PARADISE LUNCH。以前ほとんどのメンバーが入れ替わった「新生」PARADISE LUNCHの方はニューウェーヴプログレバンド
としてご紹介したが、こちらが元祖。でも新旧PARADISE LUNCHの共通点と言えば、持ち歌として本作のタイトルチューン「Gun’s & Roses」を引き継いだこととメンバー一人(A.Saxの横山知子)のみ。大多数のメンバーも曲の方向性も全然違う。
本作録音時のメンバーは東京ブラススタイル(このあたりの時代の↓)
から半数ほどのメンバーがスライドしている(名前の表記が違うのでパッと見で結びつけづらいメンツもいるが)。作品の内容的にはWOWOWで放映されたアニメ「BACCANO!」の主題歌を含むミニアルバム。「BACCANO!」は新大陸を目指す錬金術師たちの船に現れた悪魔から得た「不死の酒」を飲んだ不死者が、それを1930年代のニューヨークの裏社会で蘇らせたことでいろいろな物語が動いていく作品。チョイ古めの裏社会を描いた作品の肌触りはどことなくルパンⅢ世にも通じるものがあり、音楽もそれを反映して(エンディング曲以外は)同様にジャズテイストが感じられる曲たちだった。
そのオープニング曲、「Gun’s & Roses」。このミニアルバムには同名の曲が3回収録されているが、ミックス違いというのではなく、1曲目がサックスがメロを取るインストヴァージョン、4曲目が夏木章子がヴォーカルをとる歌入り版、5曲目がメロなしの「マイナスワントラック」。この中では1曲目がよい...というか4曲目のヴォーカル入りヴァージョンがイマイチ。歌詞にもあるので(♪ささやく/甘いフレーズ♪)そういうディレクションを受けたのかも知れないが、ブレス多めの擦過音が多い声で歌われていてちょっと趣味じゃない。1曲目のインスト版が結構好き。(い)まきこ(=かこいまきこ)のチョイ前のめりのドラミングがグイグイ来るし、横山知子と真塩智子(ましゅ)の「トモコ」コンビのサックスソロ掛け合いもノリノリ!明るいルパンⅢ世?みたいな風合いがゴキゲン。
「Never Mind」はヴォーカル曲だが、クレジットには「Featuring Vocal 星野晃代」とあるので夏木でなくきっと彼女が歌っている。こちらは声質にすこしクセがあるがパワフルな腹から出ている声で気持ちいい。曲はリズム的な引っかけとキメが気持ちいいスピード感あふれるブラスロック!!キーボードがオルガン音色っていうのが合ってる。
続く「Promised Land」も星野の歌。ラグタイム風の粘るピアノ+リズムが強調されたR&B調J-POPでやっぱりガッツリとラッパが入っていて堀口知江のギターのカッティングが気持ちいい。この曲では彼女はソロも弾いていて、結構ブルージィなフレーズなのがきちんと基礎やってるな、って感じ。
結構映像とも合っていて印象的だった曲だったが、大きく取り上げられることもなく、その後バンドはメンツの入替があり野口茜
など東京ブラススタイル系のメンツが加わっていたようだが、一度活動休止...その後突然変異のように「新生」PARADISE LUNCHとして復活する。
「新生」の方はそれはそれですごく好みだったので、それはいいンだけれど、こっちのポップジャズ路線でも少し押せたらそれはそれで面白かったかな...と思ったり。アニメ番組で創られたユニットながら、面白い足跡を残したバンド。もう一発くらい聴きたかった...というのがホンネです。
【収録曲】
1. Gun’s & Roses
2. Never Mind
3. Promised Land
4. Gun’s & Roses (Vocal Version)
5. Gun’s & Roses (Karaoke)
6. Never Mind (Karaoke)
7. Promised Land (Karaoke)
「Gun’s & Roses」
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購入金額
1,575円
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購入日
2010年頃
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購入場所
北のラブリエさん
2016/04/11
ロック者として。
cybercatさん
2016/04/11