MISIA。国外でも人気の高いSOUL DIVA。その広い音域と続く声、表情豊かな感情表現によって、最近はすっかり「バラードの女王」として定着しているが、かつてはかなりダンサブルなビートの効いた曲も多かった。しかしそれは最初からその分野が彼女の内にあったわけではなかった。
以前「MISIA屈指の攻撃的シングル」として11thシングル“BACK BLOCKS”
を紹介したが、それへの足かがりが実は本作“Escape”。“BACK BLOCKS”の収録曲の作曲者、SAKOSHIN($AKOSHIN)との初コラボは5thシングルの本作。それまでソウル系の曲はあったが、デジタルで攻撃的なHipHop系というMISIAの指向性の一つはここから始まった。
その「Escape」。スクラッチの無機質な感じとMISIAの超高域シャウト、オンビートのときは乾いて硬めのダンサブルなビートで、ビートがオフるとホラー映画かSFかといった感じの低音マシマシの不気味な音で満たされる落差。デジタルでダークで、キレの良い楽曲とDJのスクラッチやサンプリングのコラボ。今までになくソリッドでHipHopな楽曲に、MISIAの高低差が大きく、緩急・強弱豊かな声が乗る。その落差が一時期彼女の代表的なカラーの一つになったくらい。
「Change for good」はちょっとコミカルな感じのシンセ音が降りてくるところから始まる。リズムが変わっていて、音符が多いところと過疎な部分が小節ごとに切り替わるような造り。そしてリズムが立っているところの歯切れがよい歌唱とオフる時の粘りのある声の落差。基本この曲も踊れる曲で、リズムがオフるところはポーズの「キメ」のところかな、という造り。踊れることを前提に創っている曲で、今までにはあまりないタイプの曲。
そしてこのCDもCD-Extra仕様で1本の動画が入っている。Blu-rayもCDの映像特典ディスクとして付属するような時代なので、比べるとさすがに画質的には観るべきところは全くない。ただ、これ、ストーリー仕立てになっていて、白と黒のせめぎ合いがキレッッキレのダンスとMISIAの歌で語られる(眼鏡のオッサンがちょっとかわいそうなことになるけれどもw)。ここからの数作はMISIAもアジアツアーを行ったりしていく大爆発の前兆あたり。 その時点で、この攻撃的なゾーンを手に入れたことはMISIAにとって、音楽性の幅をとても広げたと思われる。コンサートでもこういったダンスチューンと沁みるバラードの落差が「動と静」という感じで「幅」が増したし。現在もMISIAのダンス系、デジタル系楽曲の製作者としてつながりを保ち続けているSAKOSHINとの出逢いの曲と言う点では重要な転換点となったシングルです。
【収録曲】
<CD部分>
1. Escape
2. Change for good
3. Escape (Mega Raiders Remix)
<CD Extra部分>
・Escape Original Cinema
「Escape Original Cinema」
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購入金額
1,260円
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購入日
2000年頃
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購入場所
れいんさん
2017/09/21
やっぱり白なのです
頭から白い何かかぶっちゃうおじさんが
ナイスなのです
cybercatさん
2017/09/22