所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。グループで歌う曲をソロで歌う。一般的には魅力が減じると思われがちですが、グループの「声の屋台骨」が誰だったか、を気づかせてくれたり、いままで埋もれていたステキな声に気づかせてくれたりします。そんな発見のあった限定CDをご紹介します、Part2。
そして「芋づる式洲崎綾 Part6」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。12月といえばあやちゃんのバースデイということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲、Webラジオのイベントやそれらの関連商品まで、幅広く芋づる式にご紹介するシリーズレビューの6回目でもある。
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLSの女子大生アイドル新田美波。艦これの第六駆逐隊(暁・響・雷・電)とならんで、「あやちゃんの声」として、一番一般的認知度が高いものと思われる仕事。
元がゲームなので、あたるかどうかでその後の展開は変わる。幸いなことに、2011年末から始まったこのプロジェクトは、ゲームの展開、関連楽曲のリリース、ラジオの開始、イベントの開催などで徐々に大きくなり、2014年春にはついに単独ライヴを行えるほど「育って」きた。その時は、キャパ約2000で、あやちゃん曰く「(最後列の人も)お客さんの顔が大体みんなわかるくらい」の舞浜アンフィシアターでスタートしたCINDERELLA GIRLSのライヴも、回を重ねるごとに大きくなり、ここ数年は元祖「THE IDOLM@STER」を抜き、アイマスシリーズのメインシリーズとも言える扱いで、地方公演も行われる巨大コンテンツになってきた。特に2017年に行われた5th ライヴの「Serendipity Parade!!!」は、宮城⇒石川⇒大阪⇒静岡⇒千葉(幕張)⇒福岡⇒埼玉(SSA)と全国7か所をめぐる公演で、最終のSAA(さいたまスーパーアリーナ)は二日間で3万人を超える動員を稼ぐコンテンツとなった。
もともと音楽中心のコンテンツなので、楽曲CDやライヴ円盤(BDやDVD)の発売も多いのだが、ライヴでは「会場限定CD」なるものがリリースされている。最近デレマスでは「ユニット曲」も以前より大人数の「グループ曲」が大多数を占めるが、そのソロミックス(パート分けされていて、本来担当でないところも含めて一人で歌いきるアレンジ)を収めたCDというのが定番。
5thライヴは規模が大きかったのもあり会場限定CDも複数枚作られた。その皮切りとなったのが、ツアーの最初の3公演、宮城・石川・大阪で売られた、こちらの「会場オリジナルCD」。
「生存本能ヴァルキュリア」と「純情Midnight伝説」、「Love∞Destiny」の3曲の「M@STER VERSION(ゲーム用として作られた楽曲のフルサイズ版)」を、各歌唱ユニットのメンバー5名がソロで歌うというアレンジ。
まずユニット「アインフェリア(新田美波・鷺沢文香・橘ありす・高森藍子・相葉夕美)」による「生存本能ヴァルキュリア(M@STER VERSION)」だが、これは曲のセンターが明確な曲なので、そこを担当するあやちゃんが歌った「生存本能ヴァルキュリア(M@STER VERSION) 新田美波ソロ・リミックス」が圧倒的に有利。もともとパート分けが明確な曲なので、そこもあやちゃんの声で通されると若干の違和感はあるが、センターとして割り当てられている一番目立つパート(フレーズ)が元曲のままなので、違和感が一番ない。まあ、この勇ましい曲のソロ仕立てでは、あやちゃんの芯が柔らかいのに凛と張った声が、単独で味わえるワケでそこはマル。そしてバラしてみて声が良かったのに改めて気づいたのが、高森藍子役のねこちゃんこと金子有希。ふわっと優しげな高森藍子役なので?サビの部分は少しパワー感がないが、AメロBメロの素直ながらしっかりとボディがある声は、この曲の背骨を形成していたのに気付かされる。
つぎの曲は、向井拓海と藤本里奈、松永涼、大和亜季、木村夏樹で構成されるユニット炎陣による「純情Midnight伝説(M@STER VERSION)」。ユニット名からも、拓海や夏樹など(言葉は古いが)ツッパリ系というかヤン系というかのメンツが入っていることからも、曲としては♪仏恥義理義理(ぶつちぎりぎり)♪など族系当て漢字のフレーズなどがたくさん飛び出す、べらんめぇ調?ロカビリーチックなロックチューン。その中で注目は、松永涼役の千菅春香。過度に粋がっていなくて、芯が強く、グッと押してくる歌唱は1/5になってパワーダウンしがちなグループ曲、特にこういったロック系の曲ではソロで寂しくならなくてマル。聞けばちっすーこと千菅春香は、声優よりむしろ歌手としての方が先のような経歴。マクロスの30周年記念オーディションで、主題歌を歌うシンガー&そのキャラの声優としてグランプリをとったらしい。知らなかった声優さんだったけれど、今後注目か?
