レビューメディア「ジグソー」

かなりピーキー、オールラウンダーではない。ただし「ヴォーカルホン」としては、オモシロイ。

最近イヤホン界隈が面白い。

特に、「中華イヤホン」と呼ばれる中国の新興メーカーが出してくるイヤホンが。

 

「中華イヤホン」と言えば、かつては玉石混淆で、どちらかと言えば宝探しに近い「使えるものを探す楽しみ」だったのが、ここ最近急激に品質を上げ、価格なり以上の品質はどのメーカーも達成しているので、「合うものを探す楽しみ」に変わってきている。

 

「合うもの」というのは、主にイヤホンと曲とのマッチングのこと。色々なメーカーが様々な価格帯のイヤホンを出してしのぎを削っているためか、嗜好が幅広い=「大陸は広い」ということなのか、中華イヤホンには最近オールラウンダー的味付けのものより、メーカーの主張が強い尖った性格のイヤホンが多い感じがする。そのため、自分の趣味や聴く音楽ジャンル、聴取シチュエーションに合わせて、「ジャストフィット」のものを探すのが楽しい。

 

この「自分に」合うものというのはとても重要で、それには自分の好みの音楽・音傾向とイヤホンの音響的特性という点のみならず、「自分の耳の形状」と「イヤホンの形状」の「合う/合わない」という点もある。

 

cybercatは、イヤホンをイロイロ購入したり、複数のCIEMを作ったりする前は、自分の耳は「普通」だと思っていたのだが、実は少々違うらしい。以前は、当時使っていた日本製のウォークマンやラジオの添付イヤホンでは、添付イヤピがSMLの3サイズであれば、標準添付されているMでフィッティングすることが多かったので「標準」と思っていたわけだが、海外製のイヤホンなどを使っていると外れやすかったり痛かったりして耳の形が「合わない」のが多かったり、他者の造ったCIEMが自分のと結構形が違うのに気がついて、「普通」ではないのではないかと。それまでのイヤホンの設計が日本人向けでやや小さめに作っていたのか、昔は耳の中に「ねじ込む」スタイルのカナル型のイヤホンがすくなかったから気が付かなかったのかはわからないが、実は自分はフィッティングがやや難しい耳の形というのがわかってきた。

 

cybercatの耳は、実は「穴は小さめ(細目)」「かなり屈曲が大きい」「開口部は下向きでやや後ろ向き」「耳道はやや長め」という特徴らしい。CIEMを作るときには耳型を複数の施設でいろいろな人(6人)に採っていただいたが、「自分の耳穴細いのでは?」と気づいてから、複数の人にイロイロ質問してみて確認したので、多分正しい(顔面の美醜を訊いたのであれば、多少のお世辞補正が入るかもしれないが、耳の穴の形でそんなことはないと思うし、訊いた4人の方がすべて「細い」というので恐らくそう/耳型を取るときに、耳の奥にシリコンが流れ込まないように耳に詰めるストッパーもいつも一番小さいものを使うし)。

 

そして、イヤホンをいろいろ買ってみてわかったこととして、単なる緩衝材と考えていたイヤーピースは、実は最終的な音決めにかなり大きな影響があるということ。

 

つまり、「このイヤホン好みの音じゃないな」と思っていたのは、「このイヤホン“このイヤピースだと”好みの音じゃないな」という場合が結構あるということに気づいてしまった。

 

...このレビューをこの導入で始めたのは、最近「用途特化型」で(自分にとっては)「標準イヤーピースではない方が良い」イヤホンに出会ったから。

 

そのため、今回は最初からイヤーピース交換した場合の音色レビューも一度に記すことにする。

 

 

TANCHJIM(タンジジム)」。ロゴにも刻まれているように、2015年にその起源を持つ若いブランド。もとは高校のマンガ好きの同好会的集まりだったらしい。そのリーダーの趣味がマンガとともに、イヤホン作りだったことからこのオーディオブランドは始まったようだ。同好会自体は2017年に解散したらしいが、そのリーダーが南宁重锤科技有限公司と出会ったことで、「TANCHJIM」をブランド名とするイヤホン製造を始めることになった。

