皆さん、こんにちわorこんばんわ。
2018年、1発目のレビュー・・・何にするかかなり迷いました。
音楽プレイヤー、NVMe SSD、イヤホン、HDD etc.........
迷った末に今回は只今ツクモ各店で去年末から盛大に、かなり盛大に在庫処分をしている「東芝デバイスアンドストレージ」製の
MD03ACA300V
というHDDのレビューを行うことにしました。
自作業界では定番になっている某社の「青(旧色→緑)」や「バラク」とはそもそも何が違うのか、それをレビューしても良いんですが、それだと若干ありきたり。
そういうことで何がいいのか2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)自作PC板のストレージベンダー関連スレを片っ端から見ていくとこんな言葉が。
『(東芝HDDで)MDとMGの差って何!?』
MDが出た当時は「MDの選別品がMGじゃね?」「RVSが無い」「(両方とも音が凄いから)同じだろ」のようななんとも微妙な回答が多かったですが、MGシリーズがツクモで出回るようになってからはMDシリーズとMGシリーズの差に関する質問は沈静化。
結局、うやむやになったまま消えていきました。
そこで、今回「MDとMGの差って何か」について迫ることとしました。
Introduction ~はじめに①~
今回のMD03ACA300Vの基礎データを紹介します。
まぁ・・・ここは読まなくても構いません。
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ここからは、製品の基礎データとなります。
製品名:MD03ACA300V
ベンダー:東芝デバイスアンドストレージ
通称:SONANCE
税込価格:6,998円(GB単価:2.33円)
製造国:フィリピン
製造時期:2017年4月
ファームウェア:FL2V
リビジョン:A2
フォームファクタ:3.5インチ
接続方式:Serial-ATA3.0(=SATA6Gbps)
記憶容量:3TB
バッファサイズ:64MB
回転数:7,200rpm
データ転送速度(公称値):145MB/s
LatencyTime(回転待ち時間):4.17ms
駆動音(アイドル時・シーク時):31デシベル
データブロック長 (ディスク / ホスト):512Byte / 512Byte
記録方式:不明
プラッター枚数:4枚(800GBプラッター採用) *1
ヘッド数:8本
環境温度/湿度(使用時):0度~70度 / 5%~90%
耐衝撃性(使用時 2m/s):686m/s²(70G)
*1 プラッターの枚数・ヘッドの数についてですが「800GB/枚」であろうという意見が海外サイトでは多かったためここではそのように記載しました。
「昭和電工の750GBプラッター(第五世代)を使っているはずだ」という意見も中にはありましたがどちらにしろ4枚プラッタであることに変わりはありませんので、皆様の想像にお任せします。
MTTF:100万時間
稼働:24時間365日対応
年間ワークロード:不明
ロードアンロードサイクル:不明
エラーレート:1 per 10の14乗
RAIDアレイへの対応の有無:有り(RAID Storage Arrays for Surveillance)
日本国内代理店保証:1年間(海外では2年もしくは3年間)
以上が製品データになります。
正直言って、『今時800GBプラッタとかw』と思われるかもしれませんが枯れた技術で作ったHDDの方が長持ちします。
一時期流行ったHGSTの0S0 3361(MegaScaleDC)だけでなくSeagateの現行型EnterpriseCapacityなんかも750GB~800GBプラッタ(3TB)を採用しています。プラッタ容量が大きければ大きいほど良い!って言う人もいますが一概にそうは言い切れ無いんです。
今後はそれも片隅に入れてHDDを選択するというのもいいんじゃ無いかなと思います。
Introduction ~はじめに②~
次に、外装の紹介です。
左側・・・MD03ACA300V (Rev A2) 右側・・・MG03ACA300 (Rev A1)
外装、ラベル共に全く同じ・・・では無く、MD03ACA300Vには『3TB』『surveillance』とデカデカと入っています。それ以外に関しては全て同じです。
PCBの色合いが本当に若干??違うだけで裏側なんてパターンが全く同じなので見分けが一切付きません。
つまり、MDシリーズとMGシリーズは『ファームウェアとPCBの色以外は一切弄くっていなさそう』だと推測が出来ます。
もう一つ重要な点を。
SeagateのBarracuda 8TBモデルのプレミアムレビューでも触れましたが最近の大容量HDD(5TB以上のモデル)だとネジ穴の位置が違う!!というのがあると思います。
しかし、心配無用!!!
