ちょっと独りよがりのタイトルと思われるので、説明しておきます。
「フィロソフィー」とは、一般には、philosophy(=哲学:人がどう生きるかを探求する学問)なのですが、経営分析界隈では、企業理念とか経営指針などをひっくるめてこのカタカナ言葉を使ったりします(と思う)。
さて、このアプリは UberEats サービスに参加する飲食店が使用するアプリです。UberEats のサイトや注文アプリからの顧客(注文者)からの注文が入力されたら、この飲食店舗用のアプリに受注内容が表示され、調理を行ない配達員の到着を待つ仕組みです。このアプリは、もっぱら受注のみを担うので、厨房内に設置したタブレット端末でのみ使用します。
店側では、受注にこのアプリを使用し、メニューの編集などバックオフィス的業務には「レストランマネージャー」というWebアプリが提供されています。
このアプリは、UberEatsが準備する端末にインストールされて提供されます。
タブレット端末は、今回 Lenovo TB-8504Fでした。時期によるのか地域によるのか、iPadの場合もあるようです。
このレビューでは、この店側アプリ、セットで使用するレストランマネージャー(Webアプリ)、貸与品のタブレット、UberEatsの運用全般について参加飲食店側からの視点で記述します。
2019/08、店舗での実運用はまだ始まっていない時から記述を開始して、現在、運用開始から1週間経過したところです。
はじめの1週間の売上は、予定額を低めに想定していのにもかかわらずその1/3程度しかありませんでした。
随時追記もします。
タブレット端末
- 貸与品なので、トラブル時には代替品が提供されるようですが、場合によっては代替品が届くまで受注できない期間が発生するかもしれません。
- OSを含むソフトウエアが、専用機としてこのアプリ専用に特化された仕様になっています。
通常の端末に比べて、ユーザーが設定できる項目が極端に省略されています。
もっとも困惑していることが、この業務に関係のない、カメラ、マイクを無効化できないことです。勘ぐって考えると、四六時中この端末を経由してUber Eats に厨房内を監視されているかもしれず、これはかなり気持ちの悪いことです。 - 上記の設定ができない原因は、MobileIron Go という企業向けアプリによってOSが乗っ取られた状態だからです。
多数の端末を管理する企業向けのアプリで、外部からのアタックを防御したり、ユーザーの不規則な操作によるトラブルを避けたり、業務アプリや端末の一元管理を行うには便利なツールのようです。
レストランマネージャー
- 営業時間やメニュー構成を編集管理する、ブラウザから使うWebアプリです。
- タブレットに入っているアプリもそうですが、体裁(みため)は、イマ風に洗練されていて使いやすそうな感じがしますが、いくつかできないことがあります。
そもそも、操作マニュアルが提供されていないので、どうやってするのかなと思って問い合わせたら「それはできません」ということが続いています。 - 商品写真とメニュー名の関連付け操作がユーザーに開放されていない。
これは、「Uber Eats の注文サイトの商品写真は必ず Uber Eats が派遣するカメラマンが撮って、店の自前の写真は使わない」という規約と関連するものですが、メニュー編集のたびに担当部署あて連絡を取る必要があり、不便です。
ちなみに、”必ず Uber Eats のカメラマンが撮る”ことの理由は、写真の差で売上に差が出ないようにしたいのだそうです。たしかに写真撮りのスキルは各店舗まちまちです。
おそらく撮影コードに従ったカメラマンによる写真は、一定のレベルが維持でき、結果、撮る向きも光の加減も似たような写真がならび、見た目はそろった感じになるのかもしれませんが、反面、各店の個性や主張が伝わりにくくなり、注文する人がサイトを見てどのような料理か理解しずらく迷わせることになる気がします。もしかすると、 UberEats では、注文サイトでの各参加店舗へのアクセスが均一になったほうが全体として売上があがるという経験則でもあるのかもしれません。 - メニュー編集をしたあと公開前のプレビューの機能がない
メニューが注文者へ向けてどのように見えているか確認するには、編集結果が即時反映されそのまま公開されるので、店も注文者と同じ画面を見て確認するしかないとのことです。
ということは、間が悪いと編集中でも中途で正しくない編集内容を含んだまま公開されるので編集中は注文を受けないことにするか、営業時間外に編集をおこなうしかなさそうです。
