最近多くなってきた「ユニバーサルIEM(UIEM)」。
これは使用者の耳型を採って制作する「カスタムIEM(CIEM)」のドライバーや制作技術を使って製作したIEM(イン・イヤー・モニター)を、イヤーピースを使うことによって万人にフィットするようにしたもの。
一般的な「イヤホン」との差は、カスタム系の余裕のあるボディを使った多ドライバー搭載(CIEMでも1ドラモデルもあるが)と、もともとプロ用機材であるCIEMのほとんどで採用されているリケーブル対応な機構。ただこのあたりも一般的なメーカー製イヤホンも複数のドライバーを積み始めているし、MMCX方式の普及でリケーブルできる機種も多くなってきたため、明確な一線を引くことが難しくなってきている。
Unique Melody MAVERICK custom
のレビューでも触れたが、特にShureのように、(上位機種は)多ドライバーで、リケーブルができ、装着方法も耳かけ式(いわゆる“Shure掛け”式)のものは、その製品ラインアップにCIEMをもたなくとも、「UIEM」と呼ばれる。
そんなCIEM系と一般イヤホン系の境目があいまいになってきたUIEM界隈で、それでもさすがCIEMをラインアップに持つブランドとして一目置かれているブランドがある。それは前述のUnique Melodyのように、UIEMを製作するときに、単純に自社既存のCIEMの先にイヤーチップ装着可能な機構をつけるといった安直なことをせず、CIEMにない機種を輸入元と一体になって提案しているようなところもあるが、CIEM界の巨頭二人が手掛ける2ブランドが最右翼。
ひとつは“Wizard”ことDr.John Moultonが率いるNoble Audioの「NOBLE UNIVERSAL FIT」シリーズ。CIEMとほぼ同等の7製品ラインアップで展開するこのシリーズは、削りだしのアルミパーツを用いたシリーズ共通したCOOLな外観と、機種ごとに設定されたフェイスプレートカラーが印象的で、見るからに製作精度が高そう。特に片側9ドライバーのフラッグシップ“KATANA(Katana Universal)”は、キレがありスピード感ある明快な音で、音だけ取れば同名のCIEM機に引けを取らない。それでいて売価として5万も(?←麻痺)安く、カスタムと違って他者の耳にも合うためリセールバリューも高いとなると、UIEMに流れる人が多いのもうなずける出来。
あと一つが、かつてShureの製品開発にかかわり、Ultimate Ears(UE)を立ち上げ、Westoneとも協業していたことがある“IEM界の神”ことJerry Harveyが率いるJerry Harvey Audio(JH Audio)の「Performance」シリーズ。今では4機種をそろえるこのシリーズは、“Lola”や“JH16”など同社の代表的なCIEMと同等の造りで、遮音性以外の性能がほぼ同じなのもかかわらず、こちらも3万前後安く提供されている。
ただJH Audioには、2017年に発表されたこの「Performance Series」に先立つUIEMのラインがあった。それが「The Siren Series」。2015年に、DAP界の雄Astell & Kernとのコラボレーションによって世に出たこの一連の作品は、2016年にハウジングの改良などを受け、「Ⅱ」にヴァージョンアップされたりもしたが、上から片耳12ドライバーの“Layla”、“Roxanne”、8ドライバーの“Angie”、“Rosie”と展開され、それらはアルミやチタンを使ったハウジングと独特の低音増強技術「Variable bass」が共通で、「神」が造ったUIEMとして高い評価を受けている。
このシリーズの末妹として2016年末に追加されたのが“Michelle”。姉たちと違って金属ボディではなく、低音増強回路の「Variable bass」も持たない片耳3ドライバーのシンプルなUIEM。造形は3Dプリンターによる樹脂製でコストダウンを図っている。
*ちなみにこの「The Siren Series」は「兄弟機」ではなく「姉妹機」。いずれも女性の名前が付けられているが、すべて印象的なロックの名曲から採られている。長姉“Layla”は言わずもがなのDerek and the Dominos(Eric Clapton)の名曲「いとしのレイラ」、“Angie”はストーンズの「悲しみのアンジー」。この末妹“Michelle”は、Guns N'Rosesの“Appetite for Destruction”
の「My Michelle」に由来。
