コンピューターの発達により、大量のデータを処理できるようになった。その結果、様々な事柄について予測や判断を計算して驚くほどの精度がでている。古くはワインの価格を方程式で推測したり、マネー・ボールの野球などもこの話に含まれる。この本ではそれを絶対計算と呼んでいる。
今でこそ、大量のラベルづけされたデータがあれば、ディープラーニングなどで分類、予測ができるのは想像できるが、この本が出た時期は第三次AIブームが始まった直後で、現在のように誰もがディープラーニングを知っている時期じゃない。実際、大量データさえあれば単純な(重)回帰計算でも驚くほどの精度が出ると本書では言っている。
多くの場合専門家より絶対計算の予測の方が精度高いらしい。ならば、「専門家が絶対計算の予測を参考にすればさらに精度が良くなるのでは?」と考えてしまいそうなところ。ところが、専門家単体よりも、専門家が絶対計算を参考にした方が良い予測結果は出るが、絶対計算よりは精度は悪いそうな・・・。ただ、専門家がいらない訳ではなく、データにどんな解釈ができるかを直感的にまず探すことは絶対計算ではでないので、専門家の直感が必要だと本書では言っている。その直感もディープラーニングのような計算の前では、もしかしたら必要なくなるかもしれないけど・・・。
意思決定は絶対計算に任せとけば確率的に良い結果になることはよくわかった。でも、感情という部分はどうしても計算できてないのかな。人間の経験による直感が絶対計算に勝てないのは、感情的に納得できる結果を求めているからかもしれない。あるいは、受動意識仮説的には、間違った結果(しか計算できない人間)でも、結果に納得できるように感情が後から補足しているのかも。
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購入金額
917円
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購入日
2017年12月13日
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購入場所
Amazon
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