ジャストシステムの直営ショップ、Just MyShopでは時々市場価格に比べて、かなり安いアイテムが売られることがある。そしてその一部はジャストシステムがオーダーした仕様で販売され、一太郎やジャストシステムのロゴが入れられたり、一太郎カラーの赤に染め抜かれたものが販売されたりする。
そんなオリジナル/セミオーダー品ラインアップの中で、Just MyShopが特に力を入れているのが、毎年2月に発売される「一太郎新発売記念セット」と呼ばれる「一太郎と組み合わせて販売されるPCや周辺機器群」。
2019年には話題のUMPC「GPD Pocket 2」、NVMe 超高速外付けSSD、Core i7-8700(Coffee Lake)搭載ハイパフォーマンススリムPC「J+Hyper Limited Edition」が企画され、自分もこの中からNVMe 超高速外付けSSD
同梱版を選択して購入した。
この「一太郎新発売記念セット」は、去年も東プレの新作キーボードの「REALFORCE APCモデル」をベースとした特別仕様版「REALFORCE CUSTOM Limited Edition」や、アルミ製小型キューブケースながら高い拡張性を持った「J+Cube RED Limited Edition」などが企画されていたが、毎年限定版のプレミア感に加えてベースになっている機種の選択の良さもあって、この「一太郎新発売記念セットシリーズ」はチェックする価値があるものとなっている。
そして2016年の「一太郎2016」
発売時に「一太郎新発売記念セット」として企画されたのものには、深紅の「LIVA X2 Limited Edition」などのほかに、2 in 1 タブレットPCの「Windows Tablet Limited Edition II」があった。
なんで「Ⅱ」かというと、その前年に「一太郎30周年記念 Windows Tablet Limited Edition」というものがあったから(実は名前が一緒なだけで、元となった機種も製造元も違うケド)。
「Windows Tablet Limited Edition II」はその機能強化版で、画面を8インチ⇒10.1インチ、メモリ1GB⇒2GB、ストレージ32GB⇒64GB、OSがWin8.1 with Bing⇒10 Homeとかなりスペックアップしている。特にメモリが2GBになったのは大きく、「一太郎30周年記念 Windows Tablet Limited Edition」の元となった「Geanee WDP-081-32G-81BT」でも、後期型は2GBに増強されたらしいので、ホントにギリギリだったのだと思う(32bit版Windows 10のシステム要件は以前はメモリ1GBだったが、今は2GBに訂正されていることもそれを裏付ける)。
いわゆる「Ⅰ」はメモリが1GBだったのが致命的だったが、そこは改善
モノとしては、テックウインドの10.1インチ Windows 10搭載タブレット「CLIDE W10A」の一太郎カラー特装版。
いわゆる「2 in 1」タイプで、10.1インチタブレットに専用のキーボードつきカバーがセットされている。キーボードはストローク感あって使い勝手はよいが、その分厚くて重く(カバー付けると重量が1.5倍になる)、常にカバー付けて使うならば、最近の薄型ノートPCの方が使い勝手良いカモという感じ。
カバーのキーボードは右シフトがないなど一部独自配置だが、打ちやすいストロークを持つ
本体だけだと610gだが、カバー込みだと918gとさほどに軽いわけではない。
またスペック的には、22nmプロセスルールのBay Trail-T(Bay Trail Refresh)ことAtom Z3735Fに、2GBのメモリ、ストレージは64GBとはいえeMMCなので、大した性能ではない。3D Markも一部ベンチが走らず、Fire Strikeはスコアが得られないし、Sky Diverはスコア3桁に過ぎない。ストレージ性能の方も、ランダムはメモリ系らしくソコソコ健闘しているが、シーケンシャルは最近のSATA 5400rpm HDDにも負ける感じ。
スコア的にはWindows RT版Surface 2と似たようなモン
ただ、
・フルHD(1920×1200)10.1型IPS液晶ディスプレイ⇒画面は見やすい
・Windows 10 Home⇒数多いWindows系デスクトップアプリが使用可
・フルサイズUSB2.0装備⇒多くのUSBメモリが直挿しできる
・Microsoft Office Mobile利用可能⇒Excelなどの内容確認や、ちょっとした手直しができる
という特徴があり、Excelで作成済みのファイルを更新したり、動画を落としたメインPCからUSBメモリを経由して動画を仕込み、出先で視聴したりという用途にはかなり適している。
今は出張の帰りなどに動画を見る頻度が上がったので、比較的よく電源を入れるため、Windowsやウイルス対策ソフトの更新頻度も高く、ソコソコ使い勝手がよくなったが、更新を貯めてしまうと、この機種「Windows 10を動かすのにはCPUもメモリもストレージも性能/容量的にギリギリ」なうえに「Windows 10 Proでないため、アップデートが強制的に入るが、それにかかる時間がキョーレツに長い」という問題がある。
一旦立ち上がってしまえば、VLC Media PlayerでeMMC上のmp4ファイルを再生するくらいは余裕でできるし、キーボードがあるのでWindows(Microsoftアカウントへの)ログインは楽。
でも
×そもそも電源スイッチの工作精度が悪く、きちんとオンオフできないことがある上、異常時の長押しも効かない
×更新に異常に時間がかかるので、使用予定2~3日前くらいから立ち上げて、Windows Updateをして備える必要あり
×省電力仕様が裏目に出て?、画面が落ちている省電力モードではほぼ「動いて」おらず、「バックグラウンド作業」ができないため、何か動かしているときには常に画面点灯状態を保つ必要があり
×ACアダプタのコンセント部分がたためず持ち運びに適さないうえに、差込口が独自規格で細く耐久性に不安があるのに加えて、ケーブルもガビガビで硬くて取り扱いが難しい
×LANが無線しかなく、5GHz帯はあるとはいうものの遅い
という重篤な問題がいくつもあって、「明日使いたい」⇒立ち上げてみる⇒膨大な更新がある⇒一晩たっても更新プログラムのダウンロードすら終わっておらず、結局持ち出せない...というのが何度も何度も何度も繰り返されると愛着もなくなって、2017年ごろは完全な休止機になっていた感じ。
タブレット付属ならコンセントはたためてほしいし、端子もマグネット式の方がイイナァ...
