今日は車の点検に行ったついでに、少し秋葉原に寄りました。
特に目当てのものがあった訳ではなく、いつも通りの巡回コースを歩いたのですが、その中の一つであるeイヤホンのジャンク箱で発掘したのが、このSONY WALKMAN NW-S14です。WM-PORT用の純正ケーブルが添付されていて990円でしたので、最悪の場合はケーブルを買ったと思えば諦めがつくと思ったのです。
ジャンクの理由は単に「動作不良」とだけ書かれていました。買ってから電源を入れると、取り敢えず起動は正常です。
しかし、少し触って原因がわかりました。押したボタンと実際の動作が全く一致しないのです。例えば「HOME / BACK」ボタンを押すと、何故かボリュームが上がっていきますし、再生ボタンを押すとカーソルが予測不能な動きをしてしまいます。
取り敢えず原因を調べるために分解しました。背面のビス2本を外した後、側面の隙間からこじ開ければ分解できます。さらに基板とシャシーの間のビス2本を外すことで、このように各パーツが分かれます。
例えばここで液体をこぼした後のようなものがあれば原因は容易に特定できます。かつてSONY NW-A916やApple iPodのジャンクを分解したときには、液体の跡らしいものが見つかりましたので…。
しかし、このNW-S14は基板を見る限りはむしろ綺麗だったのです。
こうなると、なかなか厄介な状況です。
一応使えるが、使う必要があるかと言われると…
基板だけの状態にした後で、ふと思いついて電源を入れて軽く動かしてみました。すると、何と動作はほぼ正常なのです。強いていえば「OPTION」キーが殆ど反応しない程度で、キーと動作の内容は一致していました。
そこで改めてよく見てみると、音量ボタンが結構歪んでいて、片側の支柱部分は殆ど折れていますし、シャシーやフロントパネルも結構凹みや打痕があります。そして、この状態でシャシーに組み付けると、また動作が怪しくなるのです。
この状況から、結論としてはシャシーやフロントパネルが歪んでいるため、目的のボタン以外が押された状態となって誤動作が起きているのでは無いかということが予想されます。音量ボタンの位置を調整すると誤動作がある程度減りましたので、多少は信憑性のありそうな仮説です。
一応軽くフロントパネルを逆方向に曲げてから組み付けると、以前よりは誤動作が減り何とか使える状態となりました。そこで楽曲を転送して、ATH-IM02や偽IE80等で試聴してみました。
一部ではWALKMANはS系の音が最も素直で良いという説を唱える人もいるのですが、手持ちのNW-A16と比べると、殆ど全ての点でNW-A16の音質がはっきりと上回っています。
強いていえば低域方向は相対的にNW-S14の方が出ているのですが、これはNW-A16と比べると高域方向の伸びや量が明らかに劣っているためにそう感じるというべきでしょう。
幸いNW-S14にはBluetoothが搭載されていますので、カーオーディオ等とペアリングしておいて、そちらから操作すれば十分実用には堪えるでしょうけれど、音質面での優位性は特になく搭載メモリー量も8GBしかありません(ハイレゾファイルには非対応なのであまり大きなデータはそもそも扱えませんが)ので、使いどころは正直言ってあまりなさそうです。
ところで、分解していて妙に感心したのはこの部分でした。
ここは本体の最上部に当たる場所なのですが、基板が45度角で取り付けられているのです。この辺りの芸の細かい実装は、いかにも大手メーカーらしいと納得させられました。
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購入金額
990円
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購入日
2017年09月03日
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購入場所
eイヤホン
フェレンギさん
2017/09/03
これがZIGSOWのレビューなのか!
と改めて思いました。
勉強させてもらいました。
jive9821さん
2017/09/03
お褒めいただくほどとは思いませんでしたので、少々恐縮しております。
最近ではすっかり減ってしまいましたが、元々ジャンク品を買ってきて叩き直すのは結構好きな作業でしたので、久しぶりにやってみました。手先は不器用ですし、片手の動きもやや悪いので細かい作業には限度があり、大したことは出来ませんが…。
本来の製品レビューという趣旨からは少し外れるのですが、このようなネタも時には役立つこともあるかも知れませんし、今後もたまに書いてみようと思います。