このモデルは従来と同じなので、古いケースでも支障をきたすことはないので使いやすいと思います。
古いケースだと、新しいネジ穴に対応していないので使い勝手が・・・ね。
左・・・Seagate ST8000DM004 右・・・東芝 MG03ACA400
見せぬなら見せてやろう(ry ① ~警告~
海外だと『MG03ACA400』などのPCB(=基板)を晒しているサイトもありますが、『MD03ACA-V』はどこにも見当たりませんでした。
そこで!!!!!!!!!!!!
今回はベンチマークはおろか、フォーマットすらかけていない新品を少々分解しようと思います。
~~~~ 危 険 Danger ~~~~
HDDはどのような形であれ分解した段階で保証はなくなりますので絶対に!!真似をしないで下さい。
また、分解したあとで使用すると最悪の場合『電気火災』が発生する可能性があります。
もしも、行いたい場合はHDDベンダーやHDD取り扱い代理店の技術者といったHDDの専門家の指示・指導の下で行って下さい。
それが出来ない場合はPCワンズのワンズチャンネル宛てに””HDDの構造が見たい、分解したHDDにOSをインストールするとどうなるか実験して下さい””と要望を送ってみてはいかがでしょうか。
通電する物は基本的に分解しない!
これが鉄則です。
マナーかつ、ルールです。
真似をしないと誓える方だけ、以下へ続いて下さい。
見せぬなら見せてやろう(ry ② ~準備~
前振りを読んでいただけましたか?
見るという事は約束を読んで守れると誓った方だと理解していますので先に進めたいと思います。
必要な物は
①、HDD(Sonance MD03ACA300V)
見る度に気になるのですが、ラベルにデカデカと
3TB surveillance
『我々はWesternDigitalやSeagateとは違うんだ!』という東芝なりのメッセージ???
②、精密ドライバ(トルクスのT5かT6)
自作erならこういうドライバセットを持ってると思いますが・・・複数持ってる方も中にはいるかもしれませんが。
③、静電気防止手袋
PCBが逝ったらそこでThe END!!!なので。しかも今年は湿度が低いのではめて作業しましょう。
見せぬなら見せてやろう(ry ③ ~MDシリーズのPCB公開~
ネジを取り外して、裏返すとこのようになっています。
このままだと分かりにくいので更にアップします。
とりあえず、この2枚目画像で解説します。
赤丸で囲んだ、直方体がRVS(回転振動センサー)だと思います。他社も同じ形ですし、同じような場所に配置しているので可能性としては大きいと思います。
この右上の小さなセンサーらしき物も振動検知用のセンサーっぽい気はするのですが・・・
ここから先はあくまで予想も含まれるので・・・話半分で見て下さい。
左側は見ての通り『バッファメモリ』、右上赤丸がたぶん『モーターコントローラー』だと思います。
ちなみにバッファメモリを作っている””Zentel””をググって見たところ
このHPに情報が載っていました。
1、ZentelはPowerchipグループの一員である
2、元国内DRAMメーカー出身のデザイナーによるDRAM設計が行われている
3、台湾本国のProduct Engineer部門に日本人を配置し日本の管理手法を導入
まぁ・・・・・ZentelもPowerchipも日本じゃほぼ聞かないベンダーなのに変わりは無いですね。単価が安いのかな?
最後にコチラ
小さいコントローラーは『加速度フィードバックコントローラー』で大きい方は『メインコントローラー』だと思います。
ちなみにメインコントローラーはMarvell製なのでこれは間違いないと思います。
【まとめ】
MD03ACA300VのPCBに実装されているパーツ
メインコントローラ:Marvell 88i9312U-TFJ2
モーターコントローラー:(文字が薄すぎて読めなかったです)
回転振動センサー:2個(3個?)
