所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。作品のキャラクターソングCD。人気のある大がかりな作品ではキャラクターごとに発売されたりもしますが、多くはキャラソン集という形でまとめられます。主要登場人物それぞれのキャラに合わせた形で演者が表現するキャラソン集は、通常TVなどの作中で使われる曲とは目先が変わって、バラエティにあふれておりたのしいものです。そんな「いろいろな曲が楽しめる」という部分に魅力があるキャラソン集を、あえて主人公抜きで、関連のある立場の異なる世代のキャラクター3人だけを抜き出して作成したキャラソン集がありますのでご紹介します。

「芋づる式洲崎綾 Part5」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾（あやちゃん／ぺっちゃん／あやっぺ）関連。12月といえば恒例のイベント月ということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の直接参加した作品や楽曲、ラジオCDなどから、参加作品の主題歌や演じたキャラクターのグッズ、イベントグッズなどの関連商品まで芋づる式にご紹介するシリーズレビューの5回目。

世界観が先の2枚で出来上がった「魔法少女OverAge」

だが、それを増強する増補盤。

「魔法少女OverAge」、物語なので登場するキャラには大人たちもいれば自分より若い人物もいる。物語の中での世代（というほど離れていないが）が違う3人がフィーチャリングされた作品。

その3世代とは主人公伊藤ましろと同学年の高校一年生と、現役の魔法少女世代である中学一年生、彼女たち魔法少女の上官である航空防衛隊に勤務する社会人世代。

それぞれルミ☆クラの「シャイニングチェリー」こと桐野さくら＝あやちゃん、ソルシエール・リュミエールの「ノワール・フィデル（黒い忠節）」こと黒田はがね役の徳井青空（そらまる）、酒井冴子一等空尉役の井上喜久子（お姉ちゃん）の3人。

CDはこの3人それぞれのキャラソン、3人の中の二人がペアとなったドラマパート、3人それぞれのフリートークという構成になっている。

まず歌だが、あやちゃんの「from the cage」から幕を開ける。この曲、好き！まさに戦隊もの系の緊迫感ある曲で、魔法少女モノにはチト重いが、戦闘が激化する2クール目以降の主題歌なら十分アリ？あやちゃんはさくらのキャラに寄せていて、バトルガールハイスクールのみき系の「女の子っぽい凛々しさ」がよく出ている。もともと彼女はデレマスの新田美波で歌う「ヴィーナスシンドローム」

や「生存本能ヴァルキュリア」

で、戦隊モノ、あるいは仮面ライダー主題歌風の凛々しい感じの「カッコいい系」楽曲が得意なのはよく知られているが、ああいった深く芯の通った「女性」の声ではなく丸めの活発な女の子っぽい声でもこの手の曲、イケる。まさにバトガの「belive」

の方向性の曲でかなりアゲる。エレキギターのソロもカッコいい！

続く「heart of blade」は、魔法少女なのに忍者に傾倒して視聴者から批判を浴びているという設定の黒田はがねのキャラソン。そらまるが良く前に出た抜ける声で歯切れよく歌うが、琴の音のアルペジオと、尺八のオブリが入っているのでww 歌はカッコいいンだけれど、魔法少女モノぢゃねえよw

「魔法と雨のメモワール」は酒井冴子一等空尉をお姉ちゃんこと‘永遠の十七歳’井上喜久子が表現。曲は完全昭和楽曲。エレキギター音のキーボードソロ（奏法的にたぶん、そう）がすごくイイカンジ（懐メロ的なセンスも含め）。お姉ちゃんは大人の魅力ぷんぷんの歌唱で聴かせる。

ドラマパートはそれぞれ面白い。

あやちゃんとそらまるの掛け合いは、そらまるの演じる黒田はがねが魔法少女なのに忍者装束をまとっていることへのツッコミが中心。後輩魔法少女のはがねが「魔法少女は忍者」であると強弁する。心から仕える主を探すはがねが、護るべきものとして選んだのは．．．？

あやちゃんとお姉ちゃんの漫才パートは結構面白…かなり面白い。冴子に呼び出されたさくらは以下のことを告げられる。ルミ☆クラがレギュラーの魔法少女番組とは別にTV放映されることになったが、作戦上どうしても必要なもの＝テーマソングが足りていない。ただし、レギュラーの魔法少女番組とは別に深夜枠で放送するイレギュラーな番組は前例がなく、予算もない．．．と。そこで、さくらが命じられたのが主題歌作成。曰く、「夢と希望に溢れ、テンポが速く、メロディはキャッチーで視聴者にも歌いやすく、90秒サイズでの使用に適し、番組に出資するスポンサーがカラオケで気分良く歌える主題歌が！」必要だと立て板に水でまくしたてられ、無理矢理作らされることにw．．．ちなみにこの話は後の伏線。

そらまるとお姉ちゃんのトークは、はがねたちソルシエール・リュミエール世代がルミ☆クラ世代とは別の意味で問題児揃いでイロイロ注意とグチをはがねにする冴子。ストレスで倒れた前任者にかわり、結局はがね達の面倒も見ることになった冴子が命じたのが、さくらたちとコンペ形式でルミ☆クラ新番組の主題歌を作ることw．．．．これも後の伏線となる．．．

3曲＋ドラマ3本＋3者のコメントという造りで、さほど大盛りではない内容だが、楽曲のレベルがいずれも高く（3曲中2曲が沙Pこと砂守岳央の作曲、残りが沙Pと同サークルの吉田和人作曲）、「同人CD」のラストを飾るにふさわしい。

魔法少女3世代。右から冴子、さくら、はがね。

いわゆるアタリ？

【収録曲】
1. from the cage：桐野さくら（CV洲崎綾）
2. heart of blade：黒田はがね（CV徳井青空）
3. 魔法と雨のメモワール：酒井冴子（CV井上喜久子）
4. 黒田はがね、推参でござる!
　ドラマパート：洲崎綾・徳井青空
5. 主題歌制作指令
　ドラマパート：洲崎綾・井上喜久子
6. 冴子さんはまだピッチピチでヤングでゲキマブなのです
　ドラマパート：徳井青空・井上喜久子
7. フリートーク：洲崎綾
8. フリートーク：徳井青空
9. フリートーク：井上喜久子