レビューメディア「ジグソー」

ベスト盤だが、あの有名曲は未収録

私が新作を追っている数少ないクラシック系奏者であるヴァイオリニストが、このデイヴィッド・ギャレットです。近年はクラシックというよりはクロスオーバー系の作品が主体となっていますが…。

 

彼が日本で一躍知名度を上げるきっかけとなったのは、スズキ自動車のTV-CFで使われていた「Child's Anthem」でしょう。TOTOのデビュー作(邦題「宇宙の騎士」)でオープニングを飾っていたインストゥルメンタル曲です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私自身、彼の名前はこの曲で初めて知り、すぐにこの曲を収録したアルバムを購入して、それ以来彼の作品を集めるようになりました。

 

 

 

 

彼はこの曲をはじめとして、ロック系の有名楽曲を数多くカバーしてきました。もっとも、単にロック系の楽曲をインストゥルメンタルにアレンジしてカバーすること自体は、これまでにもよくある話でした。

 

彼のカバーを含む作品群の最大の魅力は、その圧倒的なヴァイオリンの技量にあります。ヴァイオリニストの中でも現役最高峰と評されるほどの技術を持ちながらも、親しみやすい音作りで気軽に楽しめるものが多いのです。

 

 

そんなデイヴィッド・ギャレットの過去10年の活動をまとめたベスト盤が、海外でリリースされたとのことで、早速入手してみました。日本版の発売も予定されているのですが、日本盤は2月末まで待たなければいけないということで、海外リリースの「Deluxe Edition」と称する2枚組の方を購入しました。ちなみに通常版はCD1枚のみとなります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これまでの彼の作品で「Deluxe Edition」と付いたものは、DVD等の映像コンテンツが付いてきていたのですが、今回はCDがもう1枚増える形となっていて、映像の特典はありません。

 

 

更新: 2019/01/22
総評

相変わらずの完成度。新録も多く飽きさせない

まずは収録内容をご覧ください。括弧内に2018と書かれているものは新録または再録されている楽曲です。

 

 

Disc 1

 

01 Smooth Criminal (Acoustic Version 2018)
02 He's A Pirate
03 Leningrad (2018)
04 Walk This Way (Acoustic Version 2018)
05 The Show Must Go On (2018)
06 Air (Acoustic Version 2018)
07 The 5th
08 Asturias (Acoustic Version 2018)
09 Musica E' (2018)
10 Viva La Vida
11 Toccata (New Arrangement 2018)
12 Nothing Else Matter
13 Smells Like Teen Spirit
14 She's Out Of My Life (2018)
15 Summer
16 Cry Me A River
17 Kashmir
18 The Best Of Me (2018)
19 Dangerous
20 Purple Rain
21 Hey Jude (2018)

 

 

Disc 2

 

01 Bitter Sweet Symphony
02 November Rain
03 Bolero
04 Duel Guitar vs. Violin
05 Hungarian Dance No.5
06 Summertime
07 The 5th (Ben Preston Remix)
08 Little Wing
09 Zobra's Dance
10 Ain't No Sunshine
11 Ma Dove Sei (Andrea Bocelli)
12 I Have A Dream
13 Explosive
14 Por Una Cabeza (Martynas)
15 Ode To Joy (Katherine Lenkins)
16 Io Ti Penso Amore (Nicole Scherzinger)

 

 

 

というわけで、先述の「Child's Anthem」はここには収録されていないのです。日本以外では恐らくそこまでの反響は起こらなかったということなのでしょう。

 

いくつか収録曲を紹介しておきますので、お聴きいただければどのような内容かはご理解いただけるでしょう。以下はいずれも公式YouTubeチャンネルで掲載またリンクされている動画です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元ネタは有名な楽曲が多いと思いますが

 

・The Show Must Go On / Queen (映像も映画「Bohemian Rhapsody」から一部引用)

・Leningrad / Billy Joel

・Viva La Vida / Coldplay

・Kashmir / Led Zeppelin

・Dangerous / David Guetta

 

となります。勿論これら以外にもクラシック系の楽曲もきちんと含まれてはいますが、このように並べてみると、彼が様々なジャンルを満遍なく取り上げていることがおわかりいただけるかと思います。

 

彼の作品は特別に音質が良いというわけではないのですが、彼の高い技術によるのでしょう。ヴァイオリンの音色が曲によって様々な表情を見せるのです。色々なヴァイオリニストの演奏を聴いてみても、ここまで表情豊かな音色を奏でるヴァイオリニストはなかなかいません。

 

彼の演奏とアレンジにより、楽曲そのものもオリジナルとはひと味違う魅力を放つことも少なくはありません。元の楽曲が好きな人も含めて、幅広い層にお薦めできる作品ではないかと思います。

  • 購入金額

    3,101円

  • 購入日

    2019年01月09日

  • 購入場所

    HMV

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