ただそこはJH Audioが造ったイヤホン、3ドライバーとシンプルな構成ながら低域にガッツのあるこの“Michelle”は、比較的手ごろな価格(...と言っても初値約6万だが(^^ゞ)とあいまって人気が出た。
そのマイナーチェンジ版が本品、“Michelle Limited”。
“Michelle”からの変更点は、シェルの造形が3Dプリンターからモールド制作になったこと。
これにより、
・大量生産による低価格化
・フェイスプレートの意匠変更による上位機種とのデザイン共通化
・シェイプ変更によるフィッティング改善
といった変更があった。
まず価格に関しては初値約5万と「Limited」と特別版っぽい名前がついているのに「無印」より安価。これは「型」を作る必要はないが、ひとつひとつ「印刷」する必要がある3Dプリンターを使った生産から、モールド(金型)生産によって量産が可能になったことが大きい。ちなみになぜに「Limited」なのかというと、この金型が簡易金型で生産可能台数が限られているかららしい(その分金型生産にもお金がかかっていないのだろう)。
この製法変更によって、ハウジング全体を均一な素材で構成する必要がなくなり、「フェイスプレート」と「シェル」を分けることが可能になった。以前は全体がラメ入りの黒い樹脂だったのが、上位機種のようにフェイスプレートにカーボンをあしらった意匠となった。
そして一番大きいのがハウジングの形状変更。外観的にはフェイスプレート側が半月形の一般的なCIEM風だった“Michelle”から、“Michelle Limited”は他の「The Siren Series」同様カーボンフェイスプレートを楕円形で囲ったものになったので、そこが印象的には一番大きい違いなのだが、使用面では実は逆側のノズル側の変化の方が大きい。わりにハウジングから直線的に長めのノズルが立ち上がっていた無印“Michelle”に対して、ノズルの途中で角度が付いたような形状となった“Michelle Limited”。これにより装着感が大幅に改善した。長くて直線的なノズル形状のせいで、装着すると耳からエンジンの部品の「バルブ」がぴょっこり飛び出しているような感じだった「無印」から、「Limited」になって耳への収まりがかなり良くなった。
こんな“Michelle Limited”、2017年末に注目度が高いUIEMだったのだが、元々は買うつもりはなかった。ただ、行きつけのイヤホン専門店で聴いちゃったんだよねー...比較試聴したのがワンドラのUIEMだったこともあって、このイヤホンの低域の良さと音の近さにまず魅了された。また上手くはまると高域もきちんと伸びている。
実は無印の“Michelle”はとっくに試聴済みだったのだが、その時はあまり惹かれなかった。それは装着感の悪さ故。あと低域の圧に対して高域が薄すぎる印象を持っていた。「Limited」になって、そのあたりが劇的に改善していたので、それもあって思いがけなく購入したが、CIEMと違って付け外しに神経使わないので、いまでは外出時に一番持ち出しているイヤホン類の一つになっている。
そんな“Michelle Limited”、どんなイヤホンなのだろうか。
まずは外装から。
外装は左上肩に「Jerry Harvey」、右下に「Astell & Kern」と入り、コラボを主張する
両社の社名が刻まれている外装ケースをあけると、Astell & Kernのロゴ=「A」マークとJH Audioを表す「Flying Girl」マークが左右のフェイスプレート部分に刻まれているイヤホンと、やはり両社の社名が刻まれた円筒形のケースがまず見える。
取り出すと、本体(3.5mmアンバランスケーブル(3極)装着済み)とケースのほかに説明書類が同梱。
本体にはイヤーチップMと3.5mmアンバランスケーブル装着済み
ケースの中には2.5mmバランスケーブル(4極)とクリーニングツール、SとLのイヤーチップが入っている(Mは装着済み)。
2.5mmバランスケーブル以外の付属品は特に過剰というわけではない
ユニットとケーブルの接続方式は最近多くなってきたMMCX方式ではなく2pinなのが起源がCIEMメーカーのものであることの証か?(ちなみに2pinは「折れ」にさえ気をつければ、MMCXよりトラブルフリーかもしれない/極性を逆に差し込んでしまう危険性はあるが)
さすがバランス接続をここまで広めた立役者と言えるAstell & Kernのかかわった製品らしく、一般的なアンバランスケーブルのほかに、バランスケーブル(当然2.5mm4極)が付属していて購入時点でどちらにも使えるのは親切だ。
例によってミクDAP