最後の曲「Love∞Destiny(M@STER VERSION)」はユニット「Masque:Rade(佐久間まゆ、北条加蓮、小日向美穂、多田李衣菜、緒方智絵里)」による、ジャズファンクテイストが強いR&B。どちらかといえば「幼め」「かわいいめ」の声質のアイドルが多く、歌う曲も1990年代のHikki(宇多田ヒカル)やMai-Kこと倉木麻衣のフォロワーがドバドバ湧いた女性アイドルユニット系統の曲。キレが良く、テンションかかった音選びが小粋なギターのカッティングはメチャクチャかっけぇ!このMasque:Rade、あまえんぼうや恥ずかしがり屋、ヤンデレちっく系などのアイドルが多いユニットだが、バラして聴くとその中では北条加蓮を演じる渕上舞(まいまい)の声が単体歌唱に耐える(あくまで他声優がヘタなのではなく、役作り的に媚びが強かったり、舌足らずに表現したりしているため)。まあ一応この曲は、まいまい演じる加蓮と牧野由依演じる佐久間まゆのダブルセンターの曲なので、当たり前ともいえるが。一方、アイドルの性格的に同傾向かと思われた青木瑠璃子演じる多田李衣菜の声は、ロック好きというキャラクターの声を、歪み系/シャウト系に表すのではなく、まっすぐに「抜ける」ように表現してあるためか、曲調的にも歌詞内容的も「重い」この曲にはイマイチ。
奇しくも3曲とも5人グループ曲のソロヴァージョンとなったが、それだけに元曲では各アイドルの単体歌唱のパートが短く、各キャラクターの特徴がうまくつかめない傾向にあるのが、バラして聴くことで、 「生存本能ヴァルキュリア」のねこちゃんや、「Love∞Destiny」のまいまいのように、曲の中では強烈な個性を感じなかったアイドルの声が浮き立ってくる。ソロ時点での声の良さと、多人数グループの中での特徴ある声と。それらはビミョーに異なっていると気づかせてくれたCDとなりました。
【収録曲】
1. 生存本能ヴァルキュリア(M@STER VERSION) 新田美波ソロ・リミックス
2. 生存本能ヴァルキュリア(M@STER VERSION) 鷺沢文香ソロ・リミックス
3. 生存本能ヴァルキュリア(M@STER VERSION) 橘ありすソロ・リミックス
4. 生存本能ヴァルキュリア(M@STER VERSION) 高森藍子ソロ・リミックス
5. 生存本能ヴァルキュリア(M@STER VERSION) 相葉夕美ソロ・リミックス
6. 純情Midnight伝説(M@STER VERSION) 向井拓海ソロ・リミックス
7. 純情Midnight伝説(M@STER VERSION) 藤本里奈ソロ・リミックス
8. 純情Midnight伝説(M@STER VERSION) 松永涼ソロ・リミックス
9. 純情Midnight伝説(M@STER VERSION) 大和亜季ソロ・リミックス
10. 純情Midnight伝説(M@STER VERSION) 木村夏樹ソロ・リミックス
11. Love∞Destiny(M@STER VERSION) 佐久間まゆソロ・リミックス
12. Love∞Destiny(M@STER VERSION) 北条加蓮ソロ・リミックス
13. Love∞Destiny(M@STER VERSION) 小日向美穂ソロ・リミックス
14. Love∞Destiny(M@STER VERSION) 多田李衣菜ソロ・リミックス
15. Love∞Destiny(M@STER VERSION) 緒方智絵里ソロ・リミックス
「5thLIVE TOUR会場限定CD ソロリミックス比較動画」
ソロも曲としてのイメージはあまり変わらない。
「生存本能ヴァルキュリア」はあやちゃん演じる新田美波がセンターであるということがはっきりしているアレンジな上に、グループ曲の一斉歌唱でも声の「芯」となることが多いあやちゃんの声質からして大きく元アレンジと印象が変わらない。そのため「意外性」は少ない。
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購入金額
5,000円
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購入日
2017年05月30日
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購入場所
メルカリ
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