いわゆる、ソフトウエアの不備を運用でカバーするというアレです。大局的にはそういう運用でもさほど問題はないのでしょう。 - 良い点もあります
機能がシンプルで、UIが直感とマッチしているので操作性はよいです。
細かい内部のルールなども考えなくてよいし、PCでネット環境さえあれば管理することができます。
編集後の対外的更新は即時です。遅くとも数分以内には編集後の内容が閲覧可能になっています。
それだけに、開店時間中の編集は特に価格を誤ったりしないよう注意が必要です。
サポート係
- 進言したいことが山積してきました。
配達員の扱いも含め、総じてこの会社から伝わるのは、中の方にしても、参加する店舗も、配達員も業務を細分化したうえ極力差異を取り除いてマニュアルにそってまたは規約どおりにロボットのように行動することが求められるのだな、ということです。
それが心地良い人はずっとその方向で邁進すればいいと思うけれども、人として大丈夫なのかなと心配になります。
また、そのマニュアルや規約が充実していればまだよいのですが、実情に合っているとは到底思えないし、一見ていねいな対応にみえても、「いったい、どちらへ向いて仕事をしてますか?」と問いたい場面に多く出くわします。
本体企業の利益の最大化ばかりが目立ち、関わる組織や人がそれに利用されているという感覚が強くなれば、いずれそれは顧客に伝わって結局よくない方向へ陥るような気がしないでもありません。 - レスポンスはよい
返ってくる内容はともかく、電話がつながらなくて長時間待たされることもありませんし、メールによる問い合わせでも翌日には返答があります。 - また、電話サポートは、状況をよく把握して的確な返答ができるよう、返答者によって答えがブレないよう、相手を怒らせないよう よくトレーニングされているようです。もしかすると、サポート電話受付専門の会社でもあって、アウトソーシングしているのかもしれません。想像に過ぎませんが。
少なくとも、サポート電話のかかる先が東京ではなさそうです。他の多くの企業がそうしているのと同様な気がします。もしかすると他の国の分のサポートと合わせて海外なのかもしれません。IP通話にありがちな音声のタイムラグがあって大きな問題ではありませんが会話しづらいことがあります。
【2019/08/08追記】
配達パートナーと呼ばれる配達員
- サービス開始日のはじめての注文案件で現れた配達員は、ベトナム人のおそらく学生でした(入管法上、学生や家族のビザでも週に28時間までなら働いてOK)。
決められた手順通り料理を渡したのですが、いつまで経っても店の前から出発せず、様子を見にいくと彼の電話が110番につながっています。どうやらアプリの緊急用のボタンを意味もわからず押してしまったようです。わたしが電話を代わって、110番の中の方に事情を説明して謝るハメになりました。さらに、UberEatsのサポートへ電話をかけてどうしたらよいか問い合わせているうちに別の配達員が現れて、集荷していきました。
たぶん、だれも集荷をキャンセルしていないのに別の配達員が現れたのは、はじめの配達員が集荷依頼を了承したのになかなか配達に出発しない場合は、自動的に別の配達員に依頼し直すしくみなのかと思われますが、そのあたりの機能の存在や発動条件についてはサポートの担当者でも知らされていないとのことでした。
自動的に他の配達員が来てくれたのは助かりましたが、店もはじめの配達員も何もアクションしていないし、あらかじめ機能の説明もなかったので、若干の気持ち悪さは残ります。 - それより、配達員の選定やトレーニングはどーなってるんだ?、ということです。
配達アプリは、とりあえずマニュアルなしでも操作できるし、チュートリアル動画もガイドブック冊子もあるのに、無準備でやってくるとは、店にとっては迷惑でしかありません。
ベトナム人の彼も、何かの思いがあって配達員に登録したのでしょうから、彼のことを責めたりしないし、むしろ応援したいくらいなのに、この案件はうまくいかず、しょんぼりする彼にコップ一杯の冷たい水を差し出すしかありませんでした。 - 配達にまつわるトレーニングはガイドブックを渡して自主トレしてもらうことを前提に、それでも上手にできない場合は淘汰されると考えているのかもしれません。
アプリと薄いマニュアルだけを渡すなら、いちいち人材育成など行うより低コストですし。
店側アプリのWeb版
- 小規模でシンプルな店舗なら貸与品のタブレットが1つ厨房にあれば足りるのですが、事務所が別室や遠隔地だったりすると、離れたところから受注状況や、調理の完了、履歴などを知る必要があります。
- その必要をサポートに伝えたところ、こんなのがあります、多少情報の遅延があるかもしれないけれど、と条件付きで教えてもらったのがWeb版のアプリです。