につないでタオルに包んで段ボール箱の中に放り込み、連続再生⇒バッテリーあがり⇒充電⇒再生再開で100時間ほど寝かし、エイジングした後評価した。
実際の音の詳説に入る前にこのUIEM装着の方法について。
まずcybercatがこのイヤホン、“Michelle Limited”(「無印」の、“Michelle”含み)の世の評価を見て不思議に思ったことがある。だいたいのレビューは低音の豊かさを評価している。もともとJerry HarveyがCIEMを手掛けたのはステージ上でのモニタリングツールとして。特にコンテンポラリー系の演奏には低音域は非常に重要で、バスドラとベースが曲のテンポとタイミングを決める。騒音激しいステージ上で、指向性が弱く周りに溶け込みやすい低音をきちんとモニターするためか、それとも
Jerryの最初のCIEMがハードロックバンドのドラマー、Alex Van Halen用であったからか、JH Audioの音色傾向として低域はガッツリある。さすがに「The Siren Series」の中では末妹に当たる“Michelle”では低音増強機構である「Variable bass」は備えないし、上位機種と違って低域ドライバーもシングルだが、それでもやはり低域はきちんと響く。
一方高音に関しては「低域に埋もれる」というレビューと「若干刺さる」というレビューがある。もちろん音の感じ方は人それぞれだし、聴くジャンルによっても同じ音色で不足気味であったり過剰気味であったりするだろうが、ちょっとバラツキがありすぎる気がしたのだ。
そしてこの機種をじっくり使うことによって、そのバラツキに影響しているかも知れないことがなんとなく解った。
この機種はCIEMメーカーが造ったUIEM。形状も自分の耳型を採って作成するCIEMに比較的近い。
でもCIEMではなくて、あくまでUIEM。この2種のIEMの差は「耳に合わせてIEMが造られているものか、IEMに耳を合わせる必要があるものなのか」ということ。
CIEMを使用している人であれば、どうしてもこのUIEMをCIEMのように装着しがちだと思う。
しかしこれはあくまでUIEM。耳の方を合わせる必要がある。
cybercatの耳に合わせたCIEMとノズルの角度を合わせると2pinコネクタの位置が全然違う
JH Audioの近年のIEMには、「FreqPhase Waveguide」と呼ばれる各音域での位相を合わせる技術が組み込まれている。このためか同社のUIEMは比較的ノズルの部分が長い。このノズルの部分を耳の奥の鼓膜側に向けるかどうかで「かなり音が変わる」。低域はさほどに差がないが、高域はかなりくすんだ音色からシャリシャリするような音色まで変化する。
何度か書いているようにcybercatの耳道は下向き開口で、耳穴から前方に向かって奥に続いている。
この耳に、普通のCIEMのように“Michelle Limited”を装着すると高域が著しく減衰する。ノズルの角度が合っていないのだ。少し不格好になるが、CIEMなら耳の上部付け根、ちょうどメガネを掛けたときに「つる」が掛けられるあたりに位置するハズの2pinコネクター部をかなり耳から浮かせて、本体を頭蓋に並行でなく前が開くようにして耳道に深くねじり込むと、「劇的に」高音域が改善されることを発見した。
矢印の方向に下からねじ込むので、前から見ると側面が結構見えて不格好。
カッコぢゃないんだ!このUIEMで良い音を聴こうと思うとw
さらに、イヤーピースの付け方にもポイントが。これもドライバーユニットから出口までの導管の長さの違いによる音の時間のずれを調整して位相を合わせるという「FreqPhase Waveguide」に関係があるのかも知れないが、普通のイヤホンのようにノズルから出てきた音がイヤーピースの内側の筒状の部分を通って出て来るような「浅い」付け方ではなく、イヤーチップをグイグイ奥まで押し込んで、ノズル先端がツライチで覗くくらいまで深く入れると定位がピタッと決まってイイカンジ。チップをノズルの先に「付ける」のではなく、ノズルの先に緩衝材を「巻き付ける」ようなイメージ。そして耳道に深めに入れて、耳道奥に向けたノズル先端を動かし、一番高域が多いボイントで固定する。そうするとかなり高音の量が改善され、豊潤な低域に負けない感じになる。また「FreqPhase Waveguide」の効きが良くなるのか、定位が素晴らしく良くなる。
オイシイ装着の仕方が解ったので、曲を聴いてみた。
今回の評価は付属の2.5mmバランスケーブルを使いバランス接続で行った。DAPとしては、その素直な音色から最近のイヤホン/IEM系の評価での基準機となっているDP-X1A