ただここ半年くらいで動画を持ち出して観る頻度が上がり、毎月起動する⇒更新が短くて済む⇒遅い本機でも半日あればアップデートが終わる⇒予定通り持ち出しができる...の好循環に入ったので、やっと当初の購入目的を満たした感じ。
ただ、電源スイッチの工作精度の悪さだけは致命的で、今でも時々立ち上がらないことがある。
やっぱり「使うのに気を使わなければならない」というのは、(人にせよ、モノにせよ)ストレスかかるよなー...
あと、この機種、ウリとして背面タッチパッドがついているのだけれど、それが上手く動かないのも評価下げたかも。「一太郎新発売記念セット」系の商品は気に入っているのが多いのだけれど、コイツは...う~~~ん....
見づらいがタブレット部裏面にタッチパッドエリアがある(白囲い部分の中の薄い四角枠)
【Windows Tablet Limited Edition II仕様】
プロセッサー:インテル Atomプロセッサー Z3735F
ディスプレイ:10.1インチ カラータッチスクリーン IPS液晶 LEDバックライト
液晶解像度:1,920×1,200ドット
タッチパネル:10点タッチ入力対応 静電容量方式
ストレージ容量:64GB
I/Oポート:カードリーダー microSD、microSDHC、microSDXC (最大128GB)
USB:microUSB2.0×1 / フルサイズUSB2.0×1(Type A)
オーディオ:マイクロホン / ヘッドフォン・3.5mm 4極コンボジャック ×1
HDMI:miniHDMI出力×1
その他 :充電用DCポート
システムメモリー:2GB(DDR3L)
無線LAN:あり(IEEE 802.11a/b/g/n準拠)
Bluetooth:あり(Bluetooth(R) 4.0) Class2
センサー:加速度センサー(3軸)、GPS
カメラ:フロントカメラ 2Mピクセル、背面カメラ 2Mピクセル
スピーカー:ステレオスピーカー内蔵
消費電力:10W(最大)
バッテリー:6,000mAh、リチウムイオン
充電時間:約5時間30分
駆動時間:約4時間(HD動画再生)
電源アダプター:入力100-240V~50/60Hz, 0.3A、出力5V,2A
OS:Windows 10 Home
タブレット本体重量:約610g
タブレット本体サイズ :257mm(幅)×171mm(高さ)×7.5mm(厚み)
梱包サイズ:308mm(幅)×220mm(高さ)×75 mm(厚み)
付属品:ACアダプター、製品マニュアル、専用日本語キーボード
その他スペック:背面タッチパッド搭載
タブレット+スタンドになるキーボード=ノートPC±α
キーボードがある便利さと、動画などを観るだけならタブレットの部分だけで軽々という、「良いとこどり」で使うなら「+α」。
ノートPCと違って、中空で画面保持できず、バランスとしても画面側が重い上に、カバー付けっぱなし運用だとむしろ分厚いので、ノートPC以下のアイテム。
タブレット主体の運用か、ノートPCライクな運用がメインかで評価は分かれるかも。
構成としては面白いが、ハードウエア的スペックはもう少し上の性能の方が良かったかな...
電源ボタン周りやACアダプタなどの「造り」が、たまらなくチャチ
電源ボタンが薄く筐体からの飛び出しも少なく、建て付けもよくないうえに、さらにストロークもわずかで「押した感」皆無であり、上手く電源ONできないこと多数。
ACアダプタは折り畳み式ではなくて、持ち出しするときにスペース取るし、ケーブルはガビカビで硬く、しなやかさが全くない。また独自規格のコネクタ部分も細くて折れそう。
2 in 1 タブレットPCのため画面側にすべてを積み込む必要があり、スペース的に厳しく、規格(設計)の要求精度が厳しめだと思われるが、それに製造能力が全然追いついていない感じ。
完調に動いていれば比較的良い
起動(ログイン)した後はタブレット部分のみを外して動画観るなどの用途には、素晴らしく使い勝手が良い。
ただクラムシェルPCとしてしか使わないなら、普通のノートPCの方が薄くて使い勝手はよいが。
またAtom Z3735Fの問題か、メモリ2GBがカセなのか、起動するまでやWindows Updateの動きが「極めて」「著しく」「筆舌に尽くしがたいほど」悪い。
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購入金額
27,459円
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購入日
2019年02月04日
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購入場所
Just MyShop
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