中国在住で、中国人の配偶者を持つ日本人著者の主観ではあるものの、中国人法学者の法律見解などもあり、おおよそ事実なのではないかと考えられる一冊。日本人と中国人で見解が異なる様々なケースで、日本はスジで、中国は量で、物事を判断しているということを解説してます。面子など日本に馴染みがあるようで、あまりない概念も、スジではなく量で考えると理解できる。
例えば列への割り込み。日本では割り込み自体がスジとして良くないと考える。一方、中国では一人ぐらい増えたとろこで大差がない、仮に割り込みをして咎められたら、おそらく咎めた人は急いでいたので、その人の後ろに並べばいい、という考え方。
別の例だと、スリや万引き。日本ではスジとしてどんな量でもスリや万引きは犯罪。一方、中国では量が少なければ犯罪に該当せず。日本は犯罪ではあるが量が少なければ罰則は適用しないだけ。中国はそもそも犯罪としていない(これは実際に法学者が言っている)。
全ての中国人、全ての日本人がそのように考えているわけではないですが、大筋納得できる内容でした。
もちろん、どちらの考え方も良い点・悪い点があります。スジで考えがちな私としては、量で物事を考えるというのは、様々な場面での判断材料、または考え方として役に立つと思いました。杓子定規的な考え方で、自分自身や周りにやたら厳しい人はスジについて非常に厳密で、現実的な量について考えてみると少し柔軟になるのではないかなと思いました。
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購入金額
1,620円
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購入日
2018年12月28日
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購入場所
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