"AS Enclosure S1"
かつて星野金属のスタッフが設立したAbeeが販売していたPCケースの一つです。
このケースは2005年に「世界最小ミドルタワー」と言うキーワードを引っ提げて発売しました。
今回はMicroATX用ミニタワー並の大きさにATXを押し込んでしまったこのケースのレビューをしていきたいと思います。
( 'ω')。o○︎(真面目モード疲れる…)
まさに"世界最小ミドルタワー"
このケースのキーワードは「世界最小ミドルタワー」
MicroATX用のミニタワー並の大きさと言うのは伊達ではなくマザーも電源もATX規格の物が使えるケースとは思えないほどコンパクトです。
MicroATX規格のスリムPCと比べても小ささが分かる
お馴染みのMateと比べても分かるように非常にコンパクトで大型化していく最近のミドルタワーケースとはもはや同じカテゴリーとは思えません。
同じミドルタワーでありかつての定番モデルであるfractal designのDefine R5と重ねると「これ、MicroATX専用だよね?」と笑えて来そうなくらい小さいです。
特に奥行きが下手なスリムケースよりも短いので机の上に置いても全く邪魔になりません。と言うか小さすぎて机の下に置くと逆に不便になってしまいます( ̄▽ ̄;)
ほとんど一般的なミニタワーと変わらない拡張性
圧倒的な小ささだけではなくリアの拡張スロットは5本分、5インチベイ×3、3.5インチベイ×2、3.5インチシャドウベイ×3と拡張性もしっかりと確保されています。
倒立配置なのが分かるリア
5インチベイが3つもあったり2.5インチベイが存在しない所に古さを感じますね。個人的には光学ドライブを搭載したいのでオープンベイがあると助かります(*´ω`*)
この時代のケースはオープンベイが豊富なので最近のミドルタワーよりも拡張性はあるかもしれません。シャドウベイは3つしかありませんが………
取り外せるシャドウベイ
この3.5インチシャドウベイは取り外すことができるので「俺はM.2しか使わねぇ!」と言うような最近の人でも使えます。
ただ、上の画像を見れば分かる通り3.5インチHDDを搭載するとかなり内側に飛び出すので大型のCPUクーラーとは干渉する可能性があります。メモリスロットとも被っているので……って干渉するのCPUの両側にメモリスロットがあるマザー使ってるせいじゃねぇか!
リア側にメモリスロットのない一般的なマザーボードであれば多少大きいCPUクーラーとも干渉しないと思います。まぁ、大型CPUクーラーはケースからはみ出しちゃうんですけどね。
グラフィックボードを搭載する場合も注意か必要です。いくらATXマザー/電源が搭載できるケースであっても寸法はミニタワーのそれなので今時の長いグラボは物理的に入りません( ;∀;)
グラボらめぇ!
この大きさのケースに長いグラボを入れるの自体が無謀なのですが、干渉する3.5インチベイも取り外せるのでPCIE×16が最上段にあるマザーボードと組み合わせればそこそこ長いグラボも入るかもしれません。
えっ?「素直に大きいケース買え」って?
ギッチギチの中身カタ:(ˊ◦ω◦ˋ):カタ
CPUクーラーの問題は簡易水冷を使えば回避できます(。+・`ω・´)キリッ
「長いグラボは入らない」と言っても光学ドライブの搭載位置を変えれば長さ24cmくらいまでなら搭載できるのであまり困ることはないでしょう。そもそもこの小型ケースに30cmクラスの大型グラボなんて搭載したら熱でホッカホカになってしまうので( ̄▽ ̄;)
この大きさでATX対応なら仕方ないよね?
この大きさでATXマザーと電源を搭載しつつ拡張性も確保しているので構造にはかなり無理があります。下の写真はパーツを組み込んだ姿ですが……
メモリ刺せねぇぇぇ!!
主に奥行きが短いことが原因だと思いますが、HDDとラジエターがメモリスロットに覆い被さっています。後からメモリを刺そうとすると一番ソケット寄りのスロットしか刺せません。(頑張れば他のスロットも行ける)
小型ボディの代償はこれだけではありません
SATAが((^ω^≡^ω<ギャアアアアアアア
奥行きのある電源を使うと光学ドライブと干渉してしまいます。電源だけでなくドライブも奥行きのあるBDR-S09Jを使っているのでギッチギチに……
高・級・感!
このピアノブラックのベゼルがアルミ筐体と合っていて家電のような風格が漂っています♪
しかし、これだけ接近していると電源のケーブルをやってしまいそうなので電源ユニットにマザーボード用のスペーサーを使用して外側にオフセットして使用しています。
本当は電源ユニットをオフセットさせるためのブラケットが存在するのですがこの個体には付属していませんでした(´・ω・`)
|760Pω・)チラッ<やぁ!ボクが見えるかな!
この大きさにATXを押し込むことを可能にするため、電源ユニットがマザーボードに覆いかぶさる配置になっています。この構造の代償で「電源ユニットを装着するとマザーによってはM.2にアクセスできない」というステキ仕様に…
この構造からわかるようにATX規格のマザーボードを使用した場合はPCIスロットが2本ほど使用できなくなってしまいます。それでもMicroATXであれば干渉なしで使えるので一般的なミニタワー+α程度の拡張性は確保されていますね。
この旧型ミニタワー風の筐体にX299と8コアのCore i7が入ってるなんて考える人はいないだろうと思います(;^ω^)
絶版モデルの宿命
この「AS Encloshure S1」は2005年発売と発売から14年近く経ちます。さらにAbeeのケースは肉厚なアルミを高い加工精度で加工して生み出されるいわゆる高級ケースです。
発売当時もシンプルなデザインの高級ケースはウケなかったのかあまり流通量がありません(´・ω・`)
流通量が少ない上に年数が経過しているので入手難易度は比較的高いです。まれにオークションなどで見かけますが非常に高額で出されているので易々と手は出せません( ;∀;)
こんなレアな物を譲ってくださったフォロワーさんに感謝です<(_ _)>
まさに孤高の存在
正直なところ組み込みには非常に苦労するケースです。旧型小型ケースであるがために背の高いCPUクーラーや静音性と風量に優れた140mmファンなどは使用できず、最近流行りの長いグラボも入らず、サイドパネルも透けないのでこれまた流行りのLEDなども見えません。
それでも「ATXマザーが使える」「でもデカいのは嫌だ」「フルハイトのグラボも使える(ただしショート基盤)」と言った条件を満たしているケースはほとんど存在せず今となっても競合のない「刺さる人には刺さる」ケースだと思います。
リヤに輝く「AS Encloshure S1」のバッジは世界最小ミドルタワーの証
このようにクセの強いケースですが、私の理想に限りなく近い存在です。なによりこのAbeeならではの高級感のあるデザインが最高です。
最近の自作PCの「とにかく大きく・とにかく光らせる」という流行とは真逆の「デザインと拡張性を両立しつつ小型化を実現する」と言ったこのようなケースは今後出ることはないかもしれません。
私の理想を具現化する数少ないケースなので大切に使っていきたいと思います。
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購入金額
0円
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購入日
2018年02月頃
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購入場所
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