7月29日 日付が替わる頃に父親を亡くしました
病院から葬儀社に遺体を運び 31日には通夜を
8月1日には 無事に葬儀を済ませることができました
満年齢では87歳でしたが 数え年では米寿となりましたので
そのお祝いも済ませたあと 安らかに息を引き取りました
父親は大学生の時に 全日本選手権を獲得
その後 ポケットビリヤードプロ一期生となり 本当に最後の最後まで玉と一緒に過ごした人
できれば、人生のすべてをともにしたビリヤード店から出棺させてやりたかった
でも 自宅で葬儀を出すことは 時代に合いません
病院から葬儀社に遺体を運ぶ時 式の設えをコーディネーターの方と相談するときに
その希望を伝えると
おそらくは父親が呼んできたのでしょうか、コーディネーターさんも玉突きがお好きな方
「私に任せてください」 との声と 玉とキューを持ってきてくださいという要望を受けました
そして
故人にも 遺族にも 参列者の方々にも 響いたはず
夕刻から始まる通夜を前に葬儀社を尋ねると このような特製のビリヤード台が完成しておりました
もちろん実際のビリヤード台とは縮尺も、ポケットの設えも違います
しかし四隅を竹で設え チーク材を模した塗装が施された筐体 ラシャが貼られた天板
まごうことなきポケットビリヤード台そのものです
ブレイクショットを撃つ位置には 故人に替わって竹が立ちます
そこから斜め下を狙うキューは 父親がポケットを撞くときに愛用していたキュー
このキューは、生前から、自分にもしものことがあったときに譲ると決めていたお客様の元に
行くことが決まっておりました
そこで棺に納めるキューには 遺影に映る父親が使っていたキューを選び
それは台の上に置きました
享年88歳の父親でしたが、遺影に選んだのは おそらく35歳前後に撮ったものです
女性の場合には、「この写真はあかんやろ」「面影ないやん」と言われてしまうかもしれませんが
普段から軽口を常としていた父親なら許してもらえるだろう
父親がプレイヤーとして 良かった時の写真で ご参列の方々に当時を偲んでいただこうと考え
選んだものです
また遺影の下にある 丸い菊は ビリヤードの玉をイメージしたものです
奥に見える焼香台は遺族向けのものです
携帯品置き場の札が見える 二連の焼香台は 参列者の方々のためのものです
順番を待って、そこに進んでいただいた時に
このようにビリヤード台が見える配置にしてくださいました
ひと晩で このビリヤード台を作ってくださった職人さんの技術にも感嘆し感謝しておりますが
なにより遺族の思いを形に昇華して
参列者の方々の気持ちを動かしてくださった葬儀プロデューサーの心意気に感謝しております
ZIGSOWのモチモノ登録として このようなものが相応しいのかとも思いましたが
京都の公益社という素晴らしい葬儀社のことを知っていただきたく
また 一生をビリヤードに捧げた男の 最後の様子も皆様に知っていただきたく思い
ご紹介させていただきました
ぜひ御覧くださいね
私は葬儀の翌日 お寺への挨拶をすませて 翌日土曜日にお店で開く 父親を送る会の準備に
取り掛かります
きっと俗物の父親は、ありがたいお経だけでなく 玉と玉がぶつかる音が聞きたいと思うんです
お別れの会では 馴染みのお客様方に 玉を撞き酒を酌み交わし 亡き父親の話をしていただきたい
人は現世で その存在を忘れられた時が 本当の終わりだと聞きました
できるだけ 父親のことを 覚えておいてほしいんです
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購入金額
0円
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購入日
2019年07月31日
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購入場所
京都公益社ブライトホール中央
タコシーさん
2019/08/02
ビリヤードが好きだったお父様が喜んでくださる
ビリヤード台だと思います
こういうお葬式もありですよね...
cybercatさん
2019/08/02
「お葬式は、亡くなられた方よりも遺族のためのもの」という見方もありますが、これなら旅立たれるお父様にも喜んでいただけたのではないでしょうか。
みっちゃんさん
2019/08/02
お父様の生前を偲ぶよい葬儀だったのではないでしょうか。御家族の想いを大切に感動を形にするプロフェッショナルですね。
北のラブリエさん
2019/08/02
こういうおくり方はとても素敵だと思います。
私も今年父を亡くしましたが、無趣味な父だったもので暇つぶしにやっていたナンクロの本を入れてやるくらいしかできませんでした。
あとは入院中に飲みたがっていた酒をあげてやるくらい。
本当に忘れないことが一番ですね。
フェレンギさん
2019/08/02
cybercatさん
みっちゃんさん
ありがとうございます 亡き父親が喜んでいると思います
土曜日は 読経の代わりに 玉の音を 四十九日の長い旅を歩く父親に届けようと思います
お通夜や本葬に来ていただけなかったお客様に それを手伝ってもらえると思ってます
フェレンギさん
2019/08/02
ありがとうございます
棺の中に愛用のキューを納めたのですが 骨を拾い上げる時に それを忘れていて
なぜ 大きなネジが 遺骨に混ざっているのか?
ひょっとして 他の方の遺骨と取り違えているのか?
でも心臓ペースメーカーのワイヤーや 腹部大動脈治療のステントは合致しているし、、
という一幕も有ったんです
因みに入院中に父親が飲みたがっていたのは コーラでした
だからお供えも 納棺の時に口元を濡らすのも コーラでした
まこりんさん
2019/08/02
良いお父様でしたね。
私の父も三年前に他界しましたが「人は現世で その存在を忘れられた時が 本当の終わり」だと思います。
毎日忘れずに思い出してあげて下さいね
フェレンギさん
2019/08/02
まさに まさに
私も 式の終わりのご挨拶で 同じことを申し上げました
どうぞ 思い出してやってください
若い頃の写真を遺影に使ったのも 「あんなんな〜」って 笑ってもらえるかも
それでも それを話題にしてくだされば と思ったんです
温かいお言葉に 感謝いたします
MAGNETさん
2019/08/02
以前フェレンギさんが「…父は毎日台に立っていた…」と仰ってましたね、お父さんは最高の人生を歩んでたと思いますよ。
フェレンギさん
2019/08/02
ありがとうございます
ひょっとしたら 退院したあと、もう玉が撞けないなら そう思っていたかもしれません
後悔の無い最後は無いかもしれませんが それが少なかったら良いな
参列者の方々のお言葉 MAGNETさんのお言葉が 私の気持ちの後支えになります
ありがとうございます
ちばとどさん
2019/08/03
想像するに、お父さまは人生をおおいに楽しまれたのではないでしょうか。
そして、こんなにすてきなフィナーレ。とても温かい気持ちになりました。
遺されたものも多いことでしょう。どうか、それを引き受けて後の方へ伝えてくださいね。
合掌
フェレンギさん
2019/08/03
温かいお言葉に 感謝いたします
今夜は、葬送を前に町衆が集って酒を酌み交わした、かつての通夜のような雰囲気で
送る会を開きます 遺体ではなく骨壷を相手にですが、生前の思い出話しを皆で楽しみたいと
思っております
思いがけない話が聞けるかもしれません
baelさん
2019/09/18
フェレンギさん
2019/09/18