仕事中にずっとラウドスピーカーで音楽を楽しめる環境におりますので、なかなかイヤホンに数万円を出せずにおりました。
しかし数年前にSHUREと出会い、イヤホンリスニングの深淵の縁に立つことになりました。
その後、プレミアムレビューでWestoneのマルチBA型の高級イヤホンを知ることとなります。
ダイナミック型ユニットからは、決して得ることが出来ない解像度に驚き感動し、納得しました。
しかし、それを味わうためには数万円、時に十万円以上の出費が必要です。
と、思い込んでおりましたが
なんと3,000円以下で
BA型イヤホンの雰囲気を味わうことができる超ハイCP比の商品を見つけたんです。
サウンドピーツ社の B90
箱には ハイレゾ対応 クリスタルクリアサウンド と書かれております
その実力を探りました
もしもイヤホンにブラインドテストがあるなら、この製品に数万円出す人が居ても不思議はありません
最初に音質評価 ここにフルマークを付けました
しかし私が同じようにフルマークを付けたWestoneのW40と同等意味ではありません。
あくまでも価格を考慮してのフルマークです。
Westone社には、よりモニター色の強いUM Proシリーズがあります
それらに比べると(実際に聞いたことはありませんが)手持ちのW40は、解像度を抑えて聞きやすい音作りがなされていると想像してます。
しかし、BA型マルチユニット構成のW40は、「何も足さない・何も引かない」
録音現場のサウンドをそのまま耳腔内に届けてくれる 力を感じます。
それに対して
このサウンドピーツのB90は
「より響く」 「柔らかな」 「楽しい」 サウンドを伝えてくれました。
仕様書にもメーカーHPにも詳しい資料は見つかりませんが
おそらくダイナミック型の中低音用ユニットと、
高音部を受け持つバランスド・アーマチュア型ユニットが組み合わされていると想像します。
SHUREやWestoneが採用している細軸ではありません。
メッシュの奥に四角いユニットが見えるのですが、おそらくそれが高音用BAユニットでしょう。
アルミ製ハウジングから流れる音は 決して刺激的な成分を含まない高解像度サウンド。
肝心要の人の声の帯域に、ほぼ癖らしい癖は感じないのですが
チェロの1弦より下の帯域では、付加された響きがあります。
それが「聞きやすさ」に繋がる絶妙なさじ加減なんです。
愛用のWestone・W40が、素材を活かした薄味で色彩までも楽しむ京懐石だとします。
愛用のSHURE・215−SE(ダイナミック型)が、炭で焼いた厚切りステーキだとします。
それらに対して
サウンドピーツのB90は、腕の良い料理人が仕上げる創作料理だと思いました。
決して原音再生系ではありません。
決して大入力に対してリニアに反応する力はありません。
でもね BA型の繊細さ ダイナミック型のおおらかさを上手に纏め上げた手腕は評価に値します。
上級機に比べると高めの能率は DAP側の助けになるでしょう。
音源の粗を晒さず、ここちよさを加えつつ、それでいてHi-Fiサウンドを作り上げる。
それがこの低価格で実現しているなんて。開発費を価格に転嫁していたら、まず無理でしょう。
まだBA型に触れたことが無いという方に 強くオススメします。
WestoneやSHUREに手を出すかどうかは、それから決めてください。
改良の余地
付属のケースは携帯灰皿のような合皮製のものです。
販売価格を思うと、仕方ありませんが、それを改定してでも、
ハードケースもしくはセミハードケースを望みます。
スマホ対応のマイク付きリモコンを持つケーブルは、編み込みシース仕様で、上質です。
タッチノイズもありません。
しかしリモコンをから左右ハウジングまでのケーブルは、至って普通のゴムシース。
この部分は盛大なタッチノイズを生みます。
全てのケーブルを編み込みシースにしてほしい。
赤い矢印部分に小さく刻印される「L」と「R」 これだけが左右を示す印です。
中高年には辛い仕様でした。
非常に良い音質を持つ製品です。
上記の要望に答え
左右の確認をしやすく、分岐部以降のケーブルも編み込みシースを採用し、キャリングケースを上質なものに変更 していただければ
販売価格を1万円にまで高めても
充分、
市場は受け入れると思います。
ハイレゾ対応を喧伝する必要は無い と思う
普及価格帯ながら「ハイレゾ対応」のシンボルマークを付けて商品力を高める構図
しかし高音質イヤホンとして知られているWestone、SHURE、SENNHEISERに
ハイレゾ対応を担保する広帯域再生数値はありません。
より良い音質を求め より良いフィッティングを求め より良い遮音性を求めて交換する
イヤピースは 細軸対応の方が有利だと思います。
またリケーブルに対応するコネクタの採用も考えられます。
しかしサウンドピーツイヤホンの販売価格を考えると そこは欲張らなくても正解だと思います。
WestoneW40より明らかに高めに感じられる能率は、普及型DAPにとっては福音です。
サウンドピーツ社には
数千円代で手に入る「バランスド・アーマチュア型とダイナミック型とのハイブリッドイヤホン」であることを前面に押し出しつつ
「価格を超えた音質・音色・分解能」を持っていることをアピールしてほしい。
少なくともAmazonの販売ページには
「バランスド・アーマチュア型ユニット」を採用していることを大書するべきだと思います。
ハイレゾ=高音質とは限らない って知っているユーザーに訴えることをお知らせしたいです。
閲覧者のみなさまには
BA型は未体験という方に ぜひ気楽に試してほしい とお伝えします。
中高生が通学時に使う高音質イヤホンとして最適な選択のひとつだとお伝えします。
(数万円の製品は学校に持ち込まないほうが良いかも って思いますから)
同じく、時に酩酊して電車を利用する通勤時のイヤホンとしても オススメします。
iPodやスマホ、DAPに標準装備されているイヤホンの全てより 高音質だと
多分ですが 思います。
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購入金額
2,990円
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購入日
2018年04月08日
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購入場所
Amazon
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