サポートに指示されたURLを開いて、ログインするとタブレットのアプリと同じ画面が開きます。 - 参加時の説明には、このような機能が用意されているとは聞いていませんでした。
- たしかに、同じ画面がブラウザで確認できるのは便利です。機能や構成もすべて同じようです。(もしかすると、タブレットのアプリと思っていたのは、Webネイティブの何かなのかなのかもしれません。HTMLではないとは思いますが)しかし、操作は本来のタブレットからのみ行うようにしないと混乱するかもしれないので、今回教えてもらったURLからは閲覧のみとすることにします。
- 実際の動作は、リアルタイムの情報反映が項目によって遅延するかまたは行われないようです。
とくにタブレットで行ったボタン操作の結果がWeb版には返ってきません(返ってくる前にステータスが遷移してしまいます)。画面更新してもダメなようです。
(ホストからPUSHされてきた情報はどのクライアントにも反映できるけれど、クライアントがPOPする分については自局のクローンには反映できないという言い方で合ってるのかな?)
まだベータ版レベルなのかもしれません。もちろん、リリースのアナウンスなどありません。
翌日以降の予約注文
- 受注受電時には、タブレットからアラート音が鳴り、画面の表示が全画面で派手な色に変わります。
画面の色がグリーン→通常注文(すぐに調理を開始して集荷を待つ)
オレンジ→予約注文(予約日時を確認して、その時になったら作り始める)
予約は1週間先くらいまで、受け付けるそうです。 - これらの機能について、説明はなかったと思います。
- なので、予約と知らずに4日先の注文を作って待ってしまいました。待てど暮らせどあまりに集荷に来ないので、サポートに問い合わせてやっと、上記のようなしくみとわかりました。
- 店としても画面をよく見れば将来の注文とわかるので、不慣れによる誤りであったといえばそうですが、問い合わせた際に、今回調理した分の代金は、本来配達するであろう分とは別にUberEatsが負担してくれるとのことでした。ただの温情サービスなのか、運用上説明不足の不備を認めているのかはわかりませんが、とりあえず損失を運営側がかぶって事態をおさめようということかなと思います。
商品代金や送料の配分の実態
- たとえば、注文者が2,500円の商品を260円の送料で購入したとします。
2,500円というのは、フードデリバリーの客単価の実態値(経験的肌感覚)ですが、ファストフード、丼もの店など元々安価な店を含めて考えるともう少し安いはずです。
260円は、当地の最低送料で、距離と混雑具合によって390円、570円と変動します。 - 店には、35%(当地の場合)を差し引いた1,625円が入ります。35%以外に徴収される基本料などはありません。
(大手ファミレス、ファストフード店には別のレートが設定されているのかもしれません) - 配達員の報酬は、距離や特典条件などで変動しますが、最低送料260円の距離なら、1配達あたり380~440円程度と計算できます(距離だけでなく、クエストやブーストなる割増があるので変動します)。
- UberEatsに入るのは、700円前後ということになり、各種決済手数料(2,500円に対して125円程度)、UberEatsの内部の費用と利益となります。
- 注文者に示される送料の倍近くを配達員に支払っていることになり、一見奇異に思えますが、この設定こそがUberEatsの真骨頂なのかもしれません。
- 店や配達者へ支払われる金額に手数料計算を介在させているのは、お金の流れをわかりにくくするとも言えるし、UberEatsの利益を確保するためかもしれないし、ちょっとよくわかりません。
少なくとも、注文者からみると送料は実際より低額に見えていること、配達員には、手数料が差し引かれる前の配達料の金額が本来の労働価値だと錯覚させる効果はあるのかな、と思います。 - 結局、現状では店が支払う35%の手数料(2,500円に対して825円)のうち、2~3割くらいが送料の分担に回されている感じです。(引き続き分析します。いったい誰得のシステムなのか。)
- ネット記事で、UberEatsの損益分岐になる注文価格は、1,300円程度かと計算しているものがありました。実態はもっと低いと思います。