 

そのTANCHJIMの(少なくとも日本に入ってきた)最初のイヤホンが「Darkside」。ちょっと厨二気味の愛称を持つイヤホンだが、思春期の学生のごとく、尖っていて、得意分野は決して広くないが、でも原石の輝きがあるイヤホンだった。

 

かなり高級感ある外箱に収められた、豊富な付属品がついたイヤホンで、箱を開けると「Feel more, Hear more.」のメッセージが書かれた付属品ケースと対面。その中にはイヤーピース2種(SとL、Mは本体に装着済み)、説明書、ストーリーブック、アルミカード、Logo シール 2枚が収められている。

外箱はかなり高級感あり
外箱はかなり高級感あり

 

TANCHJIMのブランドの由来が書かれている(らしい、読めんけど)
断片的に認識できる単語からはTANCHJIMのブランドの由来が書かれているらしい

 

緩衝材を挟んで本体と対面。9.2mm径のグラフェンコート振動膜を持つ、ダイナミック型ドライバー一発のイヤホン。

製品が一番上でないパターンはむしろ久しぶりか?
製品が一番上でないパターンはむしろ久しぶりか?

 

箱の底にはさらにセミハードキャリングケースが収められている。

豊富な付属品
豊富な付属品

 

外観はその名の通り深い黒。商品写真などではプラスチックに見えるかもしれないが、細かい目でサンドブラストされたアルミのハウジングが黒く塗装されている。外観的特徴としては、フェイスプレート部分に片方にしか模様が入っていない左右非対称のデザインであるということ。

 

右には羽のある女神?とそれを囲む二重円にブランド名のTANCHJIMと、その基となった同好会の設立年である「2015」の入ったブランドロゴが入れられているのだが、左側はなにも模様がない。これは、「斬新な遊びとして」「半完成品として」提供することで「ユーザーが残りの部分を作る」面白さを残す、というコンセプトらしい。つまり左側の面を自分で装飾することで、「だれも所用していない自分だけのイヤホンデザインを所有する」ことができるということ。このためフェイスパネルはあえて平坦にデザインされているというこだわり方。

大きくブランドロゴが入る右側と比して、何も模様や文字がない左側
大きくブランドロゴが入る右側と比して、何も模様や文字がない左側

 

形式的には、耳掛け式(いわゆるSHURE掛け)。ケーブルの耳掛け部分はワイヤーは入っていないけれど、クセのついた透明チューブがかぶさっているので、フィッティングは悪くはない。ケーブルは編み込み式だが、ちょうどよい「締め方」でしなやか。絡み防止スライダー付きで、分岐部にはブランド名と製品名が入る。ただ、ケーブルはハウジング直付けでリケーブル不可。プラグ側はL字の3.5mmアンバランス。

 

形状は外形としてはIEMタイプだが、特徴としては耳側に向かって断面形状が絞られてはおらず、フェイスプレートとほぼ同じ大きさでおよそ8mmの厚さで続き、そこから5.5mm径で長さ約6mmという割に太目で長くはないステムが生えている感じ。つまり「漏斗」状ではなく、月型の弁当箱に短めの円柱がついているようなイメージ。この構造のため、実はcybercatの耳とはやや相性が悪い。ステムを耳奥まで押し入れることができないので、純正イヤピが滑りが良い材質であることもあって、すぐに耳から零れ落ちるのだ。こういうすわりが悪いイヤホンでは、小さめのイヤピをつけて、耳の奥にねじ込んで留めるというのが自分の良く採るテなのだが、このイヤホン、耳の内側が絞られていない形状であるため奥に入りづらく、さらにステムが太く短いということで、これをやっても耳道の「ロックされる」所まで届かず、すぐ抜けてしまう。イヤホンのフェイスプレートを指で軽く押さえると劇的に音が変わることから、音が「抜けている(漏れている)」のは明らか。

