DENONのマイクロファイバー振動板採用の密閉型ヘッドホンAH-D1000です．D5000/2000/1000シリーズの末弟です．

仕様です（HPより）．

　形式／ダイナミック型
　ドライバー／φ40mm、ネオジウムマグネット
　インピーダンス／32Ω
　感度／103dB/mW
　最大入力／1,300mW
　再生周波数／8～37,000Hz
　質量／180g（コード含まず）
　コード長／1.5m OFC線
　プラグ／直径3.5mm金メッキステレオミニプラグ
　付属品／3.5m延長コードOFC線、直径6.3mm金メッキステレオ変換プラグ（ステレオミニプラ　

　グ→ステレオ標準プラグ）

イヤーパッドも比較的きれいでしたが，”音が出ない”としっかり書いてあるJUNK品．

外観はほぼ問題なく，イヤーパッドの破損もありません．

ケーブルは両出しで，2芯の2線並行ケーブルなので，バランス化も簡単にできそうです．

ただ，ハウジングは軟な構造なので，あまり期待できない可能性もありますが，チャレンジです．

音が出ないとありましたが，接触不良かどうか確かめるため，その時持っていたタブレットで再生しても，全く音が出ません．プラグ部やハウジング導入部をゴリゴリしても，全くノイズも聞こえません．

プラグ部は，きちんとした作りで，保護もされていたので，この部分での断線は考えにくいです．そうすると，ハウジング導入部での断線か，ドライバ不良のどちらか？

両CHとも音が出ないので，ドライバ不良に可能性は低く，断線していると判断して，デノンのヘッドホンは1台も持っていなかったので，チャレンジしてみました．

早速，家に帰り，分解してテスターでチェックすると，完全に断線．ただし，L側のGNDだけは正常．しかも，ドライバは両CHとも約30Ω程度で，正常とわかり一安心．

ココまでくれば，チャレンジは半分成功したのも同じ．

ただし，このケーブルはリッツ線！．リッツ線はあまり好きではありませんが，仕方ありません．また，強く引っ張ると切れる可能性も高いのがリッツ線なので，どこかで断線しているのは間違い無さそうですが，断線箇所を探すのは難しい．

最悪，リケーブルすることも考えましたが，オリジナルの音を確認したかったのと，比較的良質なケーブルのように見えたので，まずはそのまま修理することにしました．

しかし，リッツ線で，外被覆が非常に厚く，断線箇所を手探りで見つけるのは不可能なので，一番可能性の高いハウジング導入部を10cm程度カットして，テスターチェックしました．

※経験上，リッツ線は固定部付近で断線していることが多いです．柔らかいのでケーブルの途中で断線していることはめったにありません．

ビンゴ！

チャレンジ成功です．

やはり，この箇所で断線していたようです．おそらく，ケーブルを引っ掛けて，ハウジング導入部で強い力がかかり，断線したのだと思います．

はんだボールでリッツ線にハンダを載せ，プラグ部とのテスターチェックOKとなり，再ハンダで音出しもOKとなりました．

※リッツ線の半田付け方法

リッツ線はエナメルコーティングされているので，ハンダが載りません．

簡単にハンダを載せるには，木片の上に溶かしたはんだボールを作り，その中にリッツ線を入れます．暫くすると，はんだボールの熱でコーティングが溶けて無くなり，ハンダが載るようになります．

ただし，長時間ハンダを熱するので，半田の艶がなくなりますので，素人ハンダになります．

が，一番確実にハンダを載せる方法です．

カッターやライターや直コテなどでは，なかなかうまく行きません．