所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。ライヴ参加。音楽が趣味で、かつて自身もバンド活動をやっていたcybercatは定期的に「投与」されていないと時に禁断症状が出てしまうこともあります。定期的に参加していたライヴが開かれないことになって、何かないかな...と探していたときに見つけた素敵な音楽をご紹介します。
ここ数年、12月~年初には少なくとも1つのライヴに参加してきたcybercat。しかしその一連のライヴの中核をなしていたFESが今年度は開かれない、ということが判明し、仕事とZIG活も忙しかったこともあり、「今年はライヴなしで年終えるのかー」と思っていたのだけれど、さすがに9月に以前一緒にバンド演ってたヤツのライヴを観てから3か月も空くと禁断症状で手の震えが..?ww
そんなワケで、遠征するのはしんどいので、近くで開催されるライヴにでも行くかな...とネタを探していた12月頭、彼女に出会った。
堀江沙知、ピアニスト。
きっかけはウユニ塩湖でピアノを弾く動画。動画サイトを巡っているときに、光溢れる美しい白と蒼の風景と、その中にくるぶしまでつかりながらピアノ(エレピ)を弾く女性プレイヤーの姿、そして耳に残る優しい旋律に心を打たれた。
そこから調べると、彼女のプロジェクト「SANOVA」が、アルバムのリリース記念に近くのライヴハウスでプレイをすることがわかり、出かけることにした。
それがかなり良かった。
チケット取得が直前だったので、入場順がかなり後で、縦長の会場の後ろの方で、完全スタンディングではあったが、堀江はじめメンバー全員が心から楽しそうに、またエネルギッシュに演奏していて、暮れの連勤に立ち向かうパワーをもらえたライヴだった。
とても気に入ったので、ライヴ会場で売られていたCDを購入して持ち帰った。
これは彼女のユニット「SANOVA」の最新作、3rdアルバムの“BLISS”。
インスト...というくくりはあるものの、エネルギッシュな曲、リリカルな曲、スリリングな曲、おおらかな曲と、とても広いジャンルにまたがっていて、ピアノ中心の楽曲を飽きさせない。
ライヴは、ドラムスに井上司(fox capture plan)を迎えて、他は堀江自身とレコーディングメンバーでもあるベーシスト、やーまんこと山根幸洋のトリオで行われたが、この3rdアルバムではドラムスは三矢真之、ヴァイオリンとヴィオラに沖増菜摘という布陣。
「Re-New」。これ、実はSANOVAにとっては結構異端の曲らしい。いわく、初めてクラビをフィーチャリングしたもので、新しい試みとか。でも一番好きな曲だったりする。スネアの位置をずらした変拍子風のファンキィなAメロから、テクニカル系インストバンドらしく?ユニゾン系キメを挟んでピアノに替わってゴージャスなテーマに切り替わる。この縦揺れから横揺れに変わる?リズムの仕掛けと、耳に残るテーマが印象的。
ハイスピードに突っ走る「二角形」は、ソリッドに空間を切り取るリズムに、ピアノの低音弦がグンと乗って、流麗なテーマを前に進ませる。スピード感と途中のブレイクに挟まれる小技が緊張感あって素晴らしい。
「SANOVAがただ2コードくりかえすだけ」はココアシガレットPことGYARI
の「abgm(ボーカロイドたちがただ2コードくりかえすだけ)」のカバー...とはいっても、A♭⇔Gmの繰り返し部分は当然踏襲しているのだが、ぶっ壊し方がステキ。途中のアドリブの部分だけ切り取って聴かされたら、「abgm」だとは気が付かないだろうなー...ただそれでももう一つのカバー曲「枯葉 ~Autumn Leaves~ (jazz standard)」よりも元曲わかるけれど。
聞けば、このライヴには200人以上の参加があったらしい。フルスタンディングでMax250の会場なのに、前方は一部席も用意されていたようなので(←動けないので確かめることもできずw)、うしろは結構ギチギチでほとんど移動はできなかったが、ちょうど段差があって高くなっているところからはさして遠くなかったので、何とかステージ上の3人は見えたし、なにより「近い」会場で、あまりMCもなく怒涛のように弾きまくられる演奏の洗礼はとても心地よかった。
終わった時には、身も心もポカポカ(物理←狭かっただけ?w)。
後方だったので、終演後の会場入り口わきで行われた即売&サイン会には比較的早めに会場脱出⇒参加できて、そこではメンバーと話をして3rdアルバムを購入し、3人からサインをいただいた↓
イノシシは「猪突猛進型ピアニスト堀江沙知」を表すトレードマーク
実はSANOVAの楽曲はiTunesのジャズチャートで1位を1か月以上キープしたり、巨大CDショップでジャズ部門セールス1位を記録したり、と識っている人は識っているラシイ←めずらしく時流乗り遅れ気味。
東京では手数姫?千里ちゃん
を迎えたライヴをやったり、埼玉の800人規模のホールで即日完売となったりしているSANOVA、今最も注目しているアーティストになってマス。
...また来てくれないかなー...
【収録曲】
1. Liberty
2. 空知らぬ雨
3. 枯葉 ~Autumn Leaves~ (jazz standard)
4. Re-New
5. Key
6. 二角形
7. the time has come
8. 鏡花水月
9. SANOVAがただ2コードくりかえすだけ
10. ひとつしかないモノ
「3rdアルバム“BLISS”ダイジェスト」
「二角形」
テクニックと歌心、その両立が良い。
インスト系でこの二つのバランスが「高いところで」とれている例は多くないが、SANOVAは見事に両立しているので、演奏好きにも楽曲好きにもアピールする。
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購入金額
2,400円
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購入日
2019年12月15日
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購入場所
伏見ライオンシアターSANOVAライヴ会場物販
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