最近オーディオ機器の電源回りの見直しを進めているのですが、根本的に高いケーブルは買えませんので、実売価格が安いものを買ってきて試してみるということが続いています。
今までに買った中で特に気に入っているのは、中古価格で3千円以下でありながら、使った機器全てで明確に音質を向上させてくれた、ACROTEC 6N-P4010です。
やや古い製品であることが影響しているのか、少し解像度が低くなる印象はあるのですが、低域の安定感や楽器の質感が標準添付ケーブルとは一聴して判るほどに向上して、特にアナログ系の音質を向上させることに大いに役立ってくれました。
最近電源タップ用に導入したZonotone 6N2P-3.0 Meisterもまずまずバランスは整っていて悪くないのですが、コストパフォーマンスという意味では明らかに6N-P4010の方に分があります。oyaide PA-23ZXは良くも悪くもoyaide製品という音で、響きや高域方向のクリアさは出るものの、低域方向が締まりすぎてちょっと使いにくい傾向でした。
そこでもう少し違った傾向のケーブルが欲しいと思い、以前から興味があったAudioquest製のNRG-X3を入手してみることにしました。
Audioquestはオーディオケーブルのメーカーとして、世界的に見ても最大手かつ幅広い支持を集めるメーカーでしょう。私自身、同社製のUSBケーブルは気に入って徐々にグレードアップしてきたという経緯もあります。
ただ、日本での代理店であるディーアンドエムホールディングスの方針によるものなのか、Audioquest製ケーブルの中でも、電源ケーブルだけは本来幅広く用意されているはずの製品群の中から、最も基本的なNRG-Xシリーズだけが日本に正規輸入されています。日本円で2万円前後クラスも入れてくれると面白そうなのですが…。
今回は、以前6N-P4010を購入したダイナミックオーディオ トレードセンターで、価格もほぼ同じ程度で売られていましたので、比べてみるのに丁度良いと思ったのです。
どちらかというとスピーカーで聴くと良さが判りそうな音
デザインのせいか、存在感を感じさせない外観ではあるのですが、実は太さはしっかりとあります。
導体はAudioquest製オーディオケーブルでは普及価格帯の製品でよく使われているLGC(Long-Grain Copper)です。海外で販売されている上位製品では、他のオーディオケーブルと同様に導体のグレードが上がっていきます。また、絶縁体もこの製品以外は編み上げ型となります。
プラグ部分はオーディオ用としては廉価品によく使われる程度のグレードと思われます。ホスピタルグレードの高級品というわけではありません。
さて、音質チェックは取り敢えず普段ヘッドフォンで音楽を聴く際に使っている、FOSTEX HP-A8との組み合わせで行いました。HP-A8は元々6N-P4010を組み合わせていましたので、この2つを取り替えながらの試聴となります。
6N-P4010は低域に重量感が加わり、奥行きもよく出るケーブルですが、NRG-X3は低域の量は6N-P4010よりも明確に減ります。その代わりにヴォーカルなど中心となる部分の主張が明瞭になり、音場もよく広がります。6N-P4010よりも空間が前に張り出してくるという印象なのです。スピーカーで聴く分には、NRG-X3の音の方が好印象となりそうです。ただ、今回はHP-A8がヘッドフォンアンプであるため、ヘッドフォンのSENNHEISER HD650で試聴しています。そのため、この前に出てくるという長所がさほどメリットに感じられず、逆に低域の存在感が薄れてしまう方が気になってしまいました。
とはいえ、音楽を上手く鳴らせないPA-23ZXよりは聴いていてずっと楽しいのは間違いなく、これはこれで十分に魅力のある音ということが出来ます。
今回は6N-P4010を他で使いたいという希望もあったので、HP-A8にはNRG-X3を組み合わせておくことにしました。実売3千円前後でこれだけ違いを楽しめるというのも面白いものです。
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購入金額
3,240円
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購入日
2018年05月21日
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購入場所
ダイナミックオーディオ トレードセンター
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