この形状、cyberatの耳とはあまり相性が良くない
この形状、cyberatの耳とはあまり相性が良くない

 

ここがザンネンなところなのだが、イヤホン専門店で試聴したところ一部の曲ではものすごく魅力的な音を聴かせたので、どう化けるか購入して確かめてみることにした。

 

いつも通り、ミックミクなDAP

で約一週間、断続的に曲を流して慣らしてから評価した。

 

 

イヤホンはパッケージとして「商品」なので、基本的に純正付属品を用いて評価すべきで、いままでもそうしてきたが、上記の形状的相性から、今回は純正品ともう一つお気に入りのイヤピを用いて評価した。

 

それが「cybercat的イヤピ三傑」のひとつ、「Deep Mount Earpiece」。

このイヤピ、比較的長さが長く、奥の方が径が太くなっている構造で、「耳の奥の方での密着度が高く」「静寂性の確保」と「低音を持ち上げる効果」がある。そして形状から来るメリットとして、cybercat的耳穴形状=細く下向きの耳道に良くフィッティングする(耳奥でロックされて落ちづらい)。

 

今回純正イヤピは、SだとDarksideのステムが短くて「ロック」できる耳道の部分まで届かなかったので、逆に大きめのLを押し込むことによって、傘の部分の摩擦で耳に固定する方法を採った。この純正イヤピ、傘の部分が非常に柔らかいのでこの手が使える。「Deep Mount Earpiece」の方も摩擦力の増加を狙って自分にとってはやや大きめの「M」を選択。

 

形状を比較すると

・穴が大きく、傘も開いていて径自体も大きいが、背が低い純正イヤピ

・その耳奥側が膨らんだ独特の形状で高さも高いが、穴は小さなDeep Mount

と結構差がある。

穴の大きさはかなり違う
穴の大きさはかなり違う

 

材質的にも純正はかなり薄くて柔らかい
材質的にも純正はかなり薄くて柔らかい

 

一般的に、穴が細いと高域が陰る傾向にあり、密着度が上がれば低音がより強くなる傾向となるが、このイヤーピースの形状はどう影響するだろうか。

 

この状態で、それぞれいつもの曲を聴いてみた。

 

宇多田ヒカルの、まだ開ききらない「女性の声」と幼さの残る歌い方の奇跡的なバランスが愛おしい「First Love」は、ハイレゾ(PCM24bit/96kHz)版を“Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD”から。

この良録音の音源での聴きどころは、1コーラスAメロの部屋の広さ、サビから分け入ってくるベースの沈み込み、震えるヒカルの声の表情、後ろで鳴るストリングスの美しさ、ラストのドラムスのドラマチックな盛り上げなどが描き出せるかという所。純正イヤピ(L)は、今まで聞いたことがないようなバランスで鳴る。ヒカルの声の表情は素晴らしく、特にバックが薄い1コーラス目のAメロは♪ニガくてせつない香り♪の最後の「り」が、発音終わりに少し抜くように歌って、声の震えとともに息を多めに出しているのが明確にわかるのなんかは、他のイヤホンではあまりなく、ホントゾクゾク来る。ただサビに入って、バックが入ってくると、ストリングスとスネアのリムショットが優勢になってやや「味」が落ちる。特にリムショットは痛いくらいに来るが、ベースはさほどに主張しないので安定性が悪い。ラストのドラムスも少し遠くで鳴っているような感じで破壊力不足。Deep Mount(M)では、ヒカルの声は少しハスキーさを増すが、なお表情豊か。ベースは歌に分け入る...というほど「濃く」はないが、十分な重さを持って鳴り、グルーヴィ。リムショットは大きいが痛いほどではなくなり、バランスがかなり好転する。最後のドラムスの盛り上がりもタムの音に深みが加わり、ダイナミック。ギターの指板を滑る音のリアリティや部屋の開放感などでは、これに勝るイヤホンはいくらでもあるが、ヴォーカルフォーカスと目的を絞れば、所持イヤホン/IEM中、屈指の表現力。