と、このUIEMがAstell & Kern製品であることから、cybercatにとって初のハイレゾDAPであり、その後バランス出力追加改造を行って、今でもなおサブDAPの立場にあるAK120BM+
の2機種で行った。
例によってオーディオ系アイテムの評価では「まず聴く」ハイレゾ曲2曲を。
小編成で「近い」録音の吉田賢一ピアノトリオの“STARDUST”(24bit/96kHz/FLAC)
からの「Never Let Me Go(わたしを離さないで)」をDP-X1Aで聴くと、まず「バランス」が良い。芯のあるウッベに載せて、ピアノとドラムスがゴキゲンにスウィング。ドラムスの中で一番「立って」いるのはスネア。特にベースソロの所の滑らかなブラシと、リムを使ったツースリーの表情が豊かでノリが良い。低いベースと合わせて「腰でノる」感じ。AK120BM+では、明らかにシンバルが優勢。右chのシンバル、特にハイハットのハーフオープンとライドシンバルのレガートが強い。少ぅし刺さり気味だが、シンバルの表情が良く判る。ベースもアタックが聞こえるので、「軽い」感じは少なく、緻密に聴く感じで「頭でノる」感じ。
宇多田ヒカルの“Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1+2 HD”(24bit/96kHz/WAV⇒FLAC変換)
からヒカルが15歳の時に書いた「First Love」を。DP-X1Aではヒカルの声は深く、ギターよりは明らかに強く、しっかりと聴かせる。ベースはアタックより持続音が優勢で、ベース全体の音量バランスは大きく、グッと重心が下がり、しっとり目の曲となる。AK120BM+にDAPを替えると、イントロのギターのピッキング、ヒカルのブレス、ラストのストリングスの響きやタム回しの残響が華やか。2コーラス目からガッツリ入るベースも、アタックが強いので不足感はない。ヒカルの声はやや若くなる。
ハードめのジャパニーズフュージョン、T-SQUAREのセルフカバーアルバム“虹曲~T-SQUARE plays T&THE SQUARE SPECIAL~”
から、ベーシストでありラッパーでもあるJINOこと日野賢二をゲストに招いたファンキィな「RADIO STAR」。DP-X1Aではベースとバスドラに芯があってグルーヴィ。特にピアノソロのバックのベースの量感が凄い。AK120BM+にすると、ベースはスラップなのでアタックが強めに出るこの組み合わせでは絶対量としては少ないはずなのに存在感はある。バスドラも量よりは「キレ」。ただフロアタムのあたりの音域は十分あるので、この曲の音分布ではドラムスの重心は意外に低い。
同じ低音が「キモ」の曲でも、打ち込み系の音飽和気味の曲としては、女性声優洲崎綾(あやちゃん)の「ヴィーナスシンドローム」。
DP-X1Aではガッツのあるシンベとバスドラが一体となって低域を耳にぶち込んでくる。あやちゃんの声は少し太めになるが、芯に定位して曲をリードする。エレピ音色のシーケンスパターンが左右に駆け回るのが「ミリ単位で解る」感じが気持ちいい。AK120BM+になると、シンベよりバスドラのアタックが強めになる。ハイハットとクラッシュシンバルはキモチ刺さるが、あやちゃんの声には若さと色気があって、今まで聴いたイヤホン/IEM類とDAPの組み合わせの中では屈指の相性の良さ。
同じくあやちゃんの歌う、今度はミディアムテンポの沁みる曲「空」。これは1stファンブック
付属の特典CDより。DAPが素直なDP-X1Aだと実に良いバランス。やや低音強めのこのUIEMは、素直なDAPであるDP-X1Aと組み合わせると、シンプルなこの曲のゆったりとしたベースの上に乗るあやちゃんの声を「前」に出す。AK120BM+はギターが少し大きめで、バランス的にはもう少し下があった方が良いけれど、高域に華があって艶がある。あやちゃんの声を単体で取り出すと?こっちの方が良いかも。
今度は楽器数を大幅に増やし?オーケストラ構成の“艦隊フィルハーモニー交響楽団”(交響アクティブNEETs)
の「鉄底海峡の死闘」。まずはDP-X1A。勇壮で激しいこの曲、さすがに3ドラでは低域が震えるような迫力や低いところの分解能と言ったものはないが、低域の量はソコソコあり、まとまりよく聴かせる。AK120BM+はDP-X1Aに比べると高音優勢で、ティンパニの低音などは弱いが、中~高域が華やかなので、音の消え去り方の余韻があって「部屋が広く」感じられ、スケール感が大きい感じが曲に合っている。
ナローな音域の古典ロック、Eaglesの「Hotel California」