例えば、800円の売上に対する手数料(35%)は、280円、そこから決済手数料(平均5%)40円、システム維持など内部費用(推定で少なくとも1件50円)、配達員報酬(報酬と顧客提示分の差額と推定される分)約140円を引くと50円余ります。ただ、これは配達員の数が十分であったり、対注文者のキャンペーンなどがない場合には成り立ちますがそうでない場合は追加コストがかかり、そうでなく余ったとしても広告費など促進費に多くが消えてしまうと想像します。けれど、低単価の注文でも意外と損失が出るわけではないことがわかります。
ただ、UberEatsに出されている800円の商品には手数料が含まれているので、店舗まで足を運ぶと520円で買える商品かもしれません。そんな商品に送料(最低でも260円)を加えて計1,060円以上支出もしてもらうのは、クーポンなどの割引でもない限り難しいような気がします。
言い換えると、UberEats に並んでいる商品は、出費だけを考えるとコスパが悪いわけで、それを配達という利便性と引き換えにできるのか、ということです。
なお、現在、地域によって手数料レートや計算方法がまちまちとなっていますが、よく吟味されたものとは思えず、今のところいろいろやってみているところという感じに見えます。揃えたくても、いったんサービスを始めると後から変更するのは難しい、というのもあるのかもしれません。
上記1注文の損益分岐点を1,300円とする話も、レートの異なる地域のことかもしれません。 - UberEats社の収支について、別の計算をしてみます。
上記同様、1000円の商品を260円の対顧客表示で配達した場合です。
店から1000円で仕入れ、配達員に675円の配達料を払うことになります。計1675円で仕入れたものを、顧客へ1260円で販売し、ここでは415円の赤字となります。
しかし、手数料として店舗と配達員からそれぞれ35%を徴収するので、586円の収入があります。
これで、粗利が171円と計算できます。
415円の赤字は、商品の金額が変動しても一定となりますが、これを手数料で補填するには、少なくとも1187円の仕入れが必要なので、512円以上の商品を仕入れれば粗利の赤字は回避できることになります。損益分岐の計算とはちょっと違いますが、手数料の設定が35%のとき、512円以上の商品の配達なら粗利は確保されるとわかります。(2019/08/17追記)
事実上、受注できない(というか注文できない)状態になることがあることが発覚
- 店側で受注可能なのに、まったく注文が来ません。サポートへ問い合わせてみて初めてわかりました。
- 配達員不足のとき、受注を規制する手段として、注文者から見た画面で選択できる店舗が制限されているか、注文者が商品をアプリまたはWebでカートに入れたとしても[注文を確定する]ポタンが押せない仕様のようです。
- 注文者にとって理由が判然としないまま注文できないという仕組みはいかがなものかと思います。そのような事態に遭遇した顧客に再び注文に向けて行動してもらえるのかどうか、将来に向けて購買の機会を逸するような気がします。
- このような仕様も状態表示も店側へは明らかにされていなくて、釈然としません。
注文者が現金決済を希望しても叶えられない
- この地域は、UberEats の設定で現金決済ができることになっています。
現金決済には注文者に条件があって、複数回目以降の注文でないと適用できないとのことです。
(地域や条件の一般告知は見当たらないので、注文者からのクレームには直結しないかもしれません) - また、配達員の設定で、現金決済(集金)に対応するか否かの設定があるのですが、地域で対応できる配達員が少ないと、注文者が現金決済ができるかどうかに影響する可能性もあるようです。
- UberEatsに確認したところ、問い合わせ日時点でこの地域では現金決済は始まっていないとのことでした。
とすると、配達員は不要な釣り銭を持ち歩いていることになります。UberEatsでは細かい変更のアナウンスはいちいちないようなので、ある日配達に行くとそれが現金決済だったということになるのかもしれません。
【2019/08/09 追記】
経験者から聞く傾向と対策
- その方は、たぶん学生の年齢よりは上の方で、他所ですでに500件以上のUberEatsの配達を経験済みとのことでした。
- この地域は、サービス開始後、期間がごく短いので配達員が不足していて、かつアプリによる配達員割り当てにも混乱を感じるが、たぶん1~2週間で落ち着くのではないかとのことでした。
- 配達先のマップの動作について、注文者の住所の入力方法によってはナビが正しく表示されない場合があって、その場合は手打ちで再検索したり、直接電話したりしてたどり着いているとのことでした。