 

もう一つのハイレゾ(PCM24bit/96kHz)評価曲の吉田賢一ピアノトリオNever Let Me Go(わたしを離さないで)」を“STARDUST”

から。この曲、ピアノが中央やや左、ベースが中央、ドラムスが右という小ピースのジャズ録音ならではの位置どりでの録音。純正イヤピ(L)は、cybercatの耳の形と相まって若干ザンネンな結果に。左右の耳の穴の径や形状の若干の差異に起因するものだと思われるが、ステムが短く、滑りやすい素材の純正イヤピでは、cybercatの耳では密着度が左>>右になりがち。多少音数が多い場合はそれでもなんとかごまかせるのだが、トリオの音数だとごまかせず、右のドラムスは低域が抜けてシンバルとリムショット優勢となり高めのノリ、ベースは密着度の問題で右の低音が抜けるからか、定位が中央からやや左にシフトして据わりが悪い。Deep Mount(M)では、密着度が上がってベースがグンっっっと乗ってくる。リムショットもリムの金属音よりスネアの胴の音が優勢になり、グルーヴィ。このイヤホンの高域が刺さらない味付けと開口径が細いDeep Mountの特色が相まってか、シンバルは煌びやかさよりダークな感じが強く、音溝のないターキッシュ仕上げのようなシブさ。ピアノの音立ちも良い。

 

同じく純正よりDeep Mountの方が良かったのが、女性声優洲崎綾(あやちゃん)のファンブック“Campus”

から自作の詩による曲、「」。純正イヤピ(L)は、あやちゃんの声、近っ!ピアノと右chで鳴る生ギター、センターで鳴るパーカッションが、凜としている。左右は広く、ステージは詰まってはいないが、上と下が伸びきってはいないので、天井は低い感じ。ベースとバスドラは控えめになってしまうので、ヴゥーンとゆったり鳴るベースに体の芯を預けて、あやちゃんの声に酔う...という感じには至らず、あやちゃんの声に完全フォーカス。Deep Mount(M)にすると、ピアノの左手とベースが良く聴こえるようになって、あやちゃんの声も深みを増す。とは言っても、やはり中音重視の音なので、フォーカスはヴォーカル。密閉性が増したからか、上下も少し広くなる。この曲、多ドラのワイドレンジイヤホン(IEM)では、オケが充実しすぎて、ヴォーカルが埋もれることも多いが、いい塩梅のバランスでヴォーカルを際立たせる

 

同じくあやちゃんの演じる女子大生アイドル=新田美波の、デレマス初期持ち歌「ヴィーナスシンドローム

は後に発売されたハイレゾ化音源「ORT」ではなく、元のCDグレードの音源をFLAC化したもので評価。もともと連打されるバスドラと、鞭のようにしなる音のハイハットで「喧しい」音飽和系のバックに、ともすればあやちゃんの声が埋もれてしまうのが、再生環境を選ぶ楽曲だったものが、このDarksideだとヴォーカルがガッツリ前に出る。まず純正イヤピ(L)では、あまり上にムリに伸ばしていない高音域は刺さりを丸め、バスドラムよりベースの方が前に出る低域が、過剰なビート音をいなして、あやちゃんの声の芯を届ける。とくに出だしのバックが薄い部分は、ゾクゾク来るほどの色気。Aメロのヴォーカルは、音の終わりでスッと息を多めに調整しているのがわかる。ただし、低域は結構カルいのでノリという点では今一歩。これをDeep Mount(M)に換えると、フィッティングが良くなる分、ヴォーカルの色艶は変わらないまま、重心がぐっと下がり、バスドラのアタックもグンっとノって来る。...とは言っても、バスドラよりもシンベの方が優勢なのは変わらないため「飽和感」は感じられない。シンバルはさらに抑えられ、少し高域が霞むが、左右のステージはグンと広がるので、左右に広く散らされたシンバルは十分聴こえて窒息感はない。今まで聴いたイヤホン/IEMの中で、一番ヴォーカルのニュアンスが聴き取れたかも。

