以前一度掲載している製品ですが、流通等が変わったこともありますので再度紹介しておくことにします。

Acoustuneといえば、独自のミリンクスドライバーと呼ばれるダイナミック型のドライバーを搭載した1DD型イヤフォンで知られたブランドです。しかし、そのイヤフォンを活かすためのケーブルやイヤーピースなどの開発に力を入れているメーカーでもあります。

元々はJHAudio Michelle用の交換用イヤーピースを探していて行き当たったブランドなのですが、この何の変哲も無いようにしか見えないイヤーピースが。思いのほかイヤフォンの長所を損なわない良さを持っていることに気付かされ、それ以来常用するようになっていました。Michelleと組み合わせるために購入した際のレビューは以下のものです。

当時はAcoustune製イヤフォンの保守部品扱いで、eイヤホン等のごく一部の販売店のみで購入可能なイヤーピースだったのですが、その後Acoustuneの代理店がアユートとなった関係で、一般流通にも乗るようになったようです。当時と比べると入手性が向上しています。家電量販店やAmazon等でもごく普通に取り扱いがあります。

ちなみに型番の「AET」とは、Acoustune Ear-Tipsを意味しているのだそうです。アユートが取り扱うようになり、このイヤーピース単品での製品紹介も用意されたため、以前購入したときよりは開示されている情報量も増えています。

その製品紹介によると、兄弟モデルAET07と比べて「ノズル内径を狭く長めに設計。意図的に高音域を減衰させる事で、相対して低音域を押し上げる音響を実現しています」とのことですが、私の場合は元々ノズルが長めのイヤフォンに、ノズル先端とイヤーピースの出口部分を合わせるように装着するため、この説明とは異なった使用感となるわけです。この辺りは後述します。

同じアユートの取り扱いで大手イヤーピースメーカーAZLAの製品も用意されているため、最近ではAZLA SednaEarfitシリーズの方の存在感が増していますが、Acoustune製のイヤーピースはあまり特別な構造を取っているわけでは無く、ごく普通の構造を基本に忠実な形で仕上げているという印象があります。そのため、SednaEarfitシリーズと比べるとイヤフォンごとの相性が極端に出ないという美点があるように思います。

実は先日AZLAの最新イヤーピース、SednaEarfit Crystalも試聴してみたのですが、相性の良いイヤフォンとあまり良くないイヤフォンとで、印象が180度違ってしまう位の違いがありました。SednaEarfit XELASTECと比べても相性がきつく、使うイヤフォンをきっちりと決めてから買った方が良いと思いその場での購入は見送りました。結局その時に実際に購入したのが、概ね大体のイヤフォンに無難に適合するAET08となったわけです。丁度予備がなくなっていたので、その補充という意味合いでしたが…。