- ここからわかるのは、UberEatsの住所入力方法が独特で、入力中に示される候補を選択して建物名、部屋番号を補った場合は、マップどおりでOKだが、候補から選択しない(またはできない)で全部が人による入力だと、マップ上の表示精度が落ちる可能性が高いということです。
おそらくGoogleマップにとって自信を持って表示できる場所が候補として示されるのかなと推測します。
作ったのにキャンセルとか
- 上記の経験者談のとおり、たしかに混乱してます。
- 同じ地域のカレー店でのできごとです。
- 料理を完成して待ったが、配達員の手配がつかないとの理由でキャンセルされたとのことでした。そのようなことが、同一店舗で同日中に2度あったといいます。
- 注文者とはUberEatsがキャンセルの交渉を行い、作ったのに集荷されなかった料理の分の売上はUberEatsが負担して店へ支払われるとのことでした。
レストランオーナーにとって、損害がなかったとしても、作ったものが顧客に届かないというのは気の毒なことです。 - 食品ロスのことも気になります。
- サポートに問い合わせたところ、配達員が決まってから調理をはじめてもよい、ただし配達員を店頭で待たせるとそのためにキャンセルとなる可能性はある とのことでした。
けっこう、考えが雑です。到底根本的な解決に向かうとは思えません。 - キャンセルは、お金の問題だけではないことが理解されません。
調理人が料理に込めた心は行き場を失います。
逆から言えば、キャンセルを単に金銭で処理できる割り切った考えの店舗だけがこのサービスに馴染むのかもしれません。
【2019/08/12 追記】
自店配達は不可能
- こちらで記述したとおり、店舗タブレットと依頼待ちの配達員スマホが同じ(または近い)場所にある場合にはマッチングしないことがわかりました。
- 自店の配達は自店スタッフが行きたいと考えていましたが、不可能でした。
- 配達時のちょっとした顧客とのコミュニケーションが高評価やリピートにつながりやすいことが別の出前システムでの経験上わかっています。
- 店舗に専属の配達員の登録ができたらいいのにと大真面目に思いますが、意図が理解されずハナで笑われそうです。
勝手に表示される「お勧め」
- 注文者用のWebメニューで表示される「お勧め」カテゴリーは、システムが自動的に編集して表示されるとのことです。
- 「お勧め」は、店舗にとってこだわりを見せたい、何を表示するか店が当然にコントロールできるべきものですができません。
- UberEatsは、店の自主性や独自性を奪ってまで、いったい何がしたいのか、わからなくなってきました。
結論めいたこと
- 配達体験というか検証をしました。サンプル数は少ないし期間もサービス開始直後の混乱を含む時期なので、実態を忠実に反映していないかもしれませんが。
- UberEatsは、事実上、ファストフード・ファミレス系企業に重きをおいたそれらのための配達を担うサービスだということがわかりました。
- そうなら、その客層に合わせた戦略が必要となります。
店舗で提供しているメニューをそのまま箱に詰めて並べたような構成では、売れないということです。
具体的には、商品単価や見栄えをファストフード・ファミレスに寄せていくのが良いのかもしれません。つまり、大量に作り置いて温めるだけで提供できる商品とか、実質よりも見た目を優先する構成にする、などです。
UberEats では、こだわりを持ったメニューを提供しても、それが顧客まで伝わりにくいし、期待されてもいないのかなと思います。
こんな分析に基づいてメニュー提供をする店舗が増えると、メニュー全体の均質低化が進んで、注文者ユーザーにとって面白みが失われ、顧客レイヤーがますます低下固定されていくのでしょう。 - これは、店舗側、配達員側のそれぞれのリアルを体験した上での感想です。
UberEats のフィロソフィーがほんとうにダメかどうか、相対的にはそれぞれに正義がありますから、一概にはだめとは言えないのかもしれません。しかし絶対的な部分でやっぱりいただけないことは歴然とあります。たしかに、UberEatsの中の人は表面的には親切ていねいな感じがするし熱心な感じがします。社として契約や法令を遵守して運営しているとしても、その根底で良心とか心からの誠実さとかおもいやりに欠ける企業でありサービスだと感じます。
UberEatsの配達者用ガイドブックだったかメールだったかで、「店舗と配達員は互いにリスペクトしましょう、注文者へのホスピタリティも忘れないで」的なことが書かれているのを見かけたことがあります。その意味をわかっているいるのかと噴飯します。
