今年4月に導入したターンテーブル、Technics SL-1200Gと、フォノイコライザー Phasemation EA-200の間を接続するために使っていたケーブルです。
SL-1200Gは展示処分品を購入したのですが、その際に付属品のアナログRCAケーブルが欠品していることが判明したのです。そこで販売店から提示された選択肢は
・パナソニックから本来の付属品と同等の品を取り寄せる
・展示の際に使っていたケーブルをそのまま添付
という2つでした。
本来の添付品はごく普通の安価なピンケーブルであり、しかも自力で容易に取り寄せることも出来ます。それよりは販売店の展示に使うケーブルの方がグレード的には上だろうと考えて、展示用のケーブルをそのまま戴くことにしました。この販売店では他の機器の多くも同型のケーブルを使っているようでしたので、見たことのないケーブルではありましたが付属品よりは良さそうに見えたのです。そのケーブルが今回取り上げる品となります。
型番等は不明ですが、独NEUMANN(ノイマン)製のケーブルとなります。NEUMANNはレコード世代の方にはお馴染みといえる名前では無いでしょうか。レコードのカッティングに使うカッターヘッドは、このNEUMANN製のものが多く使われていたのです。
型番等の表記は無く、皮膜に「GEORG NEUMANN GMBH - MADE IN GERMANY」とだけ印刷されています。
私自身このケーブルのことはよく知らないのですが、基本的にはマイクケーブルとして作られたケーブルにRCAピンを組み合わせたもののようです。
整っているがやや淡泊な面も
今までは比較対象が無かったために、このケーブルを通した音をSL-1200Gの音と認識していたわけです。
しかし、ターンテーブルとフォノイコライザーの間を結ぶ線は、私が使うオーディオの中でももっとも微弱な信号を扱う部分といえますので、ここに手持ちで最も良いケーブルを使おうと思い、今まではフォノイコライザーの出力に使っていた、Van Den Hul製のD102MKIII HYBRIDと交換することにしたのです。
どちらも同じ1.5mですが、NEUMANN製は正体不明なものの恐らく5~6千円程度、D102MKIII HYBRIDは3万円前後という程度のグレード差があるわけです。
普段装着しているカートリッジ、audio-technica AT-OC9/IIIを使って、このケーブルの交換でどの程度出音に違いが生じるのか確認してみました。
この実験は、丁度千葉県各所で台風による長期停電が発生した日の前日夜に行っていて、周囲の強風による騒音などがかなり騒がしく、まともに試聴できたのはこちらのレコード1枚でした。
まず、NEUMANNの方を聴いてみます。基本的には周波数の上から下まで綺麗に伸びていると感じられる音です。特定の帯域の強調感などは特になく、淡々と正確な音を運んでいるという印象を受けます。ただ、AT-OC9/IIIの傾向と合わさったことで、アナログにしては妙に淡泊に感じる部分もある音です。
これをVan Den Hul D102MKIII HYBRIDに交換すると、明確な違いが表れるのがヴォーカルの質感です。フレディ・マーキュリーの声の説得力が一聴して判るほどに増しました。低域の押し出しなどはそれほど大きな差ではありませんし、高域方向の解像感はむしろやや落ちるかなとも思うのですが、ヴォーカルやエレキギターの質感が明らかに出てくるようになり、音場の密度も濃く感じられるなど、やはり価格なりの差はきちんとあることが判ってしまいます。
以前フォノイコライザー用に使っていたaudioquest G-SNAKEと比べると、表現のレベルに大きな差は無く、ローエンド、ハイエンド方向の解像度でNEUMANNの方が勝っているかなという程度です。
元々それほど高級なケーブルというわけではありませんので、ある意味価格相応と言うべき結果に終わったということでしょう。
NEUMANNのケーブルの美点は若干素っ気なさは感じるものの、色づけを感じさせない素直さを持っているという点でしょう。その意味では試聴用ケーブルとしては適していたということなのかも知れません。
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購入金額
0円
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購入日
2019年04月13日
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購入場所
ノジマ オーディオスクエア越谷
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