 

一方純正のイヤピの方が良かったのは、Eaglesの名曲「Hotel California」。

この曲は、音場が左右に広く、音域が上下に伸びきっていないこのイヤホンにものすごくハマっている楽曲。純正イヤピ(L)だと、形成されるサウンドステージに、アルペジオ主体の左端の生ギ⇔長音を奏でる左のエレキ⇔中央やや左の12弦ギター⇔中央でオカズを入れるエレキ⇔その右に左のエレキとハモる長音主体のエレキ⇔右端のカッティングギターと一直線に並び壮観。ピッキングハーモニクスも痛くなく、哀愁を帯びたヴォーカルもイイ!下はややさみしいが、もともとベースがやや過剰のバランスの曲なので気にならないし、上は録音年代的にそこまではないので、中域の左右の広さと表現力が突出しているこのイヤホンでは良いところが活かされる。フィッティングの良いDeep Mount(M)に換えると、ベースが少し前に出る。聴きやすいバランスに改善されるが、12弦ギターなどが若干後ろに回り、エレキが前に出てくる感じになって「ギター横一線感」は少し弱まる。しかしいずれにせよ、Don Felder⇒Joe Walshへとチェンジするツインギターのソロでの、二人の弦へのピックの当て方の違いなどはよく聴きとれ、中域ソロ楽器の風合いは良く表現されている。

 

音作りが180度違うジャパニーズフュージョン、T-SQUAREのセルフカバーアルバム“虹曲~T-SQUARE plays T&THE SQUARE SPECIAL~”の「RADIO STAR」。

聴く前から結果が予想できたが、ゲストベーシスト兼ラッパーの、JINOこと日野賢二のベースプレイにフォーカスを当てるべきこの曲では、ザンネン感が強い。純正イヤピ(L)を使うと、JINOのベースは、テーマ部分のステディな所では奥に引っ込んでしまっているし、ベースソロのスラップはバックのはずのドラムスのスネアの方が主張が強くてインパクトに欠ける。密着度の高いDeep Mount(M)にすると下の充実で多少は好転するが、それでもベースの深みがなく倍音を聴いている感じで、腰が動いてしまうようなグルーヴにはほど遠い。ベースソロの部分もスラップのヌケの悪さがあるのでノリはイマイチ。ただ良いところとしては、いずれのイヤピでも、EWIの音が大きく中央に座していながら耳障りではないこと。これは比較的似た音域のピアノソロやミュートリズムギターも心地よいので、このイヤホンは「ヴォーカルホン」であるとともに「ソロ楽器ホン」でもあるなと。

 

人気ゲームのBGMを、オーケストラで再現した交響アクティブNEETsの“艦隊フィルハーモニー交響楽団”

からラストの勇壮な「鉄底海峡の死闘。上から下まで充実している、オーケストラ仕立てのこの曲は...キツい。cybercatの耳形状的に、ややフィッティングに難のある純正イヤピ(L)では、低い弦の音の音圧が全くない。左右に広い音場も上に抜けていないので広さがあまり感じられない。校庭の塀越しにブラバンの演奏を聴いている感じ。密着度の高いDeep Mount(M)に換えると弦の下の方の充実度やティンパニのアタックは改善されるので迫力は増すが、それでも絶対量は少ないのでスケールは小さいし、上にも抜けきってはいないので、空間を渡るトライアングルなどは控えめで、部屋が小さい感じ。音響の良いホールではなく、いろいろ吸音物が多い教室で演奏会をしているのを、しかも遠くで聴いているイメージか。

 

 

新興ブランドTANCHJIMから発売された、明確にヴォーカルを中心とした中域に華があるイヤホン、Darkside。非常に癖が強い機種ながら、特定の用途、楽曲には恐ろしいほど「合う」イヤホンだった。

