私が普段レビューをアップしている音楽作品とは傾向がかなり違う作品ですが、たまにはこのような音楽も紹介してみることにしましょう。
クラシック音楽に疎い人でも、J.S.バッハ(ヨハン・セバスチャン・バッハ)の名前は、大抵ご存じでは無いかと思います。小中学校の音楽の授業で「バロック音楽の大家」「音楽の父」などと教えられた方も多いはずです。私自身も、クラシック分野にそれほど興味が無くてもその程度の印象は持っていますので…。
バッハは現在まで演奏されるづける名曲を数々残していますが、そのバッハの楽曲をジャズトリオ向けに大胆にアレンジして演奏した、通称「Play Bach」(プレイ・バッハ)というスタイルで有名になったピアニストが、今回取り上げるJacques Loussier(ジャック・ルーシェ)という人です。
クラシックにさほど興味が無く、ジャズも率先して聴くほどではない私が何故この人の作品を知っていたのかといえば、オーディオ趣味を始めた30年ほど前に、当時よく利用していた第一家庭電器で購入特典としていただいた24金蒸着高音質CD「デジタル・プレイ・バッハ」を聴いていたためなのです。
元々オリジナルのプレイ・バッハは1950~60年代に、初代ジャック・ルーシェ・トリオにより発表されていた作品群ですが、「デジタル・プレイ・バッハ」は1980年代半ばに第2期のジャック・ルーシェ・トリオが始動して、録音品質にこだわって新アレンジと新録音により制作された作品で、ジャズ系の音質チェックにこの盤を昔から愛用していたのです。
当然音質的に優れていたことがその理由ではあったのですが、それ以上にこの作品の内の数曲は演奏としてとても気に入っていたのです。「G線上のアリア」などはこの作品で初めてじっくり聴いた曲であり、今でも「G線上のアリア」といわれれば真っ先にこの作品の演奏が思い出されるほどです。
他にも、あまりにも有名な「トッカータとフーガ ニ短調」なども今までで最も良く聴いたのはジャック・ルーシェの演奏ですし、「平均律クラヴィア曲集 第2巻 第2番 ハ短調 BWV.871」はデイヴィッド・ギャレットの演奏でも馴染み深い曲で、昔から知っていたジャック・ルーシェの演奏との違いを楽しんでいました。
先日レコードをまとめ買いしたときに、意外と初期のプレイ・バッハのLPが安いということに気付き、取り敢えず楽曲的に判りやすそうなVol.1を買ってみたという訳です。
古さを感じる音質と若さを感じる演奏
一応180g重量盤かつDirect Metal Masteringという高音質仕様のレコードらしいのですが、元々は1959年に発表された作品であり、録音品質にはどうしても限度があります。
収録楽曲は以下の通りとなります。当然全てJ.S.バッハの曲となります。
Side A
01. Prelude No 1 In C Major
02. Fugue No 1 In C Major
03. Prelude No 2 In C Minor
04. Fugue No 2 In C Minor
Side B
01. Toccata And Fugue In D Minor
02. Prelude No 8 In D Sharp
03. Prelude No 5 In D Major
04. Fugue No 5 In D Major
さて、収録曲の中には馴染み深い「デジタル・プレイ・バッハ」と同じ楽曲も含まれているのですが、同じジャック・ルーシェによるアレンジと演奏でも、25年以上の時間が空いているということが大きいのでしょう。印象が随分違っています。
本作の方は全体的に若くて勢いのある仕上がりですが、「デジタル・プレイ・バッハ」の方は余裕や円熟味が感じられ、以前よりも洗練されていると感じられます。聴き慣れているということも大きいのかも知れませんが、私としては好みは「デジタル・プレイ・バッハ」の方でした。勿論、こちらの初期の演奏も充分に魅力はあるのですが…。
CDで改めて「デジタル・プレイ・バッハ」を聞き直そうとしたのですが、CD入れに姿が見えなくなってしまいました。仕方ないので、中古盤を先ほど手配しましたので、後日改めて聴き比べてみたいと思います。
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購入金額
1,700円
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購入日
2019年01月11日
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購入場所
HMV
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