イヤフォン用リケーブルで、いくつかある中国製格安ブランドの中で、充実した内容で定評があるのがNICEHCKというブランドです。
今まではタイムセールで安くなる、同じ格安ブランドのwooeasy製のケーブルは何本か買ったことはあったのですが、たまには少し気分を変えてみようと思い、NICEHCK製で比較的安く面白そうなこのTYB1というケーブルを買ってみました。
実売価格約3千円というケーブルではありますが、8芯の銀メッキ線を採用しています。私が今まで買ったイヤフォン用ケーブルの多くは4芯でした。本来の価格では約10倍の差がある、こちらのケーブルですら4芯でした。
さすがに同一レベルで比較できる程では無いと思うのですが、近い次元の音が出てくれるのであれば持ち歩き用に丁度良いと思ったのです。
ちなみに写真をご覧いただければ判るかも知れませんが、外観上はイメージが割と近く、とても約10倍の価格差があるような製品には見えません。まあ、これはどちらかというとSilver Galaxy Mix+の方が高く見えないだけかも知れませんが…。
価格の割りには良いが、高価な製品の良さもはっきりと判る
それでは、このケーブルに対してはややオーバークオリティーの感はあるのですが、DAPとしてAstell&Kern KANN、イヤフォンとして64AUDIO U4を組み合わせて、Silver Galaxy Mix+と聴き比べてみましょう。
外観の品質感が大差ないので、どの程度の差になるのかと疑問には思ったのですが、それは一聴しただけで明らかになりました。
Silver Galaxy Mix+の方が、音場の広さ、解像度、質感など、概ね全ての要素ではっきりとTYB1を明確に上回ってきました。
U4は基本的にははっきりとしたローブーストという性格があるのですが、Silver Galaxy Mix+と組み合わせている限りはこの分厚い低音に不快感はないのです。しかし、TYB1で鳴らすU4では、解像度が甘い低音がだらしなく垂れ流されているという印象で、U4の悪い部分だけが強調されてしまいます。例えば「Great Expectation / TOTO」などを聴いてみると、バスドラムもギターのタッチも、明瞭度がまるで違ってきます。
ハイハットの細かなニュアンスも、Silver Galaxy Mix+では明瞭に伝わってくるのですが、TYB1では何となく作り物っぽい高音が鳴っているだけになってしまうのです。
もっとも、CIEM 2pin対応の2.5mm4極バランスケーブルとして、3千円弱という価格はあまりにも安すぎるというほどの安さであり、その割に外装の安っぽさなどもさほど感じられない辺りはむしろ立派です。バランス接続のメリットで音場もアンバランスよりは明瞭かつ広めですので、このケーブルにはこのケーブルなりの価値は充分に認められることは間違いありません。
ただ、いくらスペック上の内容が充実しているからといって、遙かに上の価格帯のメジャーブランド品と対等に張り合えるほどの性能ではないということも忘れてはいけないというだけのことです。1万円以下の、所謂リケーブル入門クラスとして考えれば充分に楽しめるのは確かです。取り敢えず繋がるというだけの$10クラスのケーブルよりは、明確に音質は上回っていますので。
-
購入金額
2,850円
-
購入日
2018年08月16日
-
購入場所
Amazon
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。