は、DP-X1Aではローピッチのスネアがヤヴァイ。何本も聞こえるギター(生、12弦含む)は定位がきちんと解る。AK120BM+はとにかく、とにかく12弦ギターとシンバルレガートが美しい。ピッキングの感じもリアルで、ギターを聴きたいなら圧倒的にAKだな。
AK120は本来バランス出力がない機種だが、後付けのバランス化でも“Michelle Limited”との相性が抜群の楽曲があったのが、さすがAstell & Kern製品?音色の傾向が相性が良いのかな。
cybercatとして、CIEMメーカーの手がけるUIEMとしては初の機種となった“Michelle Limited”。市場での評価も高い人気機種だが、美味しく聴くには「コツ」があるUIEMだった。
☆ポイントはノズルの方向
特に耳道が長かったり、曲がっている人は要注意。
いつも使うイヤーチップよりワンサイズ小さいチップを深めに付けて、耳道に奥深く挿し込み、高音多めの曲を流して、耳道の入り口側を支点に、ノズル先端が耳の奥で円を描くようにIEMを回して先の位置を変えつつ、一番高音が大きくなるところで固定する。
するとガッツのある低域に載った綺麗な高音が味わえるUIEMとなる。
さすがに3ドラのため、「豊潤」という程厚い低域ではないが、しっかりと腰がありグルーヴィな低音は、だいたいのコンテンポラリー系楽曲には合うバランス。CIEMほど装着に時間がかからないこともあり、最近一番良く外に連れ出しているIEM/イヤホンとなっている。
さすが「神」、最廉価のグレードでも侮れんな....
【仕様】
ユニット:バランスドアーマチュアドライバー片側3ドライバー
(High×1、Mid×1、Low×1、3ウェイ構成)
インピーダンス:18Ω
コネクター形状:カスタムIEM 2pinタイプ
成型方法:モールド
付属品:キャリングケース、3.5㎜/3極ケーブル、2.5mm/4極バランスケーブル
シリコンイヤーチップ (L・M・S)、イヤホンクリーナーブラシ
装着時のノズルの方向に神経質。
このイヤホン使うときはカッコより音と割り切る。ノズル先端を剥き出しにして、それが鼓膜に対峙するように耳道に突っ込む!このポジションが取れるか否かでこのUIEMの評価は分かれるかも知れない。
ふっと~~い!
生ギターはピッキングノイズなどより弦そのものの音、女性ヴォーカルも基音中心で、ガツンと太い。どちらかというと、ヴォーカル<楽器音という感じのバランスで、インストものやソロ部分が特にオイシイ。あとスネア!いい音だなー。
グルーヴィ。量的にも豊かだが芯がありブレない。
Heir 10.A
等と比べるとさほどモリモリではないが、芯がある低音がグンっと曲を下支えする(つか比較対象が、他メーカーとは言えフラッグシップCIEMかよってね)。特盛ではないが、多くのポップス系楽曲であれば十分濃い。それも量だけあってブロードな感じなのではなく、音の核(コア)がきちんと感じられる「締まり」もある。
広くはないが、その中での配置はきちんと解る。
近鳴り系のIEMで、ステージそのものは広くない(耳と耳の間未満で収まる)。ただ、鼓膜にノズルが正対すればどんぴしゃりの定位感で、各楽器・音源の配置がきちんと解るのでゴチャッとした感じはない。
-
購入金額
45,480円
-
購入日
2017年11月26日
-
購入場所
e☆イヤホン名古屋大須店
jive9821さん
2018/01/09
私の場合はLimitedの方が低域優勢で、音場の広さ、高域の伸び、解像度はいずれも無印が大きく上回っていました。恐らくシェル形状の違いで、ノズルが耳に入る角度に差が生じているのでしょうけれど、CIEMに近づけるために採用されているFreqPhaseがその差を大きくしてしまっているように見えるのが、なんとも皮肉なところです。
cybercatさん
2018/01/09
そういう意味でも「耳に合わせて造る」CIEMと違って、UIEMは「IEMに耳を合わせる」装着法が編み出せるか否かで評価が分かれるのでしょうね(巷のレビューが、Limitedの方が低音優勢というのはほぼ一致しているのに、高音域の評価のばらつきが酷いのはたぶんソレ)。
harmankardonさん
2018/01/09
IEMとして,JH Audioは,どうしても外せないですよね.
私も聴き比べましたが,Michelleのコスパが一番でした.
それから,イヤーピースを奥まで入れる件は,同感です.
ただ,お気に入りのスピンフィットは,残念ながら奥まで入らないんですよね.
cybercatさん
2018/01/09
コレにはSpin-Fitは合わないですね。
イヤーチップに関しては明日・明後日あたりに書きます。