 

美点としては

○バックのオケが強めの曲でも、ヴォーカルの音域を上手く拾い上げ、明確にメロディが追える

○オケがない/もしくは/静かな部分では、声のニュアンスなどの表現が上手い

○同様に中域に位置するソロ楽器のピッキングニュアンスやブレスノイズなどもリアリティが高い

左右のステージは広く、定位感もきっちりあるので、楽器のポジションを感じ取りやすい

という点があげられる一方、

低域は伸びきっておらず、ベースラインは最低限、バスドラのアタックも軽い

高域は比較的早くドロップし、天井が低い感じの印象

●ノズル太目で短め、イヤピも滑りやすい素材で高さもないので、耳へのフィッティングには注意

と使いづらい点もある。

 

特に最後の弱点に関しては、「合う耳/合わない耳」というのが明確にあり、このイヤホンの印象も変えてしまうようだ(世のレビューでもフィッティングがあまりよくないと書いているレビューには今回のレビューと同様の音色傾向となっているものが多い/一方、フィッティングについて特に触れていないレビューでは「ドンシャリ」とまで評しているものさえある)。

 

万人に「ファーストイヤホン」として勧められるキャラクターではないが、何よりもヴォーカル/ソロ楽器を浮かび上がらせたいという場合は、とてもよい。発売当初の1万円超だと買いづらい面があるが、今の価格なら「性格が立った」イヤホンとして、イヤホン複数持ちの人には十分勧められる。

 

ただその場合も、イヤーピースの選択は慎重に。

 

ツボに入った時は、オケ喧しめで、どんなイヤホンでもヴォーカルが前に出てこなかった曲でも、シンガーがフワっと一歩前に出てくる不思議な感覚が味わえる。ソロ楽器のニュアンス表現も上手い。

 

そんな「ツンデレ」なイヤホンです。            オーディオなんちゃってマニア道

 

形式:カナル型
構成:イヤホン本体、付属品(複数)
ドライバー: φ9.2mmダイナミック型ドライバー1基グラフェンコート振動膜採用
再生周波数:20Hz-20,000Hz
インピーダンス:32Ω
音圧レベル:103dB
プラグ:3.5mm 3極金メッキプラグ L字
本体+標準ケーブルの重量:22g
マイク:非搭載
リモコン:非搭載
リケーブル:非対応、ケーブル長さ1.2m
本体材質:アルミ合金
ケーブル:銀メッキOFCケーブル

付属品:イヤーピース(S/M/L各2個)、キャリングケース、説明書、

    Logo シール 2枚、ストーリーブック、アルミカード

 

TANCHJIM(タンジジム) Darkside(ダークサイド)

更新: 2019/10/04
高音

ヴォーカルの上あたりまでは良いが、金物系の伸びはない

中高域と呼ばれるあたりまではむしろ強めだが、その上の高域になるとドロップが早い

更新: 2019/09/30
中域

正確に聴くというよりは存在を感じるような不思議な感触

オケが五月蠅い曲でも、フッとヴォーカルやソロ楽器が「一歩前に」

更新: 2019/10/04
低音

イヤホンの密着度も影響しているが、特に重低音は「ない」

バスドラやオーケストラの音圧感などはなく、軽い音

更新: 2019/09/30
音像

音像はシャープで左右の広がりは広い

定位感もよいので、中域の楽器の立ち位置は良くわかる

  • 購入金額

    5,980円

  • 購入日

    2019年08月12日

  • 購入場所

    七福神商事(Amazon)

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • 未完さん

    10/04

    イヤホン選びは大変です。
    自分は両耳の形が大分違うのか片耳だけいつも合いません。
    耳に引っ掛けるタイプもアザができてしまいます。
    なので音質の良いやつになかなか手がでません。
  • cybercatさん

    10/04

    人間の耳って左右の差が結構ありますよね。
    自分は右の方が穴が小さく、屈曲が大きいことが、耳型を採って判明しました。

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