M.2 SSD 用に購入したヒートシンク。長尾製作所の SS-M2S-HS01 というもののようです。
パッケージに「熱伝導率 5.2 W/m・K」の記述があり、最初ヒートシンク側の性能かと思ったら、シリコンパッドの方の性能のようです。熱伝導率が良いとされるアルミニウムが約 6 W/m・K でそれに近いカタログスペックになるので、そこそこ良い性能ですね。
慣れてくるとスマホとかUSBメモリとか熱暴走気味のガジェットを前にすると「なんでもかんでもヒートシンクを付ければ快適になるんじゃね?」と考えられるようになるくらいヒートシンク脳になるので、まだヒートシンクを体感してない人は、ぜひなんか買ってみて熱がどれだけ端末の邪魔をしているかを知った方が良いと思います。
表裏で違う企業名が書かれているのでどういうことかと混乱するのですが、シリコンパッドが同梱されていて、そちらの企業名も書かれているようです。
この製品は数年前に売れまくったと思うのですが、このシリコンパッドが評価されてだと思います。
簡易的なマニュアルも同梱されており、初めての人でもなんとなく分かります。
下にあるオレンジ色のシートは、耐熱テープでヒートシンクを M.2 SSD に縛り付けるのに使います。シリコンパッドを間に挟んだらくっついたので、僕は使いませんでした。
こんな感じにぺったり貼ります。
角の方がめくれた感じでピンとくると思うのですが、実は一回貼った後に位置が気に入らなくて貼りなおしたらめきょっとズレて破れました。シリコンのところは見た目的にはもっと強度がありそうだったのですが、実際にはめちゃくちゃ柔らかくてすぐ破れるほどデリケートです。
なんとなくそのへんの両面テープで代用しそうですが、熱源とヒートシンクを繋ぐ部分が一番大事。
本来は添付されている耐熱テープをぐるぐると回して貼り付けて固定するらしいのですが、くっつけたら意外に粘着力良く貼りついたので、テープを使いませんでした。あと、提供してもらった SSD なので、レビューを書いた後で返せと言われたら困るなぁと思ったこともあります。
このシリコンパッドの性能が高いのかもしれないのですが、どちらかというと SSD の方のチップに凹凸が無いので、シリコンパッドからの吸熱性が高く、良い感じにヒートシンクに熱を移動させられていると思います。そういえば隣の開発部の人も「熱伝導には面積が大事」と言ってました。勉強になるなぁ。
このヒートシンク、コの字形なのが気になっていたのですが…。
端にある丸い穴とかなんのために開いてるか分からなかったのですが、これ小型の冷却ファンを取り付ける穴なんですね!
別グレードの商品の写真でファンが付いてるのみて納得しました。
ヒートシンクで面積が大事なら、より面積のある剣山型の方が性能が良いのですが、エアフローがちゃんとした筐体内だと剣山が空気の流れを邪魔してしまうことになり、冷却効率が落ちることになります。そういう場合にこのような平版が良いです。
冷却用の風が剣山にあたる方が冷えるだろ! と考えた時期が僕にもありました。
しかし現実にプロダクトの流体解析(F1とか車のシャーシの空力をシミュレートするアレ)など目にする機会があると、そういう自分の思い込みが間違いであったことにようやく気付きます。
熱抵抗値を見る
このパッケージでは「熱伝導率」が大きく書かれており、僕も目がいっていたのですが、開発部の人に言わせるとヒートシンクの性能は普通は「熱抵抗値」を見るのだそうです。
また、放熱の性能に気を取られすぎですが、実際には熱くなる SSD から熱を吸い出す「吸熱性能」も気にする必要があり、相反する性能を考えないといけないというところも面白いですね。
こういうマテリアルで考えるというのもプロダクトデザインの楽しいところ。
剣山型ヒートシンクと比較すると面積では負けますが、エアフローを邪魔するボトルネックがないため風量を主体とする空冷では効果も高いデザインといえます。ヒートシンクの方は技術的なものがあまり見られず、ユニークなものはシートの方だと思います。
手間は皆無
貼って終わり、とくに触るところはありません。
市場で販売される製品としてのコスパ
大量生産できる形状でコストダウンが見込めそうですが、2社がそれぞれ粗利をとるため価格は高めに設定されていますね。
コストを考えなければもっと良い素材はあるのですが、安く入手できるものを考えると現実的な落としどころだと思います。
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購入金額
1,630円
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購入日
2023年01月03日
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購入場所
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