所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。「歌ってみた」。動画投稿サイトでかなりの勢力を持つジャンルです。一般的なJ-POPなどもその対象になりますが、その一番の対象はボカロ曲です。温かさや性を感じさせることが少ないボーカロイドに代わってそれらを表現したり、アプリならではのムリ目の音程・抑揚・スピードを人で無理やり再現したりと挑戦しがいのあるジャンルだからでしょうか。そんなボカロ曲を出したP監修で同じ曲を声優たちが歌った公式「歌ってみた」CDをご紹介します。
「芋づる式洲崎綾 Part5」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。12月といえば恒例のイベント月ということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の直接参加した作品や楽曲、ラジオCDなどから、参加作品の主題歌や演じたキャラクターのグッズ、イベントグッズなどの関連商品まで芋づる式にご紹介するシリーズレビューの5回目。
あやちゃんが参加した同人作品「魔法少女OverAge」の最初の作品、“仮想:主題歌集”。
あやちゃんたち声優陣が演じたドラマパートの出来がすごく良かったのだけれど、作品自体は「歌集」とはなっていて、歌が「主」の扱い。それらの曲はこのプロジェクトを始めた沙Pこと砂守岳央だけでなく、みきとPや164など人気ボカロPが曲を提供しただけあって、ボーカロイドの良さを上手く引き出した楽曲たちだった。けれども、一部は「人」の方が映えるんじゃね?というモノがあったのも事実。
そこで?“仮想:主題歌集”の曲全て(+1曲)を、そのドラマバートで魔法少女たちを演じた声優たちが「歌ってみた」のが本作、“歌唱:主題歌集”。
人ならではの表現力の深さでより良くなった曲もあれば、ひとと機械(ボカロ)で違った方向の良さを再確認できたものもある。
まず、あやちゃん歌唱の「テクスト≫オーバー」。魔法少女モノというにはややJ-POP系だが、ブツ切りにしたような音加工もスピード感出している。ましろとさくらの出逢いを歌い、ルミ☆クラのみんな(くれな、なつみ、ゆかり、そらの)の名前も歌詞に織り込まれている(♪紅にとけてく♪、♪ゆれてる夏蜜柑♪、♪夢幻<レーヴ>の理縁<ゆかり>♪、♪高い高い高い空の青♪)。砂守の創った曲だけありテーマ的にはまさに「主題歌」。ボカロでも大きな破綻はなかったのだけれど、さすがにこの切ない感じは人じゃないと出ないかな。あやちゃんはさくらで表現しているキャラ声ではない本気歌唱なのでとても曲自体の質が上がっている。
ハイスピード系ボカロ曲である「アンチエイザー」は歌上手いまいまい(渕上舞)の歌唱で、スピード感ありつつ破綻なく進んでいるのだが、小節頭の音符が高いAメロと2番目の音が高いサビという音程的落差があるメロディが人向きと言うよりボカロ向き。キー的にもまいまいには全音分「高い」感じでマッチングはイマイチ。ザンネン。
「Reason of birth」は花澤香菜の歌。この曲は人の圧勝。どうしても単調になり、ちょっと鼻声調になるボカロの声質に比べると、甘くて透き通った花澤の声の方が全然イイ!ダブリングで歌っているサビも、機械的にデチューンされたボカロの声に比べるとその揺らぎが心地よい。
ラストの「P.O.N.C.H.A.N」は柿原徹也が♪許される年は/中学生まで/高校生以上は/BBAなんです♪と歌う青年の主張的?セクハラソングw♪ぽんちゃんをこれからも/よろしくね!/ほら、うずめてくれ、その豊満な胸に...♪ってオイ!w
元々ボカロ用に創られた曲のため、一部の曲は人の良さがボカロの良さと方向性が違って元曲の良いところを削ってしまっているようなものもあるけれど、人ならではの表現力が曲の魅力を飛躍的に上げている曲もある。
なにより魔法少女番組の主題歌はひとが歌うしねっ!
【収録曲】
1. テクスト≫オーバー:桐野さくら(CV洲崎綾)
2. 異世界ノットパンピー:島津くれな(CV種田梨沙)
3. ふつーの魔法少女でごめんなさい。:三好なつみ(CV久野美咲)
4. アンチエイザー:桂ゆかり(CV渕上舞)
5. ひかりのさきへ:久坂そらの(CV飯田里穂)
6. Reason of birth:伊藤ましろ(CV花澤香菜)
7. P.O.N.C.H.A.N:ぽんすけ(CV柿原徹也)
「テクスト≫オーバー」
洲崎綾の素に近い歌声が聴ける
このシリーズの後の作品でも歌っているが、そちらはキャラソンに近く、ドラマパートのさくらの要素が前に出た声音。この盤では‘仮想:主題歌集’の楽曲を「洲崎綾」として歌っており、あやちゃんの素に近い歌声を堪能できる(SEASIDE LIVE FES-除く2016年-での楽曲の歌唱に近い)。
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購入金額
270円
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購入日
2017年05月18日
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購入場所
駿河屋
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