iPhone付属のEarPodsと異なり、iPod touch付属のこれにはリモコン・マイク部が存在しません。

胸元部で分岐点を調整するセパレーターのみ備わります。

しかしプラグは専用品が充てがわれることなく４Pのロジウムメッキ仕様のストレートタイプ。

つや消しホワイトのゴム系被膜ケーブルは、比較的絡みにくい、絡んでもほどけやすい仕上げ。

左右のハウジングには大きめにLR表示があります。

下に見えるL表示の真下に円形のダイナミック型ユニットが1基上を向く形で収まります。

資料によると、このモデルからダイヤフラムはポリマーコーティングされたペーパーコーンに変更されているようです。　（それまでは一般的な透明樹脂製でした）

ハウジングに備わる大小2つのポートの意味するものは分かりませんでしたが、バスレフポートでないことは確かです。

人によっては、外耳の襞にすっぽり収まるので運動中にもズレないと仰ります。

しかし、それはそれこそ個人差があると思われ、私には旧型もこの形もまったくフィットしません。

私の外耳は大きい方だと思うので、Appleが作るんだから大きな西洋人向けなのか？という推論は適さないような気がしてます。

音漏れは以前のアップルの純正品より小さくなりましたが、混んでいる電車内では利用が憚られると思われます。

カナル型が好きな人は　このイヤホンの音は気に入らないと思います。

カナル型がお嫌いな方は　このイヤホンの良さを見つけることができると思います。

一般的にカナル型は外部との遮断性能が高いので、使用場所によっては危険を伴います。

しかし音漏れが無いので、込んだ電車内などでは周りに気を使わなくて済みます。

一般的にカナル型は、低音が伸びますし、サウンド全体に厚みが出ると思っております。

実際に最低域まで再現されていなくても、キツめのイヤチップを選択することで中低域を分厚く

再生しますので、ウッドベースやバスドラムの迫力を感じることができます。

しかし分解能という観点からは、カナル型でもそうでなくても　良いものとそうでないものにわかれますよね。

これまで薄めの音だな　と　半ば放置していたAppleのEarPodsですが、超絶分解能を誇る

WestoneのW40と比較してみると、

敵わないまでも価格以上の分解能が備わっていることに気付かされました。

仮にWestoneのW40が写真に近い再現能力を持っているとすると

AppleのEarPodsは、細い丸ペンで仕上げた線描画のようなイメージだと感じてます。

線画だと評したのは、演奏者の熱や想いまで伝える域には達していないから。

水墨画ではありませんが、モノクロームに近い表現だと思うんです。

モノクロというのがオーバーなら、色鉛筆で彩色したイメージ。

但しはみ出さずに綺麗に塗れてます。

アフターマーケットパーツで用意されているシリコンカバーを利用すれば、汎用性が高まるかもしれませんが　試しておりませぬ。

インナーイヤ型なので最低域への伸びは感じませんが、高域への伸びが、低域への伸びと巧みにバランスしているので、音楽全体を破綻なく楽しむことができるのかな　

そう感じてます。

比較的断線にも強いようですし、ハウジング部の接着も強固なので、日常でiPhoneやiPod touchに雑に巻きつけるような使用法でも　壊れないだろう　と思われます。

もしも付属のEarPodsを無くしたり、壊したりした時に2800円前後を用意するなら、

私なら他の製品を選ぶと思いますが、

純正のこれをずっと使い続ける方のお気持ちもよく理解出来ます。

あまり前向きな評価が出来ないので、これまでレビューとして取り上げておりませんでしたが

今回は比較対象品として利用するので　書きました。

当該製品を愛している方がおられましたら、ごめんなさい　と申し上げます。