UberEats では、配達員のことを配達パートナー、参加する飲食店のことをレストランパートナーと呼びます。そう呼んでも対等な関係であるわけがなく、内実を伴わなければ意味のないことかなと思います。 - UberEatsが目指しているであろう、サービスの均質化という点はある意味ただしいのでしょう。サービス全体ががロボット化、AI化しやすいシステム構造になっているのはその行き方と関連しているのだと思います。世界レベルで共通化することでコストの圧縮も可能です。けれどそれは今のところ、均質化といっても質の低い方に合ってしまっているという残念な状況です。特に食の分野で世界レベルでの均質化が望ましいことなのかどうかはなはだ疑問です。
- このようなサービスが繁盛するとも思えませんが、本体会社は、採算性が悪い or 十分儲けたと見れば、スパッと撤退していくことでしょう。
そうなった時、顧客は案外冷ややかかもしれませんが、残された参加店舗や配達員たちが唖然とする様子は見たくないものです。 - では、Uber社(日本でこのサービスは、UberJapan株式会社が事業主体)がこうまで雑で場当たり的なビジネスをなおもこの国で拡大しようとし続けるのか。考察を2つ挙げます。
1. ファストフード、ファミレスなどの利益確保と共有:外食市場の縮小によって薄利多売化や話題創出など迷走気味で出口が見えにくくなっているなか、少しくらい利を薄くしてでも売り抜けたいという思惑を持つマスタイプの外食業界の彼らと、リスクを最小限に利益を分かち合うためなのかもしれません。
2. UberEats の基盤構築の投資を回収するため:基盤となるシステムやアプリ、人材の開発には相当な投資があったはずです(アベンドこそしないものの内容は未完成で、改修費用もかかっているような気がします)。ランニングための定常コストも掛かります。それは、本体部分で1個なので、適用できる配達員や飲食店が多ければ多いほど分散できると考えているのでしょう。
この2点の見込みに、自らの危うさを感じないとすれば、フィロソフィーの問題どころではない気がします。
あわよくば大儲け、最悪でも一定の利潤は確保できるのでマイナスなどありえない、などと考えているのなら、ちょっと違うんじゃないかと・・・あくまでも私見による一考察ですが。
つまるところ、現状ではほぼ誰得にもならないビジネスなので、飲食店や配達者が少ないながらも利益や報酬を得たい場合は、期待や(金銭にかぎらず、時間、人的)投資を控えめにして、トラブル時のリスクを最小限にしながら割り切って参加すればいいのかな、と思います。
【2019/08/16 追記】
仕組みというかシステムとしてうまく行っていない具体例
- その地域が一斉に「注文できません」状態になったり、注文できる店が少なくなることがあります。
配達員の不足による注文規制です。特に今の時期、真夏のランチ時間には顕著です。この状態が頻発すると、正常時の注文数も減るはずです。
または、一時的に送料の設定を値上げすることも行われます。
なお、配達員の不足による注文規制の前段階では、受注したものの配達員不足によりキャンセルとなる注文もあります。これは運営の判断ミスです。
この場合、注文者からすると今まさに食べたいものを楽しみに注文したのに、待たされた挙げ句、食事が届かないという事態となります。おそらくお詫びのクーポン的なものを配って補填しているのではないかと思われます。
これは、配達員の確保のしかたや天候が要因であって、構造上避けられない問題点です。その対応は、運営側が自分の都合を貫くことによって顧客を混乱させ、店舗側の商機を失わせるものとなっています。 - 配達員として配達に行ったところ、すでに商品を受け取っているのに同じ内容の重複した配達でした。
注文者の誤操作でないかぎり、システムの誤手配です。
もし、誤発注なら誤った発注を誘発する画面になっていないか点検する必要があります。
誤手配なら、この分も、店舗には支払いが発生するはずなので、運営側の損となります。
このことに限らず、仕組みの不備は金銭で解決すればよしとする思考が透けて見えますが、元の原因を解決したほうが結果的にコストが下がるだろうに、ということがちょいちょいあります。
(続く?)
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購入金額
0円
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購入日
2019年08月04日
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購入場所
UberEats
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