE THE SPYCE』オリジナルサウンドトラック アウトテイク」という形で、発売されているサントラ集には収められなかった楽曲が収録されたCDが添付していることが評価できる。後者は命楓回ともいえる第4話で使われた命のキャラソン「月結び」の「弾き語りver.(劇中で使われた「月結び」のアコギ弾き語りアレンジ)」と、やはり劇中で使われた「ようこそソラサキシティへ」というあやちゃんの曲が入っていることが良かったかな。
公式LINEに打ち込むと画像がもらえる、アニメ映像中に隠されている暗号も種明かし
あと購入店特典としては「複製原画セット」がつくのだけれど、これに合わせて「師弟お渡し会」というイベントも企画された。映像ディスク作品を購入した人に、各師弟の担当声優が二人組で対象の原画セットを渡してくれるというイベント。
仕事などの都合で、都合6回のうち、半分しか行けなかったけれど、当然命楓師弟コンビの時は両方とも出席。このときの対応などで、cybercatがあーちゃんこと藤田茜を推し増しすることになるのは...これは、レビューとは全然関係ないなw
【収録内容】
全巻共通仕様
・キャラクターデザイン石野聡描き下ろしデジパック
■第1巻
収録話数:
・EPISODE:01「ゴールデンスピリッツ」
・EPISODE:02「第1の挑戦」
特典:
・なもり描きおろし表紙フルカラー16Pスペシャルブックレット
・トーク&ライブイベント「スパッと!スパイス大作戦」昼の部 イベント優先申込券
映像特典:
・オープニング(ノンクレジット)
・エンディング(ノンクレジット)
・第1弾PV
・第2弾PV
・WEB予告-EPISODE:02
・WEB予告-EPISODE:03
■第2巻
収録話数:
・EPISODE:03「モウリョウ」
・EPISODE:04「Never Say Never Together」
特典:
・なもり描きおろし表紙フルカラー16Pスペシャルブックレット
・トーク&ライブイベント「スパッと!スパイス大作戦」夜の部 イベント優先申込券
映像特典:
・4話エンディング(ノンクレジョット)
・Intermission Movie #1
・Intermission Movie #2
・Intermission Movie #3
・Intermission Movie #4
・WEB予告-EPISODE:04
・WEB予告-EPISODE:05
■第3巻
収録話数:
・EPISODE:05「Phantom・Protocol」
・EPISODE:06「友情の報酬」
特典:
・なもり描きおろし表紙フルカラー28Pスペシャルブックレット「Namori ArtWorks」
映像特典:
・Villain PV
・テレビCM:01
・テレビCM:02
・WEB予告-EPISODE:06
・WEB予告-EPISODE:07
■第4巻
収録話数:
・EPISODE:07「初芽より愛をこめて」
・EPISODE:08「N機関情報」
特典:
・なもり描きおろし表紙フルカラー16Pスペシャルブックレット
・CD「RELEASE THE SPYCE」オリジナルサウンドトラック アウトテイク
映像特典:
・Intermission Movie #5
・Intermission Movie #6
・Intermission Movie #7
・Intermission Movie #8
・Intermission Movie #9
・WEB予告-EPISODE:08
・WEB予告-EPISODE:09
■第5巻
収録話数:
・EPISODE:09「ディスティニー・サークル」
・EPISODE:10「ソラサキ応答無し」
特典:
・なもり描きおろし表紙フルカラー16Pスペシャルブックレット
映像特典:
・テレビCM:03
・テレビCM:04
・WEB予告-EPISODE:10
・WEB予告-EPISODE:11
・「RELEASE THE SPYCE GOLDEN GENESIS」Intermission Movie
■第6巻
収録話数:
・EPISODE:11「ゲッカコウ作戦」
・EPISODE:12「ツキカゲは永遠に」
特典:
・なもり描きおろし表紙フルカラー16Pスペシャルブックレット
映像特典:
・「RELEASE THE SPYCE TSUKIKAGE ALL」Intermission Movie
購入店特典:複製原画セット
アニメオープニング「スパッと!スパイ&スパイス」
EPISODE:01「ゴールデンスピリッツ」
歌も聴けるし、役回りもいい。
歌を歌うキャラなので、名曲「月結び(弾き語りver.含む)」が聴けるし、最後の3話では特異な立場で得な役回り。
演技と歌が堪能できる。
着目点は良いのだが....
惜しむらくは、女子高生×スパイという設定が突飛なので、それを12話では語り尽くせなかった。
そのため、平常シーンも、戦闘シーンも、やや舌足らず。
ただ、師弟の関係性と弟子(特にモモ)の成長を描く部分はきちんと書けていて、そこはすごくよかったのだが。
15話程度...せめて、初回と最終話が1時間特番なんかだともう少し上手く描けたのかも。
ということで2期を期待。
今のところまだゲーム(RELEASE THE SPYCE secret fragrance)も続いているし。
.... シン様も出てくるだろうし←そこかよ
-
購入金額
45,360円
-
購入日
2019年頃
-
購入場所
きゃにめ
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。