レビューメディア「ジグソー」

カセットデッキでの再生に対応した、カセット型DAP

以前たまたまKickstarterでクラウドファウンディングの募集を見つけて、何となく出資してしまったのが、このMIXXTAPEです。

 

簡単に言えばカセットテープ型のDAPなのですが、ヘッドフォン出力、Bluetooth接続、カセットテープ再生という3方式の音楽再生に対応していることが大きな特徴となっています。確か6月頃に$55で申し込んでいたと思うのですが、完成が11月中であり、さらに発送先の情報に不足があるという連絡が来たため、それへの返信を待っての発送だったのでしょう。昨日ようやく手元に届きました。

 

 

 

当然ではありますが、化粧箱のようなものはなく、白箱にMIXXTAPEのロゴ入りシールが貼付されているだけです。

 

 

 

添付品は短いMicroUSBケーブルとマニュアルだけですが、本体がカセットケースに収納されている辺りはなかなか気が利いています。

 

 

 

操作パネルとディスプレイはカセットA面に当たるサイドに設けられています。電源スイッチやMicroUSB端子、ヘッドフォン端子(3.5mmステレオ)は側面となります。

 

 

 

裏面には特に何もなく、ロゴが入っているだけです。

 

 

 

 

テープ面に当たる部分には出力用のヘッドが搭載されています。丁度この辺りの構造はかつて存在したカーコネクティングアダプターとほぼ同じですね。

 

 

 

更新: 2017/12/19
総評

Bluetoothの音質はそこそこだが、ヘッドフォン端子や磁気ヘッドは簡易のもの

まだ届いたばかりで十分に使えていませんが、取り敢えずはヘッドフォン端子とBluetoothについて、音質等を確認してみました。

 

その前に、本体の詳細について、改めて公式画像で確認しておきましょう。

 

 

 

 

意外に思ったのは、ディスプレイの表示言語が思いのほか沢山用意されているということです。若干怪しい部分はあるものの、日本語での表示も問題なく可能でした。

 

ファイルはmicroSDカードに保存して読み出します。出荷状態ではサンプル楽曲が数曲入ったmicroSDHC 8GBがセットされていましたが、これは使い始める前に外してSanDisk Ultraの32GBを使っています。

 

マニュアルに対応ファイルフォーマットについて記載されていますが、そこを抜粋すると以下の通りとなっています。

 

FLAC, MP3,WMA, OGG, APE, WAV, AAC-LC,ACELP, and Audible

 

ただ、ここで各フォーマットの仕様が明示されていませんので、例えばWAVでも16bit/44.1KHzまでなのか、もう少し上の規格まで対応できているのかは厳密にはわかりません。こちらで試した限りでは24bit/88.2KHzのWAVや、320KbpsのAAC-LCでもmp4コンテナのもの(moraの非ハイレゾファイル仕様)は再生できませんでした。

 

 

さて、それでは音質評価へと戻りますが、まずヘッドフォン端子については、丁度試聴したばかりで目の前にあったBowers&Wilkins C5 Series2をそのまま使いました。

 

 

一聴して明らかなのは、さすがにきちんとしたDAPほどの音質は確保できていないということです。DAPでも極めて安価なGREENHOUSE KANAシリーズなどと比べればまだまともな音ではありますが、SONY WALKMANのNW-S14などに太刀打ちできるレベルではありません。このヘッドフォン出力は取り敢えず再生内容を確認できるという程度のものでしかないと考えて良いでしょう。

 

 

 

まあ、これは予想の範囲内だったので早々に諦め、次はBluetooth接続で試聴してみます。こちらは、SONY hear.on MDR-100ABNで試聴します。

 

 

 

すると、ごく普通のスマートフォンで使った場合と同等程度の音はきちんと出てきます。この音であれば、Bluetooth専用プレイヤーとして考えても割高感は無いと思うほどです。しかも、BluetoothであればMDR-100ABNから基本操作ができるため、いちいち本体を取り出してボタンを押す必要が無いという利点もあります。

 

そして、注目のカセットデッキ再生時についてですが、これはまだ確認していません。というのも、我が家で現在動作状態のまま置かれているカセットデッキは以下の2台です。

 

 

この2台はいずれもAMTSという、カセットをがっちりと押さえ込む機構を備えているため、操作パネル部を強い圧力で押し続けてしまう可能性があり、気軽に試せる状況では無いのです。

 

(2017/12/17追記)

 

カーオーディオのカセットデッキと、Victor TD-V711での検証を行いましたので追記します。

 

まず、カーオーディオについてですが、試したのはトヨタ・プログレ NC250 平成18年式のカセットデッキです。結論から言うと、このデッキではMIXXTAPEは使えませんでした。

 

実はこのデッキはカセット型のカーコネクティングアダプターとの相性も厳しく、現在使っているSONY製のアダプターは何とか使えるものの、他社製の同様のアダプターではアダプターを挿入してもテープがセットされていると認識されず、再生できずに吐き出されてしまうのです。MIXXTAPEの場合もこれと同様の挙動となってしまい、音を聴くまでには至りませんでした。実はMIXXTAPEはこの用途で使おうと思っていただけに、これで使えないとなると評価は辛くならざるを得ません。

 

そこで出力がキチンとされているかを検証する意味で、日本ビクター(現JVCケンウッド)製3ヘッドカセットデッキ、TD-V711で使ってみました。

 

 

こちらは一応正常に出力されていることは確認できました。ただ、オートテープセレクターの検出装置に中途半端に干渉するらしく、ディスプレイの表示が「NORMAL」と「METAL」で頻繁に変わってしまいます。

 

そして音質の方ですが、低域方向がスカスカで、お世辞にも良いとはいえません。音質でもSONY製のカーコネクティングアダプターの方が数段上といってしまって差し支えありません。

 

 

Bluetoothでトヨタ・SAIのAVNに接続してみると、接続性に問題は無く(Astell&Kernの古い機種などは接続に必ず失敗します)、ある程度まともな音は出てきますので、Bluetooth出力専用DAPとして考えておく方が良さそうな製品です。

  • 購入金額

    6,000円

  • 購入日

    2017年12月15日

  • 購入場所

    Kickstarter

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