見せぬなら見せてやろう(ry ③ ~MGシリーズのPCB公開~
これはちょいググると色々なサイトでお目にかかれるのですが、日本語サイトではなかなか見ることが出来ませんので公開したいと思います。
今回はMG03ACA300(*24時間も使っていない新品同様)のPCBを見ていきます。
MD03ACA300Vと同様にトルクスドライバでネジを外します。
実装部品は変わりありません。 メインコントローラ(Marvell)、キャッシュメモリ(Zentel)も同じベンダーです。更に言うならRVSもちゃんと確認できます。
【まとめ】
MG03ACA300のPCBに実装されているパーツ
メインコントローラ:Marvell 88i9312U-TFJ2
モーターコントローラー:TexasInstruments SH6125B
回転振動センサー:2個(3個?)
最新型と比較すると劣ります
比較するのは、以前のプレミアムレビューでいただいたSeagateのST8000DM002と比較してみます。
先ずは、東芝MD03ACA300Vで比較します。
ソフトは定番の『CrystalDiskMark』『HD Tune』『ATTO Disk Benchmark』の3本を使います。
①、CrystalDiskMark
スッカラカンの状態での数値なのであくまで参考値です。 SSDと比較すると「4Kリード/ライト」が致命的に遅いですが、それでも平均的な速度は出せています。
②、HD Tune
3TBフルに使えていないのは気にしないで下さい。
赤丸で印を付けた部分ですが、多分ここが「HDDヘッドの切り替え」「プラッターの入れ替え」をしている部分じゃないかな?と思います。
とりあえず、へんな落ち込みはないようなので初期不良はなさそうです。安心安心。
③、ATTO Disk Benchmark
まぁ・・・32KB部分で読み込みが少ーし遅くなってますが、気にするレベルでも無いですね。
3種類のベンチマーク共に「メーカー公称値」を大幅に超えており、文句のない値だと思います。 アイドル時やベンチマーク時にはMGシリーズにあるような「ガリゴリ音」は殆ど無く、静かです。データを入れ込んでいけば徐々に音も大きくなっていくと思いますが、データが入っていない状態なら低速回転HDDと大差はないです。
次に、SeagateのST8000DM002の数値を見ていきます。
速度だけなら古いSSD並みの数値を叩き出しており、MD03ACA300Vとは比較になりません。
やはり、キャッシュ容量は4倍(256MB)・プラッター1枚の容量が1.33TBということでこれがベンチマークに反映されています。
しかし、MD03ACA300Vはベンチマークの速度は遅くても「RVSを搭載」しているので振動に強い設計となっています。なのでペラペラなケースでも安心して使えるでしょう。
いくら早くても、振動が原因でしょっちゅう調子が悪くなりRMAに出していては時間と労力の無駄使いですからね。
結論 MD-VとMGの差って何か?
一言で言うなら
ファームウェアの違い
これ以外に適切な単語が見当たりません。
MD03ACA300VのPCB実装部品
MG03ACA300のPCB実装部品
外見は全く同じ、PCBに実装される部品もまるっきり同じ。
そうなると、今の段階では「ファームウェアの違い」以外に何も言えません。
例えば、そのファームウェアの違いと思われるものが顕著に出るのが『ベンチマーク時の駆動音の違い』です。
MD03ACA300VだとCDMやHD Tuneなどのベンチマークソフト実行時に「ガリゴリ」と東芝独特の駆動音がほとんどしません。
逆にMGシリーズはデータが入っていようと無かろうとベンチマークソフト実行時には問答無用で「ガリゴリガリゴリガリゴリガリゴリガリゴリガリゴリガリゴリガリゴリ」と東芝独特の駆動音を全力で振りまきます。自分の寿命が縮まりそうなくらい凄い音を出します。
しかし、駆動音を除けば両モデル共に
『RVS(回転振動センサー)の搭載』
『RAIDアレイへの正式対応』
『平均故障間隔が100万時間~120万時間』
など高性能・高機能な点は共に変わりありません。
インターネットを通じた監視録画システム、NASストレージ用に東芝のMD-Vシリーズに載せ替えてみては如何でしょうか?
今ならGB容量単価が2.33円と””RAIDアレイ正式対応HDD””の中では最安ですし、音さえ我慢すれば優秀なHDDです。
是非ともこの機会に使ってみては如何でしょうか?
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購入金額
6,998円
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購入日
2018年01月13日
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購入場所
ツクモ12号店
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